玉にきず
ボーイズラブ初めての投稿です。
評価やアドバイス等ありましたら、ぜひお願いします。
「うわっ、見ろよこれ、やばくね」
「よくこんな漫画見つけたな・・・」
「ああ。18禁コーナーに入ったんだよ、あそこはすげぇよ、もういるだけでやばかった」
「すげ~!俺もこんなこと女の子として~!!」
県内でも数少ない男子校であり、素行の悪さでは有名な俺の学校の昼休み。
教室の窓際でこんな光景が最近よく見られるようになった。
(こんな時期に、呑気な奴らだ。)
俺はそんな奴らを尻目に、何か飲み物を、と席を立った。
そこを目ざとく見つけたやつらが、
「おい、りょう、お前も見ろよ!凄いぞこれ。」
「いや、俺は遠慮するよ、そこまで暇じゃないしな、すまないな」
「そうだよな~。お前このクラスの数少ない国立受ける一人だもんな」
「それに俺らと違ってそのルックスと性格で女の子寄ってくるもんな~。」
「俺に一人ぐらい紹介しろよ!」
そう言う奴らを後ろに俺は教室をでた。
(良かった、ばれてない・・・。)
いつものことながら、まだこんな話を振られた瞬間、焦ってしまう。
そう、俺、神月 りょう(こうづき りょう)は大の女嫌いなのだ。
だから当然、そういった話は気持ち悪すぎていつも教室にいられなくなる。
最近、毎日のようにそういった類の話が教室でされるたび、俺は教室から出るようにしている。
普通ならこういった行動ゆえ、ばれても仕方がないのだが、神様は俺に人よりもいいルックスをくださった.
ふさふさとした髪に、外人のように茶色い目、そして白い肌、薄い唇に、身長は180センチまで伸ばしてくださった。
そして、昨年までは水泳部に入っていたため、筋肉質の引き締まった体。
おかげで、何とかばれずにすんでいる。
女が寄って来た時には、笑顔で
「ごめんね。君とは友達でいたいんだ。」
などといってごまかしてきた。
「神月君!ちょっといいかな?」
自動販売機で飲み物を買って帰ろうとしたところを、ふと後ろから呼ばれた。
俺が後ろを振り向くと、そこには養護教諭の三上先生がいた。
この先生は学校ではまれに見る凄く美形の先生だ。
俺とは正反対で、真黒のストレートの髪に、銀縁の眼鏡の奥に、真黒な目。
しかし、この先生は昔運動をしていたらしく、身長と筋肉質は似ている。
そのうえ、性格がとても良く生徒の間でとても人気だ。
男の養護教諭なんてあまり聞かないが、こんな先生なら保健室も行きにくいことがない。
俺もよくこんな昼休みの時などは利用させてもらっていた。
「この間保健室に来た時、凄く顔色悪かったから、大丈夫かなと思って、あれから会ってないからね」
「あの時は、貧血で。ご心配をお掛けしました。」
こんな風に一人一人気にかけてくれる、いい先生だ。
「あ、そうそう、この間神月君が保健室から出て行った後、忘れ物が見つかってね、名前が書かれてないんだ。君の確かめに来てほしいんだけど今時間あるかい?放課後でもいいが。」
「忘れ物・・ですか。分かりました、それなら放課後でいいですか?もう昼休み終わるので」
「あ、ほんとだ!って俺会議だった!やばい・・・。」
「先生頑張ってください(笑)」
「ああ、じゃあ放課後な!」
「はい!」
(それにしても、何か忘れたっけ・・・?まあ、放課後いけばわかるか。)
俺は、教室へ戻った。