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デート〜青い揺らめき

こちらも久々です。

すみません…

そのあとショッピングをしながら、まどかは目を白黒させていた。


次から次へと「これも似合うなぁ〜。よし、色違いで買おう!」と、ひたすら遠慮する(というか引き気味の)まどかをまったく気にせず洋服や小物を買っていく。


お金を払えないからと断ったが「俺が買いたいから買ってるのをまどかちゃんにもらってもらうだけだから」と早々に言いくるめられてしまった。


そんなに出かけることもないし必要ないのだと言うと、「次に俺と出かける時に来てきてよ〜」とやんわり笑顔で返され、結局着せ替え人形状態だ。



その後、夕方近くになって2人が訪れたのは、水族館。


「本当に盛り沢山ですね」


「でしょ〜?連れ回しちゃってゴメンね〜」


「いえ、………?」



「?どうかした??」


辺りを見回していたまどかが首をかしげる。


「いえ、貴文様の気配がした気がするんですが…失礼しました。」


「ふぅん?そう?」


気のせいかと思い、そのまま歩き出す。



まどかにとって水族館は子供の頃以来だ。



ふと気づけば手をつないで入っていく蘭に「蘭さん、手を」と言うと、「はぐれたら困るから〜」と笑みを浮かべただけだった。


確かに家族連れなどで賑わっていてすぐに見失ってしまいそうだ。

納得して大人しく手を引かれるがままに進むと、小さな水槽から徐々に大きな水槽へと景色が移り変わっていく。



会話はそれほど多くなく、「意外と亀が好きなんだよね〜」「のんびりなところがそっくりですね」だったり、「あの魚美味しそう」「今すぐ水族館から立ち去ってください」だったり、他愛もないことをポツリポツリと交わした。


キョロキョロと視線を動かすまどかを、蘭は目を細めて眺めていた。


「楽しいな〜」


「魚が好きなんですね」


「う〜ん、魚っていうか…」

チラリとこちらを見る蘭に小首を傾げる。


そんなまどかの様子に蘭は小さく苦笑して頭を撫でる。


2人の背後の喧騒が大きくなった。家族連れの中にも騒がしい客がいるようだ。



アーチ型の水槽に来たところで、イワシの群れのキラキラした銀世界に目を奪われ、足を止める。



ここ……



『まどか、ホラ早く行くわよ〜』


『はは、本当にまどかはココが気に入ったんだなぁ。でもそろそろ行かないとイルカのショーが始まっちゃうよ?』



そんな両親の声が心の中に聞こえてくる。

思い出の中の声とは言え、久しぶりの家族の記憶に足が止まってしまう。


青い揺らぎが、心の奥を揺らす。


そう…初めて水族館に来た時、アーチに見惚れて動かなかったくせに結局イルカのショーを見逃してしまって、大泣きしたんだった。

お父さん困ってたなぁ……



1度目を閉じ、その思い出を大切に仕舞って。



「!っ、まどかちゃん?」



ポロリと思い出の雫が瞳から溢れる。


また両親のことで泣くなんて本当に情けない。

心が弱くなっている証拠だ。



「……っすみ、ません。亡くなった両親のことを思い出して…」


「…とりあえず、あっち座ろう。」



側にあったベンチに腰掛け、蘭はそっと気遣うようにまどかの肩を抱く。


「申し訳ありません、大丈夫ですから…」



涙を拭って顔を上げたその時。




「ーーー何うちの家政婦を泣かせてんだよ」




2人の目の前に貴文が立っていた。


水族館のアーチが苦手で…


海の中にいる感がどうにも。



でも水族館は好きです。



読んでくださりありがとうございます。

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