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短編

通りゃんせ

作者: RK

 気がつくといつの間にか外に立っていた。

 さっきまで…なにをしていたっけ?

 ぼんやりとした頭で考えるも思い出せない。

 霧が出ている為か、少し先しか見えないのでここがどこだかも把握できない。

 頭を捻りつつもとりあえず歩き出す。歩かないことにはここがどこだかもわからないだろう。

 しばらく歩いていると霧の向こうにぼんやりとした明かりが見えた。

 ゆらゆらと揺らめく明かりは次第に近づいてくる。


「あのー」


 明かりに向かって声かける。すると明かりは止まった。うっすらと人影が見える程度の距離。


「すみません、ここがどこだかわかりますか?」

「ご存知ないのですか?」

「ええ、いつのまにかここにいまして」

「それは大変だ」

「そうなんですよ」

「今すぐ引き返しなさい」

「どうしてですか?」

「いいから」


 そんな問答をしているうちに霧が晴れてくる。霧の向こうには知った街の明かりが見えた。

 前にいる人の顔は逆光で見えない。


「ああ、思い出した。私は急いで医者のところにいかなくてはいけないんですよ」

「それでもここを通らないほうがいい」

「いいから通してください、急いでるんです」


 そこに立つ人を押しのけて進む。

 男からの抵抗はなくすんなりと通ることができた。


「ああ、通ってしまった。行きはよいが帰りは…」


 そんな声が背後から聞こえた気がした。


 


 ドンドン。

 扉が叩かれる音がする。


「はあい!今行きますよ」


 こんな夜更けに来るとは余程のことなのだろう。

 寝ぼけ眼をこすりながら扉を開ける。

 だがそこには誰もいない。


「全くイタズラか…」


 そう思って扉を締めようとすると何かに引っかかった。

 なんだろうと思い下を見る。


 そこには死後数年は経ったであろうと思われる干からびた死体とそれに抱えられた赤子が抱かれていた。


「ひいいいいぃぃぃぃぃ!!!」



「だから言ったろう。行きはよいが帰りはこわい、と」

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