君の隣に
幼馴染がいる人は自分に当てはめて、
幼馴染がいない人は周りの仲のいい異性の友達に当てはめてみてください。
きっと共感してくれると信じています(笑)
クスクスと無邪気に笑う、君の隣に僕がいるのが当たり前だった。
僕と君は幼馴染で、小さいころから知っている仲。
小学校低学年の時は、一緒に居たりよく遊んだりした。
だけど、高学年になるにつれ周りの目を気にしだした。
男女の仲を冷やかすクラスメートたち。
自然に、距離を置くようになってしまった。
それを察した君は、僕の家に来て泣き出した。
「避けちゃ嫌だよぉ……グスッ」
手でポロポロと零れる涙をすくってた。
それを見て、心がズキンと痛んだ。
違う、こんな思いをさせたかったわけじゃない。
もう避けないと言い、指切りをする。
小さな約束だけど、大きな決心。
すると君は、顔をぐしゃぐしゃにして笑ったんだ。
「裕君。これあげるよ」
あれから数年経って僕らは中学生になった。
新しい制服を纏った一年は速く過ぎ去り。
今は二年へと変わった。
季節はまだ夏の暑さが抜け切れない秋。
僕たちは、屋上に上がって昼食を食べている。
持参の焼きそばパンとメロンパンを僕に少しおすそ分けしてくれた。
だからということで、僕のお弁当も上げる事に。
勿論、彼女は箸なんて持っている筈もなく。
僕の箸を使うわけで。
「……あのさぁ、僕男だよ?関節キスになってしまうじゃんか」
立っている彼女に対して、座っているものだから見上げる羽目に。
こんな状態でそんなこと言っても説得力ないか、なんて思ったりした。
「ふぇ? 今さら何言ってんの? あははっ」
男として見てないです宣言をされた上に、笑われた。
『今さら』って、まぁそうだけど。
返してもらった箸で、再び黙々とお弁当を舌つづみする。
口の中に、卵焼きの甘さが広がる。
昼食を取り終えてからは、いつも話す。
と言っても、よく話すのは彼女の方だ。
いつもの様に、他愛もない会話をした後彼女はジッとグラウンドを見つめた。
またか……。
そう思うのはいつもの事。
彼女には好きな人がいた。
この間突然聞かされたのだった。
「あのね、裕君。私好きな人ができたんだ」
そう言って頬を赤らめたため、より女を感じさせていた。
中学校に上がって、周りは学生らしく変わっていくのに彼女は変わっていなかった。
だから、そんな姿を見て本当に驚いた。
「協力してくれるとうれしいな」
ニコッと笑いながら、更に赤くなる。
ふいにそんな回想を思い出していたが、現実に戻る。
僕は、彼女、愛香の事を恋愛対象として見ているわけではない。
だけど、やっぱり離れてしまうとさみしい気持ちもある。
なんせ、11年間も一緒に居たのだから。
幼馴染というよりは、“妹”という感じだった。
もし、愛香に彼氏ができたら僕のこのポジションは変わってしまうのだろうか。
今よりは、会う回数も断然減るだろう。
愛香は「会おう」って言うと思うけど、彼氏が許さないだろう。
幼馴染の男の子とはいえ、彼からしたら知らない人だし『男』だ。
何があるか分からない。
それは当たり前の事だから、なにも咎めたりはしないけれど。
やっぱり寂しいかな。
「ねえ愛香」
そう呼ぶと、「ん?」ってフニャッと笑ってくれる。
この笑顔もあと何回見られるだろうか。
「なんでもない」
そう言って少し微笑む。
愛香は頭の中には?マークでいっぱいの事だろう。
教えて、とねだるが微笑んで誤魔化す。
本当に言いたいことは、また機会ができたら教えるよ。
ねえ、愛香。
君に彼氏ができたら……。
その時が来たら、ソッと何処かへ行くから。
それまで居てもいいよね。
僕の名前を呼ぶ彼女に、笑って返事を返した。
感想くれると嬉しいです(σ´∀`)σ




