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第21話 クエーカーVS純白の悪魔

3%。

少ない可能性に全てを掛ける。

友を助ける為に、命を投げ出そう。


理由何て無い。


強いて言うなら死んでほしくないから。


これだけで十分だ。

今度こそ助ける。


今度こそ。

薄暗い部屋の中、2人の人間が居た。

一人は薄らと光る何重も囲まれた円の真ん中に座り、目の前に有る監視カメラ用のテレビを眺めていた。


もう一人は、その円には入っておらず、

ただクスクスと楽しそうに笑っていた。

その笑う声の主は背の高い女。


円に座っている人間は鬱陶しそうにもう一人の女の方を向いた。

「どうした」


女はクスクスと笑いながら暗がりの人間に答える。

「あたしらの能力をくらってるガキの一人が、あんたの能力が解けたみたいでさ」


「・・・・?」

それだけでは笑う理由になるとは暗がりの人間は思わなかった。

自分の能力が解けても女の能力が保険になるはずだからだ。

もしも、女が笑っている理由が自分の能力が解けたからだという理由なのであれば、それはあまりにもバカバカしい事だ。


女はとても嬉しそうに言った。

「そのガキが能力を受け付けなかったガキを殺そうとしてるのよ」

女はその綺麗な顔にゾッとする笑みを浮かべた。

「しかもあたしの事を年増とか言いやがったガキだ!キャハハハ!!もっとグチャグチャになればいいのに」

女の言っている姿は隠しカメラの映像が映る画面には映っていない。

つまり、女は自らが操っている人間を通して見ているのだ。


「ちょっと、あたし見てくるから、あたしの体見ときなさいよ」

そう吐き捨てるように言うと、女は突然倒れた。

それを見ていた暗闇の人間は小さく溜息を付く。

女は操っている人間を通して状況を見る事の出来る能力者だ。

今は、ハッキリと見る為に操っている人間に意識毎乗り移ったのだ。


女の力ならそんな事をしなくても見れるが、テレビを見て観戦するのと、実際に観戦するのとは大きく違うように、後者の理由の為に女は意識を飛ばしたのだ。

しかし、意識を飛ばす間当然この女の体は抜けがらでしか無い。


倒れた女を無視して監視カメラの画面に向き直る。

「…」

ふと女の言葉が疑問に思ったのか、目の前に有る装置を動かした。

パッパッパ!と素早く画面が変わっていく。

その中の一つで手を止めた。


画面もそこで止まった。


狭い廊下で対峙するのは2人の少年。

片方は赤い眼をした操られた少年。


(…へぇ)

その少年に見覚えがあった。

この学校に来る前に、学校内の生徒の資料を見せられた。その中に居た一人の少年だ。

(確か学校内の戦闘ランキングで上位は3年ばかりの中、唯一の1年生だったかな)

様々な学校が存在する中で落ちこぼれの学校を狙う事になっていたが、落ちこぼれでも決して弱いわけでは無かった。むしろ戦闘力は高い者が多いと聞いて居た中で、そのランキングを見た時に1年生がいた事が印象に残っていた。


片方の男の方も見た。

真っ白な髪、それと同じ様な純白の瞳、一言で言うなら『白』を思わせる少年が居た。

(これは…)

その少年にも見覚えがあった。


同じように資料の中に居た一人だ。

だが、

その時は、気にも留めていなかった。

唯、変わった容姿だな、程度にしか受け止めていなかった。


しかし、今の姿は資料に在った存在とは違って見えた。

血だらけの体に、睨む様な鋭い瞳。

その目は一、生徒が出せる様な瞳とは思えなかった。


暗がりの中、不思議と画面に釘付けになっていた。

『マインド』の『心』を操る能力者は、この純白の少年を資料以外に知っている気がした。

裏の世界でなら、誰もが知っている名前が浮かぶ。


純白の悪魔。


だが、純白の悪魔がこんな所に居るとは思えなかった。


それを確認するべく、

画面を変えずに見入る事にした。






口から吹き出されたのは大量の血。

呆然と血に染まった右手を見る。

感情の宿らない赤い瞳は、直ぐに前を向く。



標的の居場所は解る。床に続く赤い血は標的が流したもの。

この血の持ち主がどんな奴かも知っている。

だが今はそんな事は関係ない。


ああ、足が痛いな…痛いけど、どうでもいい、今は。

殺さなくてはいけない。

何故かは解らない、解らないならどうでもいいや。

勝手に体が動いてくれる、

どうでもいい。


どうでもいい、




第21話 クエーカー(迷惑な自己地震)VS 純白の悪魔




廊下に出た先に居たのは口や鼻から赤い血を流す正人。

その変わりように、一瞬和也は困惑の表情を見せた。

だが、決意を示すように手に持つ氷鈴刀を構える。

その刀は和也はけして友に向ける様な人間では無い。

いつも向けていた先は自らが敵と認識した相手のみ。

相手が敵意を向ければそれに習うように敵意を返す。


それは相手が『敵』だから出来た。

刀を握りしめる手が震える。

解っていても無意識に正人に刀を向ける事を拒否していた。

先程まで向けていたのは拳、喧嘩でも使う和也が持つ武器で最も殺す可能性の低い武器。

今持つ武器は刀、斬る為に光る切っ先は殺す為に。





「ドウシタ?」

下から黒猫の声が和也の耳に入り、ッハ!と我に帰った。

「…なんでもない」

正人は無表情のまま、サーベルを振り上げた。

「来るぞ!」


和也の声と共に振り下ろされたサーベル。

ぶぉん!という空を切る音と共に放たれるのは空気振動により衝撃波。

避ける事の出来ない衝撃が和也に迫る。


和也は小さく零す。

「…炎斬」

その声に合わせるように構えた刀に炎が纏う。

刀に纏う炎はそのまま巨大な刀を作り出す。

そのまま巨大な刀を振り下ろす。


ドォォン!という激しい音が響き渡る。

廊下に爆風が吹き荒れた。

正人の創り出した衝撃波が消える。

相手の衝撃以上の衝撃が空気中の振動を消し去り、それ以上の振動を作り出す。

衝撃波に押される様に、正人が尻もちを付いた。

煙が消え去った先に、和也の刀は元の形に戻っていた。

しかし、先ほどの刀は確かに存在していた。

その証拠の様に和也の目の前の床に、

巨大なクレータが出来上がっていた。


(ホォ、素晴ラシイ威力ダ)

黒猫が思っていた以上にその威力はすざまじかった。

辺りの壁が薄ら黒く焦げている。良く見れば、和也自身の服の裾が黒く焦げていた。

(…自ラニモ降リカカル文字通リ、『もろ刃の剣』カ…)

和也はガクッ!と膝を付いた。今も背中から流れ出る赤い血液。


(ク…ソ…眩暈がする)

衝撃は和也自身にも帰ってくる。

その衝撃を受け止める事も出来ない程に和也の体は弱っていた。


(でも…お前はもっと苦しいんだろうな…)

目を向けた先に居る正人は立ち上がろうとしていた。

晴れ上がった右足、口や鼻から流れる血。

和也は歯を食いしばり立ち上がる。

まだまだ戦える。助ける為に。

刀を突き立てよう。



(俺の動けるのは約8分…炎斬を使えるのは3分、先程の炎斬を使ったのは2秒位か)

たったの2秒、炎斬を創り出しただけでどっ!と疲れを感じた。

黒猫の時に使える時間は5秒のみだったが、改良を加え最低限作り出す為に3分までの形状を成功していた。

炎斬を使った後は、その膨大な力により気絶する様に眠る。失敗は許されない。

炎斬を最初か一気に使い続ければ、3分が経った後、和也はそのまま気絶する。

しかし、出し惜しみをすれば出血多量で動けなくなる。

どちらにせよ和也自身に、あまりにも不利な状況であった。

和也はようやく立ち上がりそうな正人に向って走り出した。

正人に刀を振り下ろす。

反射的に正人はサーベルを構えた。

ギィン!と金属の弾ける音が響き渡る、

(遠距離で来る衝撃波を一回一回防ぐのに使えば俺が先に潰れる。近距離戦で衝撃波は使わせない!)

ギチギチ、と金属音が2つの刃の間で繰り返し音がする。

真っ赤な瞳と純白の瞳が交差する。

刀とサーベルが重なる。

正人が一歩前に出ると共に和也が後ろに下がる。

(ック…!?)

和也の手に力が入らない。

一歩出る度に押される。

(操られた人間と正常な人間じゃ全体的にこっちの方に分が悪い!)

和也の顔付きが変わる。

「あああ!」

声と共に一瞬だけ力が入る。

和也の足が止まった。

押されるだけだった和也だったが、力が均等に押し合う形に変わった。

だがそれも一瞬のみの力、再び正人に押される。

瞬間、和也が後ろに飛んだ。

力を押し続けていた正人は、力の行き場を失い、前に2歩3歩と出る。

無防備な状態の正人に刀を横に振るう!


和也の刀は正人を確かに捉えた。

・・・はずだった。


バチィン!!弾ける音と共に刀が弾け飛んだ。

「!?」

弱く握っていた刀は宙を舞う。

飛んだ刀を目で追った。


黒猫が飛び出すと、宙に飛んだ刀をくわえると、和也の横に降り立った。

加えた刀を和也に向けて投げた。

「…すまない」

弱弱しく謝ると、焦げていない手で掴み取る。

黒猫は、一瞬和也を見るも、視線は直ぐに正人を向いた。

「…能力ノ暴走。」

一瞬間を開ける。


「能力ノ暴走ニヨリ、全テノ『振動』ガアノ者ノちからニナル。刀ト自ラノ間ニ生マレル小サナ振動ヲ瞬間的ニ作リ出シタ様ダナ」

つまり、和也が作り出した振動さえ、武器にするのだ。

和也が舌打ちをする。

「攻撃を当てることさえ無理か…無茶苦茶だな」

和也自身も解っていたが、能力の暴走は自らの体を犠牲に莫大な力を要する。


正人が再びサーベルを振り上げた。

(まずい!)

和也が床を蹴る。

ギィン!金属の音が再び木霊する。

振り上げたサーベルをなぎ払うように刀を振った。


振り下ろされる事も無く、刀とサーベルが再びかち合う。


(やはり炎斬か!)

中途半端な攻撃では無く確実な攻撃力。

(だが、アレを当てるのはきつい!)

炎斬は元々『防御』に絞っていた技、動いていない物で無い限り当てるのは難しい。


和也の模索する中、正人と和也との武器の間のギチギチという金属音の音が変わった。

(ッ何だ!?)



ガキッ!

和也の刀がかけた。

破片が和也の顔に当たった。


瞬間的に和也が後方に思いっきり飛んだ。

それを追撃する様に正人が前に出る。

横に振るわれるサーベル。

「ッく!」


しゃがみ込んだ和也の頭の上をサーベルが通過した。

白い髪が数本宙を舞う。

正人の追撃は止まない、サーベルを瞬時に構え振り下ろす。

和也の真上からサーベルが振り下ろされている。


刀をとっさに真上に構えた。

構えた刀にサーベルが振り下ろされる。


当たった瞬間、金属の弾ける音はしなかった。


ギリリリリリリ!!!と、音を立てながら、火花を立てる。

「!?」

大量の火花は、まるで電動ノコギリの様にけたたましい音を立てる。

(刀が!削られる!?)

尻もちを付いた状態から咄嗟に正人の腹に蹴りを加えた。


正人がヨロヨロと後ろに下がった。

咄嗟に立ち上がり、氷鈴刀を見る。

摩擦で焦げた様な跡が有る。

(振動で作り出すノコギリってか…?)

和也が再び舌打ちする。

無茶苦茶な能力の使い方。こんな事を続ければ確実に死ぬ。

直ぐに立ち上がる正人は和也に向って走る。

再び思いっきり横に振る振動のサーベル。

無駄なくギリギリでかわす。

しかし、直ぐに次の攻撃に移り変わる。

再び後ろに飛ぶ。

先程の様に刀で防ぐ事は出来ない、唯一の武器が壊れればそれこそ勝機は消える。

和也の居た所をサーベルが振り下ろされる。

ギュル!というけたたましい音が、廊下の床に直線の切り傷を作り出した。

それを見た和也に寒気が走る。

(コンクリートに切り傷を付けた!?あんなの食らえば一瞬やられる!!)

ギリッ!と歯を食いしばる。

(攻撃をするのも無理、相手には確実な一発、だが遠距離になれば空気振動の衝撃波…!)

能力の暴走




(思っていたより予想以上に厄介だな…せめて万全でやり合いたかった)

付かず離れず、相手の攻撃をギリギリで避ける。

掠れる感覚の度にキモが冷える思いがよぎる。

当たる寸前で刀を一瞬触れさせてずらす。

その度に電動ノコギリの様なサーベルは火花を散らす。

手に残り痺れに、どれ程の威力かが解る。


(どれだけ経った!?5分、短くても4分か!?)

もはや猶予が無くなった。

(炎斬の形状に3分…だが作り出せても当てれるとは思えない…3分ぶんの威力を3秒だけに絞り込めば、特大の炎斬を作り出せる!!一方通行の廊下内じゃ避ける事は出来ない!!)

和也の目の前をサーベルが過る。

(ッ!後は!!タイミング!!それだけの力だ、力を溜める必要がある。炎斬を作り出すのに最低限必要の時間は10秒位か!!形は気にしない!特大の『力』のみに絞った俺の持つ最大限の『力』を作り出す!!」

それは守る為に、倒す為に必要な力・・・!!!

和也自身も今迄に完全な炎斬を作る事は出来ていない。

いまだ未完成の必殺技。

練習事は出来るだけ繊細な技として、『もたせる』為に形を意識してきた。

だが、今は違う、完全な力!

数秒間のみの完全な特別な力。


サーベルが斜めに振られようとしていた。

再び、刀を当ててずらそうとした。

瞬間。


今迄に無い特大の眩暈が襲った。


「・・・ぁ?」

ずらすつもりだったサーベルに刀を当てる事が出来なかった。

サーベルはそのまま、和也の体を斜めに切り裂いた。


「ゥァァ!!」

悲鳴とも悲痛とも取れる声が和也から漏れた。

モロに食らった。

体に出来た斜めの切り傷から血が噴出す。

ヨロヨロと後ろによろめきながら、態勢を立て直す。

(目が・・・霞む)

霞む目で体に出来た斜めの切り傷を見て、和也は無意識に微笑を浮かべていた。

(…フン、これだけ血が出ているのにまだ出るんだな)

この状況で、笑える自分が居た。

時間を考える必要は無くなった。

時間を計算していたのは、斬られる前まで。

これ以上の血が流れた以上、時間を気にする事すら不可能になった。


(もういい…)

目の前に居る正人は、無表情のまま『確実に殺す為の技』を振り下ろす。


(避ける、必要が無くなった…!!!)

和也は後ろに下がるのではなく、臆することなく。


前に出た。


「ッ!!!!」

一刀両断のサーベルは肩に減り込んだ。

歯を食い縛る和也の歯がギリギリと力強く噛み締める。


「…!?」

胸まで斬りつけると、そこでサーベルは止まった。


(ホォ…振動ヲ止メタカ)

一部始終を見ていた黒猫は眼を細めて分析する。

(肩ニ力ヲ入レル事デ筋肉ヲ固メテ固定シ、武器ニ存在スル揺レヲ消シタノカ)

サーベルを刀に減り込ませたのはわざと、そのまま減り込んだままのサーベルは『揺れ』さえ消えればソレは唯のサーベルでしかない。

これ以上押せないと解った正人は引き抜こうとする。

しかし

外れない。


外させない。


1秒



焦げた右手を気にせず、両手で強く強く氷鈴刀を握り締める。


2秒


肩に入れていた力も、握りしめる手に入れる。


3秒


力が抜けると共に、正人はサーベルを引き抜いた。

血が噴き出す。

4秒


同時に、和也の持つ刀に炎が纏わりつく。


5秒


炎は無造作に刀に纏わりつくも形を成しえず、火の粉が辺りに舞う。


6秒


先程見せた炎斬と違う、美しい炎では無い。

無造作な炎。


7秒


反射的に正人は後ろに飛んだ。


8秒


先程と違う異変に、操られている体以前に、本能で動いた。

動物としての機能が無意識に危険を察知した。


9秒


後ろに飛んだ正人を、今度は和也が後を追った。

純白の瞳が獣の様にギラつき、地を蹴った瞬間、正人と和也の距離は再び0に。


10秒。


振り上げた刀は狭い廊下に余るほどの巨大な炎の大剣。

舞うは火の粉と爆風。

和也の意志と無関係に周りを破壊していく。


「ガァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

雄叫びは和也自身の発した物、体の痛みを紛らわす為か、友に振り切る覚悟の為か。

狼の様な大声は爆風の音を凌駕し、廊下中に木霊する。


反射的に正人はサーベルを真上にかざした。

サーベルに込める最大限の『揺れ』。

『確実に殺す為の技』は守る為に展開される。


全てを灰にする和也の持つ最大の技。

そしてそれ以上の無理矢理作り出したメチャクチャな力。

『力』のみに特化した力は、かざしたサーベルに容赦無く炎斬を振り下ろす。


ギリリリリリ!!と再び火花が飛び、火の粉が舞う。


睨む和也の目は鋭く鋭く。

怯む様に、正人が下がった。


「ッ!?」

和也の創り出した大剣の先が火の粉へと変わっていく。

(即席で創り出しただけに、維持までは出来ない!!)


先から火の粉へと変わり消えていく。

(時間が…無い!!)

そう思った瞬間、更に前に出た。

体の痛み等気にしない、噴き出す血等気にしない!


「ォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!」

雄叫びと共に、燃え盛る炎が薪を入れた様に一瞬だけ更に燃え盛った。


正人の表情がはっきりと変わった。

無表情な、操られていたはずの正人の表情にくっきりと恐怖の表情が。


ッパキン!

短い金属音と共に、正人のサーベルが真っ二つに折れた。

本気で振り下ろした刀はサーベルを折ると共に正人にも襲い掛かる。

武器を無くした正人に、自らを守るすぺは無い。


だが、和也自身も止める事が出来る程、やわな力を使ったわけでは無い。

和也は消え失せていく炎斬を振りきった。

紅い線を描きながら、斜めの直線に振った。

無防備な正人の体に斜めの一線。


その振り切りと共に和也は崩れるように倒れた。


それに合わせるかの様に、正人も真後ろに倒れる。




それを見ていた黒猫は意味深に目を細める。


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