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第18話 救いたい敵

立ちはだかるは、クラスの友

戦わなければならない。

戦えば倒す。

だが倒せない。

救いたい。


どうすればいい


戦う相手を守りたい。

それは謎々の様な矛盾。

戦う相手を救う方法を知らない


それは救う必要が無かったから


戦う相手を守る方法を知らない


それはその様な状況になった事が無いから


そんな状況になる世界にいなかった


そんな必要になる人間がいなかったから



自分の知らない世界がそこに在った


何てめんどうな世界だろう


だけど、この世界が



俺は好きだ。











正人は最早、勝負のつもりは無かった。和也と自分には圧倒的な力の差が有ると思い込んでいた。

頭の中では、自分と玩具という考えしか無い。


「こんな気持ち久しぶりだぜェ!!トんじまいそうだ!!」


正人の言葉に和也は不思議に感じた。

「久しぶり・・・?」

そんな和也等、気にせず今井は楽しそうな声を上げていた。



(能力が解れば対策を立てられるんだが…)

正人はニヤニヤと笑みを浮かべながら、和也をみつめていた。

(完全に嘗めてやがるな…)

だが、和也はそれで怒る事は無い。

寧ろチャンスだと考える。

(何かを飛ばしているのだとは思うが、外傷は無い…物質的な攻撃じゃないとしたら)

和也が唾を吐き捨てる。

吐き捨てられた唾には赤い血が混じっていた。


(何にしても情報が少ないな、時間はあまり掛けたくないんだが)

そこで、ふと考え直す。

(能力は、サーベルを振ってから俺に当たっている、直線に何かを飛ばしているなら簡単に避けられるな)

「んだよ、考え事かァ!?和也ァ!」

そう叫びながら再びサーベルを振るう。


和也は瞬時にその場から右に飛んだ。

それを見た正人が片眉を上げる。

先程の様に体が弾け飛ばない。

和也がニヤッと笑った。

「フン…!ネタ(能力)が割れなくとも対した事は…」

と、言い切る前に体が弾け飛んだ。

「ぶふぇっ!?」

間抜けな声と共に、再び和也が空中を浮く。

(…?違ったか?)

そんな風に考えながらも床に叩きつけられた。


「ッ痛…」

体の芯に響く激痛が和也を苦しめる。

仰向けで倒れている和也は、茫然としながら考えていた。

(おかしいな…理屈は間違ってないと思うんだが…しかし、ワンテンポ当たるのが遅かった?)

うつ伏せの体を転がすと、仰向けになった。

蛍光灯の光が目に入る。

余程の余裕か、正人は追い打ちを掛けない。

それを尻目に和也は頭の中を整理する。

(正人は能力を使うとき絶対にサーベルを振っている、だが最初に能力を使った時サーベルを使わずに俺を攻撃した。別にサーベルを使う必要はないのか?いや違う、わざわざ攻撃のタイミングを読ませてくれるわけがない、サーベルを振らなければ能力は使えない。だが、『あの時』はサーベルを振る必要が無かったんだ。てことは…『あの時にサーベルを振らなくても能力が使える条件があった』ってことか)


和也は武器が無くとも、ハンデが有ろうとも、どれだけ不利でも、敗北する気は無い。

過剰意識とは違う、別の思い。

唯、負けれない、負けられない、理由があるから。






起き上がろうと、体を横にした。

その時、すぐ横に液体がある事に気づいた。

反射的に和也は液体を凝視する。

(これは…水?)

それは、少し前に水音が能力の失敗により無造作に飛ばされた水溜りであった。

「…?」

風何て吹かないはずの廊下で小さな水溜まりの中に波が立っていた。

それは水溜りの真ん中から、ではなく正人から和也に向けて孤を描く形で幾つもの波紋が立っていた。

(これは…)

和也の脳裏に正人が最初に能力を使った『あの時』の瞬間が蘇る。

(正人は『あの時』たしかに言った、あの言葉の意味は…!)



「っぶ!!」

そんな和也など知らず、正人は噴き出した。

「ぎゃはははは!!ダッセ!!カッコつけてそれかよ!」

和也は壁をつたいながら立ち上がろうとする。


和也は立ち上がる際に、透明のガラスに触れた。

窓ガラスには自分の顔が映っていた。

映る自らの顔は、無意識に微笑を浮かべていた。


それを見た正人は、更に口の端を上げた。

「頭ァ可笑しくなったか?」

正人の言葉に反応せず、和也は正人を見据えた。





和也は少し間を空けてから口を開いた。


「理解した、お前の能力…『揺れ』だろ?」


正人の表情が崩れた。

表情は瞬間的に焦りに変わった。

だが、直ぐに表情は元に戻る

和也は、その瞬間を逃さない。

「何を根拠に…」


(当たり…か?)

正人の表情を観察する。

確実に戸惑った様に見えたが、まだ確実に予想が当たっているとは思えなかった。

和也のはあくまでの予想、核心では無い。


「最初に言ったじゃないか、お前自身が」

予想を確実な核心に変わるまで油断はしない。

「……何を」

不安を籠めた様な声が正人から漏れる。


(食いついてきた!心が揺れた!)

洗脳されている筈の正人は、直線の感情しか無い。

今の正人の直線の感情は『喜び』

それ以外の『不安』や『迷い』は正人自身の感情。


「『良い揺れじゃん』ってな」


「それだけで…?」


「少なくともそれがヒントになった」

その言葉に反応する様に、正人の赤い眼が『ぶれた』。

慌てて正人はブンブンと首を振った。

そして、和也を見据える顔に、不安や迷いは消えていた。

その顔には狂気を示す喜びの笑み。

「惜しいなァ!正確には『振動』だ」


「フン…惜しいか…」

「解ろうが、解るまいが、俺にゃ勝てないからだよ!」


(ふん、ワンテンポ当たるのが遅かったのは空気中を音が移動する際に円状に広がるからか…)

和也に最初に当たる振動の円の孤の部分をずらした事により、当たる筈だった芯の場所からずれたのだ。

(水音の残した水溜りが孤を描いたのも空気中の振動によるものか)

「俺の別名は『クエーカー!!(振動)【Quaker】』和也ァ!!解った所で俺の攻撃は除けれねェ!」

正人はサーベルを掲げた。

(サーベルを振り下ろすのは微弱な振動を作り出し、自分の能力で強化して爆弾の様な衝撃を作り出す為か。サーベルを振らなくても俺が吹っ飛んだのは、あの時にサーベルを振らなくても地震により空気中に振動が出来ていたのか)

サーベルを力一杯振り下ろした。

振動が空気中を通し、和也に迫る。

正人が引き裂くような笑みを浮かべた。

(振動を出した部分を中心に円で広がれば、確かに避ける事は出来ない、だが・・・)

和也は横向きに思いっきり拳を振った。

和也の拳は窓ガラスに思いっきりぶち当たる。

バァン!という音が廊下内に響き渡った。


「!?」

突然の行動に正人は理解出来なかった。

(関係ない!優勢は、変わらない!!!」


正人はサーベルを降った形で止まっていた。

和也も、窓ガラスに拳を付けたままで止まっていた。


正人の顔から笑みが消えていた。

「振動が消えた…?」

空気中を通し円状に広がる筈だった振動は、空気中で突然消え去った。

振動を能力とする正人にはハッキリと消え去る感覚が解った。


赤い瞳が和也を睨む。

「何をした」

和也はゆっくりと窓ガラスから手を放した。

「自分の能力の事ぐらいもっと勉強した方がいいんじゃないか?」

正人の顔が強張っていく。

「空気の振動を瞬間的に強化しているのなら、強化する前に同じ振動で相殺すればいい」


(窓ガラスを叩いたのは振動を作り出す為か!)


「振動の強化は瞬間的のみ…そんな円状に広がっていく巨大な力を続けたら確実に死ぬからな」

振動は円状に広がるので、最初から振動を強化すれば自分にも衝撃が当たるだけでなく、広がり続ける振動を強化し続けなければならない。

当たる直前に円状の側面だけ瞬間的に強化して衝撃波を作り出す。

最初に和也がサーベルを握った際に当たった振動の衝撃波はサーベルを通り越して攻撃したのでは無くサーベルに当たる前にはまだ微弱な振動であったからだ。


正人が空気中にサーベルを振り下ろす事により微かな振動を作り出すのに対し、和也は窓ガラスを叩き振動を作り出した。

壊れやすく硬い窓ガラスは、一種の『硬い膜』と変わらず振動を作りやすい物質である。

声の様な微弱な振動でも掴み取る窓ガラスは、逆に大きな振動を作り出す事にも適している。




先程まで頭の中で駆け巡っていた『喜び』の中に『不安』が生まれた。

(何でだよ…何でバレてんだよ…一言だけでそこまで解るのか?)


だが、それでも『喜び』はまだ存在した。

(違う、違う、違う違う違う違う違う違う!!!)

再び頭を振る、何度も何度も。

何かを振り払う様に繰り返す。

「和也ァ…!優劣は変わらない!」


「…」

和也は無言で正人を見据える。


「能力が…ばれようが、能力も使えないお前に負けるわけないだろォ!?」

叫びながら正人はサーベルを振った。

微弱な振動が広がる。

和也は合せたように、再びガラスに拳を振った。

バァン!と再び大きな音が振動と共に広がる。

窓から手を放し、手を軽く振った。

「別に能力が使えない何て言ってないだろ?」

窓を殴った右手を正人に向ける。


和也と正人の間で見えない振動が相殺した。

それを見越したように、正人は再びサーベルを振った。

空気を通し、再び和也に振動が迫る。


和也は一直線に正人を見据える。

正人に向けた右手が薄い赤色に光った。


「炎尾!!」

和也の右手から真っ赤な炎が放たれた。

それと同時に、和也は硬いコンクリートを強く蹴った。


炎は孤を描き、空気中に新たな振動を作り出す。

正人と和也の創り出した振動は2人の間で相殺された。

完全に意表を突かれた正人は一瞬、呆然と自らに向かう炎を見据えていた。

「!」

我に返るとあわてて横に飛んだ。

すぐ横を赤い炎が通過していく、焦げた匂いが正人の鼻に付く。

正人の背筋に寒気が走った。

(掠ったか!?)


慌てて飛んだせいで着地出来ず、正人はそのまま廊下を転がった。

「っぐ!」

慌てて立ち上がろうとした。

だが立ち上がる瞬間に目の前の和也に気づいた。

炎尾と同時に近づく和也に気付けなかった。

正人の目の前で無表情のまま、足を振り上げた。

和也の蹴りが立ち上がろうとする正人の顔面を捉える。

「っつぁ!?」

サッカーボールを蹴るように力一杯、振りかぶった蹴りは、正人の体を簡単に浮かせた。


そのまま数回硬い廊下の上を跳ねると壁にぶち当たった。


「うっぁ・・」

嗚咽を漏らすと、手に持つサーベルが音を立てて廊下に落ちた。


その音に、正人は慌ててサーベルに手を伸ばす。


「っぐ!」

サーベルに手を伸ばした手に激痛が走った。

その手を踏み潰す足があった。

見上げた先に、冷たい眼で見下ろす和也が居た。


(!?、この匂い…!)

再び焦げた匂いが鼻に付いた。

見下ろす和也の右手が、赤黒く焼き爛れてていた。

それは先程の炎尾を武器を通さずに、生身で能力を使った代償。

右手からポタポタと血が滴っていた。

「お、お前…」

正人の赤い眼が驚きで見開かれていた。

その顔に『喜び』の感情は無い。


和也はしゃがみ込むと、正人と一直線に見据えた。

赤い眼は、再び『ブレ』る。

和也は焦げた右手で正人の胸倉を掴むと、自分が立ち上がると一緒に持ち上げた。

「っぐ…!」

苦しそうな嗚咽が漏れる。


再び和也は正人を見据える。

白い瞳は赤い瞳をジッと見つめていた。


「クズだな…こんなに弱いとは」

和也の冷たい一言に正人は一瞬理解出来なかった。

正人の顔はみるみる怒りの表情へ変わる。

「何…だと!」

赤い瞳が再び大きくぶれる。

「ザコがいきがるんじゃない…せめてデカ口を叩いても恥ずかしくない位なったらどうだ?ザコ」


「何だとぉ!!」

正人の怒りに満ちた大声が廊下に響く。

和也は馬鹿にした様に鼻で笑う。

「じゃあ何だ?武器も無く、最初は能力すら解らなかった俺にやられた貴様は?」


「こ…の!!」

抵抗しようと正人は胸倉を掴み、和也の手を引きはがそうと手を掛けた。

その抵抗を遮る様に、和也は左手も正人の胸倉に加えると、両手に力を入れた。

正人の両足が床から浮いた。

「!?」

正人は足をバタつかせるが、和也の手は離れない。

そのまま壁に叩きつけた。

「ぐっぁ!」

ガン!という鈍い音が響く。


胸倉を掴む両手を離さず、正人を壁に括り付けた。

放せ!!、と叫びながら暴れるが和也の力は衰えない。

和也はそのまま、そっと耳元に顔を近づけた。

冷たい微笑を浮かべ、それ以上に冷たく声を放った。


「認めろよ…ザコが…」


その一言と共にピタリと暴れるのをやめた。

赤い瞳を大きく、大きく見開いた。

和也は暴れるのをやめた正人を床に下した。

その顔に未だ見下したような微笑は在った。



正人は下を向いたまま、小さく零した。

「てめぇ…」

怒りに満ちた顔を上げた。

「てンめェェェェェェェェェェェ!!」

叫びながら振り上げた拳は、和也の顔面を捉えた。


ドガッ!という鈍い音がした。



和也の顔が後方に飛ぶと、それに合わせて2歩3歩と後ろに下がった。


口の中の鉄の味に、和也は口の中が切れた事を悟る。

だが、その顔の薄い笑みは消えない。


肩を上下に揺らし、荒い息を繰り返す正人は憎しみの表情を和也に向ける。


そんな正人を見て、和也は笑みを向ける。

「目は覚めたか…?」

その言葉に正人は我に帰った様に瞳を見開いた。


その瞳は、赤い瞳から元の淡い黒色に戻っていた。

「あ、れ?俺、何で?」


自分の両手を広げたり閉めたりを繰り返し、不思議そうな表情をしていた。


和也は膝に手を付くと下に向かって大きく息を吐き、小さく零した。

「良かった…上手くいった…」


和也は好きで悪口を言っていたわけではない。

正人の『怒り』を引き出す為に暴言を吐いていた。

洗脳による直線の『喜び』は、正人自身の感情の『不安』、そして『怒り』が『喜び』を打ち消した。

自身の感情が正人の目を覚まさせた。

感情の洗脳は、感情で打ち消せる可能性は有る。

しかし、それは余程の感情の揺れや洗脳されている人間の精神力が関係している。

和也にとってこれは賭けであった。


上手くいく確証は無かった。







正人は不思議そうな表情のまま和也を見た。

「かずちー?」

その素っ頓狂な声は、和也を安心させた。

そして呼び捨てでは無く、いつもの自分を呼ぶ声が更に安心させた。


「何で?これは?…一体?つか何か顔痛ェ…」

正人の声に、和也は顔を上げた。


和也の表情に、先程の冷たい瞳は無かった。


「お!おい!かずちー!何だその手は!?焦げてんじゃん!!、え?何?何があった!?」

ころころと表情が変わる正人を見て和也は唯、微笑を浮かべていた。



嬉しかった。

守れたことが。

壊す事しか出来なかった自分が。



「話は後だ、取り合えずここから離れよう」

そう言うと和也は背を向けた。

和也の言葉は正論だった。

正人の様に操られている人間は沢山居ると考えると、一つの場所に定着してはいけない。

今の疲れ切った和也ならば、連続の戦闘は不利だと考えていた。


「お!おい!待てよ!」

正人は訳も分からず、まず落ちていた自分の武器を拾った。



…パキン




和也の耳に割れる様な音が聞こえた。

不思議に思い振り返ろうとするが、続けて走る様な音に気づくと正人が自分の後を追っていることに気づくと振り返るのをやめた。

異変があれば正人が教えてくれると思ったからだ。

なによりも、にやついている自分を見られるのが、



恥ずかしく思えた。




もう正人は敵では無い、こうやって一人ずつ味方を増やせるかもしれない、と和也は思った。

そこで病室で怜治が言った言葉を思い出した。



『俺に背中を預けてくれよ』



(仲間と言ってくれた、あの男は何処に居るかな…)

仲間を必要とした自分が嬉しかった。

昔の自分から変わっていると思った。純粋にうれしかった。



だが、和也の笑みは消えた。

目を覚まさせる為とは云え、正人の体を傷つけ随分酷い事を言っていた。

(そんなんで…本当に仲間と言えるのか…?)

焼き爛れた右手に痛みが走った。

和也は顔を挙げると、辛そうに唇を噛んだ。


きっと仲間同士は傷つけないモノだと、思った。

だが、自身は傷つけた。

蹴り、殴り、暴言を吐いた。


きっと…

そんな自分は、仲間だとは思えないだろう。

だが、それ以外にやり方思い浮かばなかった。


後ろからの走る音が大きくなっていく。

正人が直ぐ後ろに居るのが解った。



ザン!!!


肉を切る音が直ぐ耳元でした。





倒れていた。

何故倒れているのか理解出来ないで居た。

判るのは、背中の強烈な痛み。

「ぐっ…ァァ!!」

痛みに声が漏れる。

脈打つ感覚に、大きな傷である事が分かった。

だが、解っても理解出来ない。

倒れる理由が、傷の理由が。

痛みを堪えながら、体を横に向け、顔を上げた。


「!!!!」

和也の白い瞳に映ったのは、正人だった。


手に持つサーベルに赤い物を確認した和也は、正人に斬られたと理解した。


だが、わからない。

何故自分が斬られたのか。


淡い黒に戻ったハズの瞳は先程よりも真っ赤な赤黒い瞳に。

その瞳は赤というよりも紅に近かった。


わからない。

何故瞳の色が紅くなっているのか。

確かに目は元の色に戻っていた。

だが、正人の目は先程よりも赤い。


正人は紅い眼で倒れている和也を見下ろす。

先程までの感情的な瞳では無く、機械の様に感情の無い瞳。



正人は感情の無い表情のまま、サーベルを振り上げる。


「正…人…」

友に対し、悲痛の声が漏れた。

声を出すだけで、痛みが体中を走り回る。


(俺は…)

悔しさに歯を食いしばる。

(結局、壊すしか出来ないのか…)

『倒さずに戦う』


そんな世界には居なかった。

だから仲間は必要なかった。

だから仲間を知らなかった。


だから初めて仲間を知った時、


嬉しかった。

守りたいと思えた。

『あの子を』




今度こそ守れると思った。


守れると思ったのに

今度こそ


今度こそ…



和也の思いも空しく、正人はサーベルを振り下ろした。





第18話 救いたい敵‐完‐

はい、やっぱり更新が遅い桜です。

何かね、もう言い訳出来ないっすよね、

はい、しかも今回の話、書きながら思ったんですけど超めんどくさい!!

和也が戦うと大概こうなるかもしれない、と思い始めてきました。


今回に出てきた『振動』ですが、空気中を円状に振動が広がるというのは、水面に円状に波紋が広がるのと一緒と考えてもらえるとありがたいです。

ちなみに、衝撃波は、空気中の振動がある一定を超えると発生し、それは爆弾とうの爆発時に起きるものです。

その振動を強化する事によって衝撃波と似たようなものがつくれるんですねぇ〜

難しいですねぇ〜僕もよくわかっておりません。

後、窓ガラスが振動を作り安いのは、そういう素材だからです。詳しく言うとアレなんですが、窓ガラスは振動を拾いやすく、例えば窓ガラスに耳を当てていれば、声の振動が窓ガラスに伝わり、窓ガラス近くの方々の話を聞けたりと、非常に振動に敏感なのです。

それでは今回はここらで失礼いたします。

次回もよろしくお願い致します。


ありがとうございました。

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