表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍は死してなお死なず  作者: とんかつ
26/69

第26話

書いている途中にパソコンが異音を発し強制終了。1話分消えました。

こういうことはたまにあると話には聞いていましたが……凹みます。

記憶を頼りに復元させましたが……劣化……。

内容に不満がありますが更新させていただきます。

もしかしたら後で書き直すかもしれませんので、ご了承お願いします。


ここ説明足らねーぞ! とか、ここ意味わからん! とか、ふぇぇ描写足んないよー! とか、ここ誤字あるよ! とか、日本語が不自由か! とか、とにかく何かありましたら一言でもお願いします。


お気に入りが増えてました! ありがとうございます! 

多頭龍という生物には読んで字の如く、多くの頭がある。それぞれが意思を持ち、思考し、行動する、非常に珍しい生物だ。

最も有名な多頭龍と言えば何だろうか……ラドン? ヒドラ? テュポーン? ムシュマッヘ? ヤマタノオロチなんてどうだろうか?


どれも歴史に名を残すような怪物たちだ。誰もが子守唄のようにこれらの名前を聞いてきた。早く眠らないとヒドラが来るぞーなんて脅かされて。


ああ堪らない。ドキドキする。


百頭龍ラドン。水蛇ヒドラ。

名前を聞けば誰もが震えあがる。近辺に住む動物が、その気配を感じた瞬間逃げ出す。

その名にはそれだけの価値がある。


彼らが滅ぼした国の数は二つの手では数え切れない。

強大な力を持つ彼らは、おもちゃのように簡単に壊し、喰らい、蹂躙する。

数十年前に国を滅ぼしたのを最後に忽然と姿を消したと聞いていたが、こんなところにいるとは思わなかった。


心臓の鼓動が、呆れるほどに大きくて速い。


四国による討伐同盟が組まれたという話には心が躍った。

四つの国が滅んだと聞かされた時は恐怖した。

それが目の前にいるなんて、ドキドキする。

それと戦うなんて、ワクワクする。


ああ堪らない。なんで龍ってやつは、俺をこうまで惹き付けるのだろうか。


狂おしい。そうとしか言えないほどの熱い衝動が身を焦がす。

神話級、討伐不可能、幻想、伝説、Aランク、災厄。なんて良い言葉だ。胸が躍る。


どれほど強くなれるというのか。

こいつらの血を飲み干せば、俺は一体どれほど強くなれるというのか。

期待に、胸が躍るのだ。


楽しみで、楽しみで楽しみで楽しみで楽しくて仕方がない。


期待に体が震える。力が入る。筋肉の膨張を抑えきれない。

早く闘えと、早く喰らえと細胞がいている。


「コケケケケケケ」


自分の知らない動物の声でラドンが鳴いた瞬間、駆けだす。もう耐えられない。

単純に地面を蹴っただけで、地面が爆発したかのように抉れた。


真っ直ぐに一直線。木々が避けているかの如くただ愚直に進む。

どうもこればかりは止められない。


ただ龍の頭を差し向けることの無意味さを知ったのか、一頭は沼地にその全容を晒していた。

蛇の様な下半身。そこから五本に裂いたように別れている首。真ん中の首だけ少しだけ大きい。

確認できる頭は……1、1、1、1、そして一杯。


五つの大きな首の内の一つから、多数の頭が生えている。数え切れない。

おそらく、これは右から襲ってきて何度首を切っても数を増やして生えてきた、毒を持つ龍ヒドラ。

攻撃してきたのは、あの五本の内の、あの一本だけということだろう。


川に例えると分かりやすいだろうか。一つの川が五つの支流に分かれ、そのうちの一本は更に三十以上の支流に分かれる。真っ黒い川だ。

なんとも不格好になってしまっているが、それが逆に禍々しさを助長しているようにも見える。


もう一頭が見当たらない。去ったか隠れたか。

気配を探ろうにも、姿を現したヒドラのものが大きすぎて分からない。


一先ずは目の前のヒドラに集中する。もちろん周りへの配慮も怠らない。

もしもラドンが隠れて攻撃の機会を窺っているのなら、俺が油断した瞬間を狙ってくるに違いない。


つまりは、攻撃を与えた時、攻撃を避けた時、距離をとった時、ヒドラを倒した時だ。

それ以外の時に攻撃してきたとしても避けられる自信がある。それだけを注意していれば良い。

逆を言えば、それ以外の全ての時間は、ヒドラ一頭に割いて良いのだ。


ヒドラの首を切る。切った断面から新たに二本の首が生えてきた。やはり無駄のようだ。

さて、飛び出してみたがどうすればいいのか。

ヒドラは自分が傷つくことも厭わずに、ただ只管ひたすらに攻撃してくる。防御なんて全く気にしていない様子。当然だ。傷ついてもすぐに治ってしまうのだから。

超高速再生、なんて反則じみた力なのだろうか。


ふと思い至る、この再生は無限なのだろうか?

確か……こういう傷の治りには細胞分裂が関係しているとかどうとかで……それでいて、生物の一生の細胞分裂の回数は決まっているとかなんとか……。

曖昧な記憶だがそんな話を聞いたことがあるような気がする。


……試してみるか。

ヒドラの首を切り裂く。猛毒の可能性が高い血がかからないように、常に移動しながら何度もヒドラの首を落とす。再び生えてくる首を横目に、更に別の首を落とす。

耐久戦といこう。


刀を廻す。月の様に弧を描きながら、一息で三つの首を落とす。

眼の前には数え切れないほどのヒドラの頭。

千は超えたか。万には届いたか。そう感じるほど、視界はヒドラで埋め尽くされている。


何度斬ったか分からない。数えるのが億劫なほどの時間、首を切るという作業をただ只管に繰り返してきたが、その数が増えるばかりだ。どうも再生は無限らしい。

まるで花の様に、一つの胴体から無数に龍の首が咲いているのを見て、そう結論付ける。


次は……潰してみるか。刀の柄、龍の眼に触れて魔力を込める。青白い光ともに、刀がその形状を変化させる。

魔剣オルトロスの二つ目の顔、モーニングスターだ。


棘の付いた鉄球をヒドラの頭に叩きつける。

実はこの武器、使い方が分かっていなかったりする。分かるのは、この棘で殴られると痛いということだけだ。


案外と、効果はあった。

ほとんど抵抗なく頭は地面と一体化したわけだが、どうも再生する様子が見られないのだ。


切れたのではなく潰れた。つまりは龍の頭と首は未だに繋がっているためか、新しく生えてくる様子もない。他の龍の首が戸惑ったようにも見える。当たりか?


鎖の部分を持ちながら手を上に伸ばし、鉄球を廻す。廻す廻す。やっていることは、威嚇行為にも近い。

ブンブンと重量感を纏わりつかせながら、鉄球は廻る。


堪らず襲いかかってきた一頭に、鉄球の棘先が当たる。同時に血と脳漿を撒き散らして龍の頭がはじけ飛ぶ。今俺に襲いかかることは、竜巻の中に飛び込むことと同義。

飛び散った血がかかりそうになるが、風圧と遠心力で弾き飛んだ。

しかしヒドラは、頭の再生には成功したようだ。


横殴りにすると潰せない。潰れてないから再生する。破裂したように飛び散る肉片を見て失敗したかなと思う。

横でなくて縦。上から叩き潰さなければいけないらしい。


風を切る音。龍の血がかかってしまう可能性があるため、廻すのを止められない。

移動することすら困難な状況だ。どうするべきなのか。

思考に耽る。この状況を打開する案を模索する。


刀に戻す? 駄目だ、血がかかってしまう。

魔術を使う? 駄目だ。両手が塞がっている。

ヒュンヒュンと高い音をたてながら鉄球は廻る。

このままじゃ駄目だ。どうすればいい? どうすれば……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ