騎士団長の悩み
大陸最大の国 センテスト王国には騎士団が存在しその騎士団長と言えば
誰もが知るほど有名である
【笑う子も泣き大人も逃げ出す】ほどの強面で長身の24歳 独身 グレン・メイサス その人である。
真面目で仕事一筋 実力も十分あるのだが彼には直属の部下がいないのである。
その原因は全て彼の顔にあった。
なにも顔が引くほど酷い訳ではないむしろ精悍に整っている。
だが顔が怖いのだ。入りたての新人は彼の視線を受けて一回は皆気絶する程に。
彼の部下になると言う事は同じ部屋で仕事をすると言うことであり、壮絶な強面男と長い時間一緒に
いると言うことにもなる。なので皆志願しないのだ。
以前副団長のヒューイが無理矢理つけさした者がいたが一日後には泣きながら退職届けをだしたのだった
その事があってからもうグレンは諦めたのだった。――俺はそんなに怖いのか――と
グレン自身は何も見た目通りの人間ではない。
昔から顔が怖いとずっと人から避けられ続けた彼だが彼は性格はひん曲がってはいなかった。
副団長の方がずっとひん曲がっている。
だからこそ彼は悲しく思うのだ。
盗賊が出たと言う報告があれば退治しに行って盗賊と村人に間違えられ
怪我をした子供を助けようとしたら泣きながら逃げられ
友人達にも「その顔まじ怖ぇ、絶対部下出来ねぇわ」と笑いながら言われ
などと言う事が頻繁に起これば彼だって傷つくのである。
そんな彼が己を怖がらないトリップしてきた女性に会うのは数日後である。




