職場訪問☆城への道のり
「でーきーたーーーー☆」
できました☆優季特製サンドイッチ☆愛情たっぷりです♥
「ふ・・さあ早くグレンさんの所へと行かねばっ!」
出来上がったグレンさんの昼食をバスケットへと一先ず入れておき着替える為に
自分の部屋へと急ぐ。
汚い格好をしてグレンさんに恥をかかせる訳にはいきませんから!
最近はこの屋敷の広さにも慣れてきたのでそれほど疲労感を感じる事もなく着いた
自分の部屋のドアを開けて入る。
私の部屋は狭くもないが広くもないという丁度いい大きさの部屋だ。
家具はグレンさんが私のために新しく用意してくれたらしい。
本当にいくら恩を返しても返しきれないぐらいお世話になっている。
「さて・・と、じゃあ使用人用の外出用コートを着て行きますか」
クローゼットの中を見て決める。
このクローゼットも新しく買って下さったらしい(グレンさんは何も言わないが)
綺麗な木目の木で出来たこれはきっと高いのだろうなぁ。
うう・・・・グレンさんにはお金もきちんと返さないと。
一応汚れていてはいけないので使用人服も洗濯した新しい物に着替えておく。
この屋敷の使用人服は白と黒でまとめられていて中々センスの良いものだ。
白いシャツのボタンを外して脱ぎ新しい物へと着替える。
因みに胸は女だとバレないよう一応さらしで巻いている。
まあ・・・こんな事しなくてもバレないよ・・私の経験がそう言っている。
ズボンも一応新しい物に変える。
着替え終わったところで脱いだ服をハンガーにかけてクローゼットの中にしまう。
後で洗濯場へ持っていこう。
最後にコートを羽織って
「よし!着替え完了!グレンさんの元へ行こう!」
急いで部屋から出て調理場へと行きバスケットを片手に
「いざ!グレンさんの職場へ!」
意気込みをいれつつ玄関へとむかい外へと出る。
ギィィィと音をたてながら門を開ける。
やっぱりこの門は重いと思う。グレンさんも普通の人は開けられないと言っていた・・・。
え?私は普通じゃないのかって?もうそれは父のせいと言うことで・・。
この屋敷はグレンさんの職場のお城からは離れているものの多分昼までにはつけるだろう。
この周辺は森や草原の多いのだが城下町は色々な店が出揃い大いに賑わっている。
さ、早く行きますか。
バスケットの中身の事を考慮しやや早足で歩くのにとどめる。
う~んやっぱりお城はちょっと遠いよねぇ。
三十分ぐらいで着くかな?
もくもくと城へと続く道を歩いていく。
あまり外には出ないので周りの景色を楽しんでみる。
空青い・・・あ、鳥飛んでるなぁ。
早くグレンさんに会いたいなぁ・・・。
・・・・景色を楽しむと決めた三秒後にはグレンさんに会いたいと思った私は重症ですか?
そんな事を考えながら歩いていき城下町へと着いた。
「おや、こんにちわ!今日は良い果物がはいってるよ!」
城へと続く道を歩いている途中私に声をかけてきたのは何時も私が野菜や果物を買っている
店の奥さんであった。セリアナさんと言う女性だ。
少しふっくらとした40歳ぐらいの女性で暖かい雰囲気をかもしだしている。
お母さんって普通はこんな感じかな?
私のお母さんはちょっとアレだったけど・・・。
「そうなんですか。でも今からグレンさんの所へ行かなければならないので・・」
野菜や果物はいつも美味しい物をおいてくださってるのでそれ以上となると本当に美味しい
のだろうなぁ・・。でも残念だけど今回は諦めるかな・・・・。
グレンさんに食べてもらいたかったなぁ・・・。
「なんだそうだったのかい。じゃあおいといてあげるから後で買いにきなさいな」
「え?いいんですか?」
「いつも贔屓にしてもらってるし、旦那もユーキの事気に入ってるしね」
「う~じゃあお願いします、ありがとうございます」
「いいんだよ。家族そろってユーキの事は気に入ってるからね」
「ははっ。嬉しいです。では、もういかなくては」
「そうだね、じゃあ後でよっとくれ。グレンさんによろしくね」
「はい、また」
おお!やったぁ!良い食材ゲット!
あ、セリアナさんとそのご家族との馴れ初めはまた後日。
今日の夕食に美味しい食材を使える事にご機嫌で城への道を進む。