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第37話:目覚める兵士たち—戦場を襲う「究極の胃もたれ」

チーチートウが満腹兵器に**「具材と米の黄金比」**を上書きした瞬間、戦場の空気は一変した。


牛丼特盛りの結晶から発せられていた**「温かい安眠の香り」は、突如として「脂っこい肉とチーズの熱気がこもった、極度の胃もたれを誘発する臭気」**へと変貌した。


タナカは、自身の平和への願いが、チー牛の安易な欲望によって破壊されるのを目の当たりにした。


「やめろ!チー牛!その牛丼は、眠りの魔法が掛かっていたんだ!」


「はぁ?眠り?牛丼は目を覚ますもんだろ」


チー牛は満足そうに、変質した満腹兵器の表面を再び一掴みし、口に運んだ。


「これだよ、これ!つゆだくすぎて米が硬いけど、チーズと肉のバランスが最高!俺が求めていた至高の一杯……いや、究極の一塊だ!」


兵士たちの目覚め

チー牛が満面の笑みを浮かべているその時、満腹兵器を抱きしめて眠っていた両軍の兵士たちに異変が起きた。


「う、うぅ……気持ち悪い……」 「なんだ、この胸焼けは……熱い……」


兵士たちは次々と目を覚ました。彼らの顔は青ざめ、額には脂汗がにじんでいる。彼らは、究極の安眠から一転、究極の胃もたれという地獄に叩き落とされたのだ。


レドニア兵A:「気分が悪い……あの牛丼のせいだ!味が濃すぎる!胸焼けが止まらん!」 ユグラシア兵B:「くそっ!目が覚めた!最悪だ!なぜこんなところで、消化不良に苦しまなければならないんだ!」


兵士たちの意識は、戦闘どころではなく、**「どうにかこの胃の不快感を解消したい」**という一点に集中した。


タナカは、絶望的な状況に頭を抱えた。


(俺の**「安眠」が、チー牛の「油」によって打ち消された!この最悪の胃もたれは、兵士の怒り**を誘発する。しかも、怒りの矛先は、この牛丼の塊に向かう!)


異邦人同士の衝突

タナカは、満腹兵器を巡って兵士たちが狂乱する前に、チー牛を止める必要があると判断した。


「チー牛!すぐにその能力を解除しろ!あんたのせいで、俺の平和戦略がまた失敗する!」


「うるさいな、牛丼は食うものだ。それ以上の戦略とか、意味わかんないって」


チー牛は、タナカの制止を完全に無視し、満腹兵器の表面から具材を摘まみ上げ続けた。


タナカは、意を決し、自らの創造魔法を発動させた。彼の能力で、チー牛の能力に対抗できるものは一つしかない。


「ココアを!」


タナカの体から、大量の温かいココアが生成され、チー牛と満腹兵器に降り注いだ。タナカが最初に作り上げた**「平和の武器」**、ココアだ。


「ココアだ!ココアには胃を落ち着かせる効果がある!これを食え!」


ココアの温かさと甘さが、牛丼の油とチーズに触れる。


ジュウウウ……


その場には、**「温かいココア」と「極度の胃もたれ牛丼」**が混ざり合った、極めて不快な、甘ったるい油の臭いが充満した。


チー牛は、ココアを浴びた満腹兵器の破片を口にし、顔を歪めた。


「うわっ、最悪。牛丼にココアとか、絶対ねーわ。味覚破壊されたわ」


チー牛の能力が、タナカの**「ココアによる中和」**によって一瞬停止した。


タナカは、その隙にチー牛を睨みつけた。


「いいか。あんたの**『安易な欲望』**は、この戦場で最もタチの悪い兵器だ。すぐにここから立ち去れ!」


チー牛は、腹の不快感と、タナカのココアによる味覚の破壊に怒りを感じた。


「ふざけんな!**俺の最高の牛丼を汚しやがって!あんた、俺の『最終平和』**の邪魔をしたな!」


チー牛は、タナカと同じように、この世界に**「究極の平和(最高の牛丼が食える世界)」**をもたらすという、極めて自己中心的な使命を持っていたのだ。


ラスボスの歓喜

その混乱を、遠く離れた本部壕でユグラシア総統フューラー・ヒットラークは静かに観察していた。


「見たか、ゲッペルス!あの異邦人は、**自らの兵器で自滅した!**そして、あの牛丼を、不快なココアで破壊し始めた!」


ヒットラーク総統は、タナカとチー牛の異邦人同士の争いを、**「レドニア側の内部分裂と、新型兵器の自壊」**と解釈し、歓喜した。


「今こそ、攻勢の時だ!奴らが自滅した隙に、総攻撃をかけろ!あの牛丼の残骸を、全て片付けさせろ!」


タナカの最後の平和戦略は、二人の異邦人の「食への執念」の衝突という、誰も予測しなかった形で、終結を迎えた。

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