表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/53

第27話:タナカの誘導—秘密裏の祝杯と「戦車試食会」

タナカは、休戦という奇跡的な結果に新たな希望を見出したが、ロイドの存在が、この奇跡を崩壊させる最大の要因であることに気づいていた。


(休戦の理由は、敵がお菓子の戦車を本物の兵器だと誤解したからだ。ロイドに真実を握らせず、あの戦車の正体が敵に知られる前に、完全に消滅させなければならない)


タナカは、横に控えるロイドに、鋭い眼光を向けた。


「ロイド。休戦、か」タナカはそう呟くと、ゆっくりと立ち上がった。


「は!タナカ様のおかげでございます!」ロイドは感極まっている。


タナカは、ここでロイドの感情を最大限に利用する、新たな誘導を始めた。


「ロイド。お前は、この休戦の最大の功労者だ。お前が敵の動向を正確に報告したからこそ、この結果がある」


「もったいないお言葉です!」


「ならば、この偉大な結果に対し、祝杯をあげねばなるまい」


タナカは、ロイドの興奮した瞳を見つめ、静かに命令した。


「ロイド。お前は、今すぐ戦場に戻れ。そして、あの**『お菓子の機甲師団』を、『休戦を記念する祝杯代わりの、国王軍への特別な贈り物』**として、兵士たちに振る舞うんだ」


ロイドは目を丸くした。


「祝杯、ですか!?あの新型兵器を?」


「そうだ。ユグラシアの総統が休戦を申し入れたのは、我が軍の補給力と技術力への畏怖からだ。ならば、この休戦の事実が敵に知られる前に、秘密裏に、皆でこの喜ばしい出来事を祝う必要がある」


タナカは、声のトーンを下げ、真剣に続けた。


「ロイド。これは極秘の作戦だ。敵は休戦を破る機会を伺っている。もし、あの戦車の正体が敵の偵察兵に知られたら、すべてが水の泡だ。お前は、祝杯と称して、補給部隊と周辺の兵士を集め、夜通しで**あの戦車を『消費』**し尽くすんだ」


タナカは、自らの**「食いしん坊な記憶」が作り上げた戦車を、「威信を守るための秘密の饗宴」**へと位置づけた。


「ロイド。お前が率先して、あの戦車の主砲を試食してみろ。そして、『これは国王陛下の慈悲と、勝利の甘さの象徴だ!』と伝え、兵士たちに徹底的に食わせろ。あの機甲師団の存在そのものを消滅させるんだ」


(タナカ内心):ロイドに食わせれば、奴の体内に戦車の組成が取り込まれる。そして、奴の**「甘いもの中毒」も手伝って、必ずやこの戦車を「祝杯」として消費し尽くすだろう。ロイドの口から漏れる情報が、『お菓子の戦車は美味でした』**だけになれば、国王軍はこれを「新型補給品」としてしか認識しない。


ロイドは、タナカの言葉を聞き、深く納得した。


「ははあ!承知いたしました!タナカ様の**『秘密裏の祝宴作戦』、深謀遠慮、恐るべきです!私が、国王軍の威信と秘密を守るため、この『祝杯戦車』**を食い尽くしてまいります!」


ロイドは、タナカの真の意図(証拠隠滅)には全く気づかず、自己陶酔しながら馬を走らせた。彼の脳内では、自身が**「国家機密を守るため、戦車を食べる英雄」**として、歴史に名を残す壮大な映像が流れていた。


タナカは、ロイドの背中を見送りながら、**「これで、少なくともあの戦車は消える。時間稼ぎはできた」**と呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ