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第14話:飴細工騎士、戦場に散る—新たな「補給品」の誕生

ロイドは、タナカが与えた『精神威圧の装具』を身に纏い、騎士の誇りをかけて廃墟の塔へと突進した。全身を覆う飴細工とマシュマロは、西日の下でキラキラと輝き、辺りには濃厚な砂糖の香りが満ちている。


ロイドの脳内では、今、自身が**「最強の補給兵装を纏った勇敢な騎士」**として敵を威圧している壮大な映像が流れている。


レドニア指揮官:「ロイド!何をやっておるか!すぐに撤退せよ!鎧が溶けておるぞ!」 ユグラシア指揮官:「あの騎士、気が狂ったのか!?自ら補給品を晒し、我々を誘惑しているのか!」


ロイドが馬上で剣を振りかざすたび、硬化マシュマロの肩当てが、風の抵抗に負けてポロポロと崩れ落ちる。兜の巨大な角砂糖のツノも、振動でヒビが入り、甘い粉を撒き散らした。


ロイドは、自身の鎧が崩壊していることには全く気づいていない。


「ユグラシア連邦軍よ!我らが王国の補給力を見よ!そして、その絶望を知るがいい!」


ロイドはそう叫び、愛剣で廃墟の塔の壁を勢いよく叩きつけた。


キン!パリパリ!ボフッ!


剣の衝撃は、飴細工の鎧にとって致命的だった。鎧全体にヒビが入り、特に胸当てのキャラメルコーティングが剥がれ落ち、内部の乾燥マシュマロがフワリと宙に舞った。


その瞬間、戦場に異様な現象が起きた。


散る鎧と、狂乱の兵士たち

崩壊したロイドの鎧から、大量の飴細工の破片とマシュマロが周囲に飛び散った。


ユグラシア兵A:「待て!あれは、食べられる鎧だ!」 レドニア兵B:「くそっ!ロイドめ、一人で食べるつもりか!」


戦闘を一時中断した両軍の兵士たちが、銃も剣も捨てて、地面に散らばった飴細工とマシュマロの破片に向かって一斉に突進した。


「早い者勝ちだ!」 「このキャラメル、濃厚だぞ!」 「このマシュマロ、まだ柔らかい!」


つい数分前まで命の奪い合いをしていた兵士たちが、今は地面の甘い破片を奪い合う、奇妙な補給品争奪戦へと移行した。


ロイドは、鎧がバラバラになっていくことにようやく気づいたが、兵士たちが自分の周囲で戦う様子を見て、再び誤解した。


「こ、これは!タナカ様の**『精神威圧の装具』が、物理的な崩壊を通じて、敵兵の理性を崩壊**させた!見よ!敵は狂乱し、自滅を始めた!」


ロイドは、裸同然になった自分を**「勝利の象徴」**だと錯覚し、廃墟の塔の瓦礫の上で高らかに勝利を宣言した。


その頃、タナカは村に戻り、自室で次の戦略を練っていた。


(タナカ内心):ロイドの鎧は今日中には崩壊する。次の作戦は、両軍の兵士の**「精神的な空白」を突く必要がある。兵士は今、武力とは全く関係のない「甘いものへの欲望」**によって支配されている。


タナカは、自身の能力の欠陥を逆手に取る、新たな発想に到達した。


(俺の能力は、食べたものを再現する。そして、俺は今、**『大量の紙幣』**が欲しい)


タナカの頭に、前世でコンビニのレジ打ちをしていた頃に触っていた**「紙幣の感触」と、幼少期に食べた『色付きの煎餅』**の記憶が重なる。


タナカは立ち上がり、**「最終的な平和の武器」**を生み出す決意を固めた。

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