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take20 歓喜の歌
午後7時20分。女性軍人の准尉が、
無言のまま窓の外を眺めている。その姿は、
儚くも美しかったが、その時、中尉が、
「大尉、ご決断を」
静かな声で自分に向かって言った。
「よし、ここで大量破壊兵器『雷鳴』を使う」
自分は決断した。
そして拡声器を持って外に出る。
占拠した国会議事堂は完全に包囲されていたが、
「革命の首謀者の自分が、この国の大統領になる」
と、宣言した。この様子は全世界に、
映像で生中継されているだろう。
「そして我が国は、ここに大国に宣戦布告する!」
雪景色のなか自分は叫んだ。
もう後戻りはできない。そして、
ミサイル自走砲『雷鳴』へと向うと、
発射台では、すでに准尉が準備していてた。
「さあ、大尉」
自分は覚悟を決めて発射ボタンを押す。
夜空にミサイルが撃ち上がり、自分の耳に、
我が国民の歓喜の歌が聴こえるようだった。




