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拝啓
八月某日。
これは、僕から君へ送る、最初で最後の手紙の話。
君と出会ったのも、確か八月のとある雨の日だった。
土砂降りの中、いやだなぁと思いつつも学校へ。
自転車にまたがり、駅まで行って電車で名古屋へ。駅から徒歩3分。それが僕の通っている学校だった。
友達と馬鹿みたいに騒いで、勉強して、遊びに行って。それが、あと2年間ずっと続くと思っていた。
いや、それが当たり前すぎてずっと続く、なんてこと思っていなかったのか。
とにかく、普通の毎日を過ごしていたが、それなりに楽しかった。
彼女なんているわけがない。
"わけがない"と言えば嘘になるかもしれないが、今はフリーだ。
気になっている人はいる。同じ学校の同じ班。
僕より背が低いのに、ピアスを開けていて髪も染めている。
正直、僕よりチャラいし格好良い。
そんな子に、惚れた。
しかし、この手紙にその子は関係ない。
その子は、キミじゃないから。
出会ったのは、学校帰りの事だったか。
帰り道、自転車を漕いでる途中に、きみは道路の真ん中にぽつんと立っていた。
言わば雨の神様のような、異様な雰囲気をまとったきみが、そこに立っていた。




