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今日から学校と仕事、始まります。②莞

人の話しを聞け

作者: 孤独

適正診断、性格診断。

科学的に分析され、その事の適正は正確なモノであろう。

己を知れば、新たな成長もあるわけだ。


「宮野さん、あなたは人の話しをあまり聞きませんね」


性格を知る事は、多くの事を知れる1つ。

己を知れば、これから行なう仕事についての分析もできるし、より適した方法もあるわけだ。


「とても真面目。……愚直であり、己の価値観を大事としているのは素晴らしい事ですけれど。他の事を疎かにしておられますよ。こーいうことですと、集中力を欠いたミスが増えましてね。情緒不安定であるため、これらを意識していただき、生活とお仕事をしていただくことが……」


親切丁寧にこの手を実施している人は、回答者に答えているのだが。

多くは特別。矛盾なりオカシイとかは感じないのかもしれない。

宮野は回答の紙を少し見ただけで丸めてしまい、


「なー、3つ聞いて良いか?」

「はい?」


これやる意味あんの?

そーいう顔をしながら、宮野健太という男は言う。


「1、俺は話しを聞かないって分かってるのに、なんで話をする?無駄なの知ってるだろ?」

「…………それでも診断結果をお伝えするのが、役目ですから」

「2、最初は真面目とか回答してるくせに。後半はまったく、真面目じゃない奴が起こす問題じゃねぇか?情緒不安定って、真面目って意味だっけ?俺、常識的な国語を知らないんだけど?みんな、そう思ってるわけ?」

「誤った解釈と言うと。あなたには良く伝わらないので、……あなたの価値観が独特な事だと思いますよ。そーいう価値観を持つのは素晴らしいと思います」

「3、価値観が素晴らしいってなんだよ?」

「他が持っていない考えを持っていらっしゃるという事です。常識から見たら、あなたは皮肉にしか思えませんかね」

「だな」



あー、もういいです。反論はない。じゃなくて、伝わっていないんだろう。

彼からしても、診断書を持つ医師からしても。住んでいる世界が違っているようなもの。数多くのデータでとられた人間達のデータの中でも、まったく得体の知れない生物ってところ。

反論を反論で返すこともなく、反論をちゃんと受け止めているわけでもない。

反論を理解しない。しようとしない。人間的な感情がないと、残酷に言ったら、そーいう人物。


「あまり無理されると、お身体に触りますよ」

「じゃあ、俺の邪魔をする事なく、働け。それだけだよ」

「それが上手くいかないんでしょ」

「上手くいかないんだからな。知恵もなく、口だけはそー言えるんだよ。代わりを連れて言うんだな」


これじゃあ、このテストをやる人も要らない扱いだ。

まったく、困った人だ。

現実でどうこうならないからって、諦める選択肢を入れてないわけではなく、続行するとかいう異常思考。逃げ出せばいい。忘れればいい。そーいう考えというのが、おそらくない。これが集中力を欠く原因にもなっているのだが。



バタンッ



宮野が部屋を出てから、ボヤいてしまう。


「……普通、こんな人。会社で雇わないんですけどね。どーいう神経、どーいう身体をしてるんだか」


大企業でもなく、中規模ほどのゲーム会社のプログラマー。

個人技でもないし、人との協力が必要でもありそうなところで。必死に働いてもらえる報酬に喜べるものを見出せないのに。その仕事を続ける意味が、人として理解することはできない。

思考から壊れてる人間で、どんな話しでも聞かないだろう人間を


「大切にしてることの為だけに、動いてるとかねぇ。どーいう人なんだ、彼」


診断の一部より抜粋。


『あなたは自分の価値観を捻じ曲げず、どんなことでもやり遂げようと自分の犠牲を考えないタイプです。周囲にはもっと助けてもらうよう伝えた方がいいです』



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― 新着の感想 ―
[良い点] 「貴方に一番【向いてない仕事】は……作家です」 というオチは、どこ?(笑) 誤字脱字のみならず日本語のルールも無視して【我流】を貫くなら“先駆者”か【破壊者】に成るか、“覇”者になるか、…
2020/07/02 22:08 退会済み
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