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プロローグ

遊びで書きました。

早く他の作品書けっていう自分ツッコミを繰り返しながら笑


まあ、気軽に読んでくれたら嬉しいです。

「もう、やめよう……」


彼は、返り血と泥だらけの自分の姿を見てそう呟いた。


領主に傭兵として雇われた。戦う内に、最強の弓使いと讃えられることに誇りをもっていたが、いつのまにか人に矢を放つことも平然とやってのけていた。


多くの命をこの弓で捕らえた。だが死ぬ境地を彷徨い、自分の行いがどれだけ恐ろしいかを悟らされた。人の命は尊く、そしてまた自分の命も——。自分の中の何かが狂っていた。


死にかけの身が、なんとくだらないことをしていたんだと教えてくれた。


「生きよう」


自らを奮い立たせ、戦地を後にした。


***


あれから3年後、彼『ロビン』は狩りをしていた。村々を転々としながら、獲った獣を売って生計を立て、領地争い前と変わらない日常を取り戻していた。


ロビンの顔立ちは整ってはいる方だが、特に流行りの髪型や服装をすることもない。一目見て目立つようなそんな特別な存在はない。ごくありきたりな青年として生きていた。特別な事と言えば、趣味の燻製作りだけだった。


「出来具合いはどうかな?」


蓋を開けた瞬間、鼻腔が木を燻した香りでいっぱいになる。狩りの道具を作るとき出た木屑を使って、仕留めた鹿を燻製にしていた。煙の中から姿を現した鹿肉は強い飴色をしていた。美味しそうな湯気とハーブの良い香りが食欲をそそる。


「ちょっと食べようかな……?」


少しナイフで削ぐようにして切り取り、そのまま口の中に放り込む。


「……うますぎ」


今回の燻製も上出来のようだ。口に入れた瞬間、スモークとハーブ香りが鼻を突き抜ける。凝縮された鹿肉の旨みが漬け込んだソミュール液の味と混ざり合い、程よい塩加減が、口の中を唾液で潤す。これを肴に一晩飲み明かす、というのもいいかもしれない。


「ふぅ……これで最後だな」


今はとある村で世話になっている。村の住み心地はよく、陽気な村人、豊かな食べ物、美しい女性達。それでもまた旅を続けるつもりだった。ところどころ木々の葉は枯れ、一年の終わりを告げようとしていた。旅の途中、寒さを乗り越えるために少しでも多くの保存食が必要だった。


昨日のうちに必要なものは揃え、矢も十分に作り終えた。幾度となく同じ作業を繰り返してきたが、矢を作るこの時間は特別な時間だ。この村でも、農民の使う鍬の手直しや、大工の手伝いをしてきた。一番得意としていることだから気を抜くことができないというのもあるが、過去や雑念に心を乱されない大切な時間でもある。


日も沈みだした。少し残念な気持ちと明日からの新しい旅立ちに胸をときめかせながら、早めの床についた。




***



「お世話になりました」


旅立ちの朝の習慣。


借りていた家には色々と物を置いてきた。家主の好きにしていいと伝えているし問題ないだろう。積みきれなかった燻製も置いてきたが、多分取り合いになるだろうと、その様子を思い浮かべ細く微笑む。村の人々は、ロビンが作った燻製が大好きで明け方まで飲んで、村長の奥さんによく怒られたこともあった。


いい村だった。感謝の気持ちが溢れ、涙で少し目が霞む。新しい旅と出会いに胸を高鳴らせ、涙を拭い去る。


「さあ、行こう」


馬にひらりとまたがり、颯爽とかけだした。馬蹄の音が朝日が昇る空へと響き渡っていた。


完結してるんで、すぐ投稿しますね!

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