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十三、落石




あれから二日が経ち、三日が経ち・・

俺たちは色々と話し合ってきたが、結局これといった得策は見つからず、とうとう五日目の朝を迎えていた。


考えてみればこの(かん)、何も起こらず俺たちは「平穏」に過ごすことができた。

やっぱりあのメッセージは偶然だったんじゃないかと、みんなそう思い始めていた。

だとしても、一向に迎えが来ることはなく、いずれにせよ何らかの方法で島を脱出する以外に選択肢はなかったのだ。


「小屋から材木を運ぶことは無理だけど、木を伐採してイカダを造ることは可能なんじゃないかな」


今も話し合いが始まったばかりで、飯島が口火を切った。


「そうだな、斧やのこぎりだってあるんだしな」


飯島の意見に俺は賛成した。


「それしかないよね」


蒼空も賛成した。


「そうだね・・それしかないかも」


田地は日ごとに元気を失っていた。


「田地、元気出しなよ」


飯島が言った。


「僕、浜へ行って来る」


田地がそう言った。


「船を見に行くの?」

「うん・・」

「そっか。もしかしたら来るかも知れないしね」

「いつ来てもいいように、見ておく方がいいと思うんだ」

「そっか、わかった」

「ついでに魚も獲って来るよ」


田地は立ち上がって網を持った。

あれから何度も漁をして、田地もコツを覚えていた。


「だから、きみたちはイカダを頼むよ」

「わかった。気をつけてね」


飯島は田地に対して、以前の飯島に戻っていた。


「よし。じゃ俺たちは木を伐採しよう」


俺はそう言って立ち上がり、飯島と蒼空も腰を上げた。

と・・その時だった。


ガガガガガ・・・

ガタガタ・・


激しい地鳴りの音がし、地面が揺れ出した。


「うわっ・・地震・・?」


外へ出ようとしていた田地が、立ち止まった。


「おい、田地!今出たら、落石とかがあるから、出るな!」


俺が引き止めた。


「う・・うん!」


田地は急いで俺たちのところまで戻ってきた。


ガガガガ・・・

ガガガガガガ・・


次第に揺れが激しくなっていった。


「これは・・大きいな・・」


俺たちはその場に座って、揺れが収まるのを待った。


ガガガガ・・ドッスーーン!


「ああああ~~~!」


みんなが一斉に叫んだ。


なっ・・なんだ!

あれは、なんだ!


あろうことか洞窟の入口が、巨大な落石で塞がれてしまったのだ。


「う・・うわああ~~!なにも・・何も見えない!」


田地が混乱して叫んだ。


カチャ・・


そこで灯りが点いた。

飯島が懐中電灯のスイッチを入れた。


「ちょ・・これ、ど・・どうする・・どうするの・・?」


蒼空も恐怖で震えていた。


「あんな巨大な岩に塞がれてしまったら、ここから出る方法はないね・・」


飯島が言った。


「これは・・大変なことになった。食べ物も水もない。どうする・・どうするよ・・」


俺が飯島に訊いた。


「ここは一旦、落ち着こう。それと懐中電灯の電池がどれくらい残っているかわからないし、無駄遣いは避けたいので消すからね」


そして再び真っ暗になった。

俺たちは身を寄せ合って座った。


「あっ、携帯だ」


蒼空はポケットに入れていた携帯の電源を入れた。

すると画面の灯りで、お互いを確認することはできた。


「とりあえず、僕の充電がなくなるまで、みんなのは使わない方がいいよ」


蒼空がそう提案し、みんなもそれに賛成した。


「さて・・どうするかだね・・」


飯島が神妙に呟いた。


「そうだ・・」


俺がそう言った。


「この奥、まだ行ってないって言ってたよな」


俺は洞窟の奥を指した。


「え・・この先へ行こうというわけ?」

「だってそれしかないだろ」

「こ・・怖いよ・・」


田地が震えていた。


「でもさ、ここでじっとしてても、どうにもならないぞ」

「そ・・そうだけど・・」

「そうだね・・行くしかないよね」


蒼空が言った。


「みんながそう言うなら、僕もそれに従うよ」


飯島も賛成した。


「とりあえず道具も持って行こう」


俺は斧を持った。

蒼空はのこぎりを持ち、田地は網を持った。

飯島は棒を数本持った。


「じゃ、懐中電灯つけるからね。行くよ」

「飯島くん、棒は僕が持つよ」


田地がそう言った。


「え・・」

「きみは先頭を行くんだから、棒を持ってちゃ邪魔になるだろう」

「田地・・」

「その代わり、僕を置いていかないでね」


俺は田地を見直した。

あんなにわがままだった田地が、自分から「棒を持つ」と。


「田地くん、きみ一人じゃ大変だよ」


蒼空は田地から一本、棒を取った。

俺も一本受け取った。

結局、棒はそれぞれ一本ずつ持つことになった。


「さ、行くよ」


そして飯島は少しずつ奥へと進み、俺たちも後に続いた。

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