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竜騎兵の国

 アーベスト大陸には幾つかの国々が存在するが、その中でも大国として有名な国々がある。


 魔導研究の最先端、魔導国家アーシア。

 強大な軍事力を誇るランドル帝国。

大陸中に広まるメリヒル教の総本山のユーラシス聖国。

 草原を駆ける遊牧民族国家、コートル。


そして、竜騎兵の国、モーテラス王国。



 この五カ国は大陸の過半数を支配している為、五大強国などとも呼ばれるが、古くから呼ばれるもう一つの呼び名がある。


 それは有名な物語にも載っている『五大古国』である。


 老年の者達には此方の呼び名の方が一般的だろう。

 彼らはその呼び名に敬意を払い、そう呼んでいる。

 この大陸で、物語が描かれた一千年も前の時代より存在し、大陸に恵みを取り戻した最も古参の国々でもあるのだから。



 そんな五国ではあるのだが、その中でも一段飛び抜けた国力を持つ国が存在する。


 それこそが、竜騎兵の国、モーテラス王国である。


 五国の中で一番広い国土を持ち、大地は豊かで恵まれ、毎年、たわわに実る多くの恵みは国に、民に齎した。


 八百年前こそ、豊かな大地を狙って、近隣諸国から度々侵略を受け、五国の中で最弱とも呼ばれ、侵略を受けるばかりの小国となっていたのだが、今から五百年前を境に、他国からの侵攻を幾度となく、容易に弾き返し始めた。



 これには近隣諸国は酷く驚き、敗戦の原因を急ぎ調べさせる。

 だが、その調査の結果は更なる驚きを齎した。


“モーテラス王国には竜に跨る兵団が存在する。”


 そんな荒唐無稽な話だったのです。

 

 "竜"というのは古の時代より強大な知能の高い魔物として知られ、多くの国で脅威とされていた。

 そして、一部の絵物語の中でのみ人族の味方をする竜がいるだけで、本来なら敵にしかならない。

 そもそも、魔物自体が一部を除き、使役不可能と言われており、竜もその例には漏れない筈なのだ。

 

 故に多くの国では虚偽の報告として扱われたのだが、その存在を事実として認識するのはそう遠くない未来でした。


 突如としてモーテラス王国が攻勢に転じ、次々と他国の領地を攻め始めました。


 調査報告にあった竜に跨る兵団の存在と共に。


 この攻勢は留まる所を知らず、あっという間に他国が所有していた領地を全て取り返し、他国へと侵攻しました。


 この侵攻で、多くの領土を奪われた隣国には、『モーテラスに竜騎兵団あり。』と恐れられるようになり、モーテラス王国の竜騎兵団は畏怖と力の象徴として、大陸にもその名を轟かせたのだった。



 この活躍劇に、竜騎兵は侵攻を受け続けたモーテラス王国の子供達にとって憧れの存在となり、いつしか志す夢へと変わる。


 “竜を駆り、国を護る英雄”という夢に。



 

 その為、モーテラス王国の三つの街から構成される首都には竜騎兵を養成する学校が創設され、多くの者へとその門扉を開いていた。

 次代の竜騎兵だけでなく、国を護る英雄を育てる為に。


そして、今日、入学する数多くの新入生の中にその青年の姿もあった。

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