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田舎の怪盗夫婦。消えた財布はどこへいった!  作者: 久悠ふみ
第1章 楓と田舎の人達。(楓視点)
5/11

回想~楓と大和の出会い~

本日投稿の2話目です。



俺と柊が出会ったのは小学校の入学式だ。

式を控えた緊張からか前日は全く眠れず、一睡もしないままその日を迎えてしまった。橘たちばななので位置的にはちょうど真ん中であった。


椅子に座って、学校長のありがたーいお話を聞いていると、突然朝までの不眠がたたったのか猛烈な睡魔に襲われた。


『あひゃひゃひゃひゃ、坊やのその願望、叶えてやろうか? 叶えてやりたい。叶えさせて欲しい。』

突然脳内に声が響いたように感じた…。


(願望?なんのこと?)

小学生になったばかりの純真無垢な俺はその言葉の意味するところに気づかず、脳に響いてきた声に素直に聞き返した。


『その眠気のことだよ坊や。』

答えが返ってきた。どうやら先ほどの声は幻聴ではなかったようだ。

よかった。変な薬もやってないのに、聞こえてきたように感じただけとかだったら、病院に行かなくてはならなくなる所だった。


『今寝ると気持ちいいぞ~! 見たことのない老いぼれのおじいさんの話を聞かなかったとしても、別にテストで出るわけでもないし、それにこんな広い会場の1人だけが寝ていたとしても気付きやしないってもんさぁ。』


(んー、テストってなぁに?)


『坊やの頭のすごさを測定することだよ。ほぉら、小難しいことに頭を使って、だんだんと眠たくなってきたでしょう?』

脳内に甘く響く声に導かれるように、意識が沈んでいく。

周りの子全員が、何やら急に立ち上がったような気がしたが、そんなことに気を回している余裕は今のわたしにはなかった。


『そうそう、その調子で今のねむた~いって気持ちに身を任せて~。眠ることは怖いことじゃなくて、気持ちいいことなんだよ~。』

とその時、座っていた椅子がドンと言う音と共に揺れた。


椅子が後ろから蹴られたらしい。


驚愕とともにハッ! っと目を開けたわたし。

とっさに後ろを振り返りたい衝動に駆られたが、そんなことをしては参列者の多い入学式において悪目立ちをしてしまうと思い、頭を振って、軽く頬を両手で挟むようにポンポンと叩くことで、なんとか思い止まった。


気がつくともう先程までの声は聞こえなかった。


(先程までのことは夢だったのかな?)

そう思ったわたしは、長い学校長の話からPTA会長のお話になったステージを呆然と眺めるのであった。周りのクラスメイトからの失笑に気付くことなく。


そのわたしを蹴って起こした生徒。

彼こそが柊 大和なのであった。






短編にて、本作品に登場する人物の物語を書いてみました。

なぜか怪盗夫婦が本編より先に投稿しちゃってますが笑



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本当にありそうでなかった怖い話

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