第4話 露店の主、その正体に迫る。
短いです。そしてまだ楓は起きていません。
「やぁお兄さん、こんばんは。それとも、いつもありがとう…がいいかしらね?」
「…どういう意味だ?」
「もうわかっているんでしょ? 騎士さまはつれないお方だこと♪」
「…。」
「…沈黙は肯定。」
屋台のおばちゃんと僕との会話のなかにボソッと入り込んできたのは屋台の従業員。
「いや、きみは…聖霊なのか?」
「正解だよ。そっちのお嬢ちゃんもだね?」
「お嬢ちゃんでない。吾はヤマトを幼少の頃より導いておる聖霊、ミリアじゃよ。」
「ミリア…。」
「大丈夫じゃよヤマト。見たところこやつらはヌシの同郷のものであろ? そこまで警戒せずとも…。」
「それもそうか…。それで?」
「ほむ? なにを聞きたいのかしら?」
「しらじらしい。どうしてこの世界にいるのかに決まっているだろう。」
「それはもちろんオムボナーラをひろめ…あ、まてまて、無言で構えないでよ。」
あながち嘘でもないのだとは思うのだけれど、話が脱線しそうな予感を感じた僕は無言でおばちゃんに対して戦闘姿勢をとった。
元騎士としては、一般市民に戦闘姿勢をとるなんて言語道断。
けれども聖霊まで従えている彼女が、ただの一般市民を扮しているとはなんともまた夢見の悪い話である。
「いいかい? あんたたち騎士団が魔物討伐にいってくれてしばらく、王都は平和だった。皮肉なことにその戦いで命を落としたアンタを含めた死者たちへと目を向けるものはいなかった。騎士団は王都を守るのが仕事だから当たり前なことと思っている人が大半を占めていたのさねぇ…。」
「そうだね。確かにそれが僕たちの役目。人間だけの世界で勝ち上がっただけで、僕は外の世界を知らなかった。だから死んだ…。まあ知らなかったほどまでに、それまでの平和があたりまえのように感じていたということでもあるんだろうけえれど…ね。」
「まぁ吾にとってはヤマトが死んだから巡り合えたという側面もあるでな、悼みはするが悲観すべきことではないぞ?」
「ありがとう、ミリア」
知らないであろう異世界の頃の僕を気にしてくれるミリアの頭をくしゃっと撫でてみる。すると心地いいのかもっとしろとばかりにミリアが頭を押し付けてくる。
「コホン…。でだ、どうしてこの世界にいるのかだっけ?」
「そう。そしておばちゃんはいつから聖霊と共にいるようになったのかが知りたい。」
「聞きたいこと、なんか増えてないかい?」
「きっと気のせいであろ? 吾もそこの聖霊のことが知りたいぞ。」
「…答えることは、ない。」
「やっとしゃべったと思えば文章短すぎじゃろ。もっと吾のようにアピールすればいいのじゃぞ?」
「…考えておこう。」
「ごめんね(笑)この子は人見知りだから初対面だとなかなかしゃべらないのよ。」
「そうなのか…。僕はミリアしか知らなかったからみんなおしゃべりなのかと…。」
「む? ヤマトよ、それはどういう…。」
「まあまあ落ち着きなさいな。わたしがこの世界に来るきっかけになった事件。それはアンタが命を落とした戦いから数年後のことだったのさ…。」
おもわず不穏な流れになりかけた僕とミリアの会話へと、絶妙なタイミングで割り込んだおばちゃんが語り始めた。
んぅ…!?序盤と比べて露店のお兄さんの反応が変わりすぎているなぁ…っと思いつつ、それが主人公としてのコミュニティ能力の補正だということにしておこうと決めたセリカ。
はやく進めて楓が倒れた後を書きたいと思いつつも、ここらへんで設定を固めておきたいなとグダグダしてます(笑)




