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Lesson2

約3年ぶりの更新です(今まで待たせてしまってすみませんでしたOTL)

今回はありあとかなででフルートのデュエットのお話です!

とある日の音宮おとみや学園。かなでは担任の佐伯にあることを提案されていた。それは・・・



「デュエット!?」

「キミならやってみる価値はあるよね?彼女ーーー宇佐美ありあさんとフルートの二重奏」

「な、なんで私がこんなんとフルートのデュエット!?デュエットならそれなりの優秀な人とですよね!?」

「昨日、宇佐美さんが作った「ライバルの序曲プレリュード」を聞かされてね」

「ただの作った曲でしょう!?」

「宇佐美さんはああ見えても優秀な人だしだからって外部からの転入生だからね。それに指導力!短期間で宇佐美さんはフルートがさらに上達したし、すごいよ〜」

「はい!かなでちゃんは友達ですので!」

「まあ、よろしくね」



すると、佐伯は曲名を言う。



「曲は編曲されたドビュッシーの月の光」

「ああ!ピアノ曲なら知ってるかな!」

(私は知らない・・・今まで編曲されていないフルート曲ばっかりやってきたから・・・)

「まあ、一ノ瀬さん、宇佐美さんに教えてあげてね」

「はっ、はい!ちょっと軽く合わせるわよ。このバカウサギ!」

「バカウサギじゃないよ!宇佐美ありあだよー!ちなみにありあが2nd!」

「はいはい、わかったわよ」



そしてありあとかなではその曲でデュエットする!かなでは思う。



(ドビュッシーは漠然とした表現だから、少しの表現で行けば・・・)



すると、ありあの演奏が止まる!これにかなでは戸惑う。



「・・・バカウサギ?」

「かなでちゃん。テクニックばっかりじゃだめだよ。この曲は表現ばっかりなんだから、もっと本気で表現するようにしなきゃ!」

「ガーン・・・」



かなではありあに指摘されて自分が今までテクニック重視で生きてきたことを後悔した。



(自分はテクニックが必要で、先生達にそれを教えられて・・・)



自分の演奏の酷さを自覚したかなでは佐伯に言う。



「私・・・個人練に行ってきます」

「うん、行っておいで!」



かなでが個人練に行った後に佐伯はありあに言う。



「宇佐美さんも気付いたようだね〜。一ノ瀬さんの演奏の欠点に」

「・・・」



一方、かなでは個人のレッスン室で個人練をしていた。かなでの演奏はさっきよりもよくなってるが、それは単なる音の羅列であり、そこには何も表現が含まれていないことに気付いた。



(ひょ、表現がなってない・・・テクニックはちゃんとできたのに・・・)

『テクニックテクニック!正確に!』

『正確にできなきゃこの世界で生き残れないよ!』

(先生達に言われてちゃんとしてたのが、実は何もできなかったなんて・・・なのにあのバカウサギに言われるまで気付かなかったなんて・・・悔しい!!)



かなでは思わずフルートの音を吹き飛ばす!かなでは自分の強い音に思わずため息を吐く。すると、そこに・・・



「あれ?やめちゃうの?」

「!!バカウサギ・・・」

「今この音を聞いてこれをおかずにマドレーヌを食べているよ」

「のんきにマドレーヌなんか食べるんじゃないわよっ。・・・バカウサギにはわからないでしょうね」

「えっ」

「何も言われなくても自由で伸び伸びとした演奏ができる人にはね・・・」



かなでの卑屈な言葉にありあは言う。



「そんなことないよっ。ありあだってこうなるまでずっと練習してきたんだ」

「そんなこと分かってるわよっ」

「でも、ありあはある先生に言われたことをずっと信じて練習してきたんだ」

「・・・それは・・・?」



すると、ありあはその先生に言われた言葉を言う。



「“音楽は譜面の中ではなく、その囚われから解放する自由であるべき、その自由こそが音楽だ”」

「!」

「譜面通りに吹くのは確かに大事だよ。だけど、それが全てじゃない。五線譜の檻に閉じ込められないこそが音楽なんだ。だから、テクニック重視じゃなくてもいいんだよ。実力主義に囚われなくても」



その言葉にフルートをやり始めた頃を少し思い出したかなではありあに言う。



「・・・私はあんたのことは知らないし、都合のいい考えに甘えるのは嫌いよ。だけど、これだけは言えるわ。バカウサギの先生の言うことは間違ってないって。だからーーー」







「バカウサギの言うことを今だけは信じるわ!」

「・・・。うん!」







そしてその翌日。かなでは佐伯に言う。



「じゃあ、お願いします」

「無理しないでね」

「かなでちゃん。今日は自由に吹いていいよ」

「分かってるわよ」



そしてありあとかなでは再び佐伯の前でドビュッシーの月の光を吹く!そのドビュッシーの月の光は二人なりの型にはまらないかつ自由な演奏で息ぴったりだった。



(音楽ってこんなに自由なのね。ずっと一人でやってきたし、これから考えられないかもしれないけど・・・だけど・・・)







(楽しい・・・!)







(おばあちゃんが言ってた。本当に楽しい演奏はいつでも自由でいられる演奏だって。私はそんな瞬間を夢見ながら昨日までは「テクニック重視」で諦めてた。でも、確かに、小さな自由を感じてるーーー)


そして二人の演奏が終えた時、佐伯は二人を拍手する。



「ブラボーだよ!よかったね〜、一ノ瀬さん。なんかちょっと壁越えたみたいで」

「え?」



佐伯にレッスンの内容を話されたかなではありあと帰り道にレッスンの内容を思い出す。



(私を五線譜の檻から解放するきっかけを作るためのレッスンだったのね・・・。あのバカ教師・・・)

「ねえねえ、かなでちゃん。レッスンは終わったし、今日はJーPOPの曲を演奏しようよー!」

「断る」



かなでは一人は無理でもありあと一緒なら五線譜の檻から完全に解放されるかもしれない。本気でそう思った・・・。

ちなみに作中に出てくる言葉である「五線譜の檻」は正確無比すぎる演奏のことを言います(別に正確無比の演奏者のことをバカにしたつもりはありませんすみませんOTL)

次回は新キャラのオーボイストの登場です!

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