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Lesson1

音宮学園にて再会したかなでとありあ。二人の運命は如何に!?

(えっ!なんであいつが?)



かなではよろけた時にゴンと音が鳴る。すると、ありあがかなでに気付く。



「あー!キミは!一ノ瀬かなでちゃん!あのコンクールはご存知・・・」

「うるさい!!何であんたがここに!?」

「えっ?」

「あんたのせいで・・・」







「歩さんとフルートのデュエットができなかったんだから!!」







かなではあのコンクールで本選まで進んでいた。優勝候補だと思われたが、それまでライバルとも思っていなかったありあが一位となり、かなでは屈辱の二位に留まることになった。おかげでかなでは優勝賞品である歩とフルートのデュエットすることができなかったのだ・・・。



「えー?ありあなんてただの偶然ですよ。」

「知らないわよ!!どうせ、私をあざ笑いたいんなら笑えば!?」



かなでは怒りながら校舎に行ってしまった。そして、かなでの在籍するクラスの1ーA。ここは特進クラスでAからCは特進、Dからは普通クラスなのだ。かなでの美しさにクラスのみんなは見とれていたもののかなではありあのことでイライラしていた。



(ああもう、何なのよ!!でも、あいつは流石にバカそーだから、普通クラスに・・・)

「外部からの転入生を紹介するー」

(転入生!?)



かなでが前を見ると、そこには・・・



「宇佐美ありあです!よろしくね!」



ズコガーン!!



かなでがズッコケて、かなで以外のクラス全員は歓声が湧き上がる。



「うっそ、宇佐美って、あの!!?」

「私、ファンだよー!」

「俺もー!」

「あっ、かなでちゃん!同じクラスだね!嬉しい~!」

「な・・・何で、あんたが・・・」



かなでがプルプルと震えている中、翌日の音宮学園。その翌日の実技の時間、かなでは新しいフルートの先生のところに行っていた。かなでのレッスンの担当の先生だ。



(佐伯つばめ・・・知らない先生ね。ちょっと見に行ってみましょうか)



かなでは佐伯がレッスン中の277室に行く。ようやくたどり着いて窓からこそっと覗いてみると・・・



「どう?先生、このメンデルスゾーンの春の歌は楽しそうで温かい表現にぴったりでしょ?」

「うんうん!特に最後が・・・」

「!!!?」



何とありあも佐伯が担当していたのだ!しかも、その佐伯はありあよりも小柄な幼い少女のような姿をしていた。大人なのに・・・



(これが私の担任の教師・・・?)

「すげー高い声。」

「あー、佐伯先生だろー。あの先生の生徒ってみんな困った奴らしいぜー」

「そういえば、あの先生、噂じゃ「変わり者専」って言われてるもんなー」

(私が・・・変わり者!?)



かなでのレッスンは明日からなので先に帰ることにした。すると、かなでが住んでいるマンションの前に引っ越しセンターのトラックが停まっていた。



(何でこんな日に引っ越しのトラック・・・?何か嫌な予感しかしない・・・)



一ノ瀬家の部屋の隣の部屋を覗いてみると、そこには荷物が届けられていた。



(・・・良かった。どうせ、引っ越してきた新大学生か新社会人何でしょうけど・・・)

「あっ、かなでちゃーん!」

「!!!!?」



何と、ありあが一ノ瀬家の隣の部屋にいたのだ!ありあはかなでにスキンシップのつもりで抱きつく。



「かなでちゃんも隣の部屋に住んでたんだね!」

「な・・・何でこんな・・・」

「ちょうどいいから、私の部屋においでよ!ありあ、この部屋に住んでいる伯母さんのところに下宿してるんだ。」



半ば強引に招き入れられたかなではありあの伯母、依子に歓迎を受ける。



「あらー。あなたが一ノ瀬かなでさん!?はじめまして、私はありあの伯母の依子ですー。ありあを友達として接してくれてありがとうねー」

「友達じゃありませんから!ライバルですから!!」

「えっ!?」

「まぁー」

「はっ!いや・・・その・・・」

「ありあ、こんな素敵なライバルを持ったのー。かなでさん、良かったら今日の晩御飯、食べてってー」

「えっ・・・じゃあ、家に電話してから・・・」



かなでは自分の母親に事情を話して了解の言葉をもらった。今日のありあの家の食事の肉じゃがをかなでも食べることになった。



「どう!?私の肉じゃが!」

「・・・美味しいです。」

「でしょー!依子伯母さんの料理は美味しいんだから!」



三人はその食事を完食した後、かなでは悔しそうに思う。



(私は馬鹿ね・・・人に振り回されるなんて・・・!フルートの音・・・何?あの子が吹いてるの?オリジナルの曲?)



かなではオリジナルの曲を吹いているありあを見つける。かなではありあに聞く。



「何の曲?それ。」

「あはっ。肉じゃがの曲!かなでちゃんと私のライバルの序曲プレリュード!」

「(即興ね・・・)もう一回、吹いてみなさい!今の曲をもう一度!」

「えへ。じゃあ、もう一回。」

(本当はずっと気になってたーーー・・・この子のフルートを・・・)



かなではありあのフルートを聞く。ありあのフルートはかなでほどのテクニックはないが、素晴らしい表現力がある。これを聞いたかなでは・・・



「(やっぱり・・・上手い!私ほどのテクニックはないけど・・・表現力はめっちゃできてるわ!・・・あ!)そこ違う!さっきと同じように吹いて!」

「えっ!?どこ!?」

「こうでしょ!」



かなでは自分のフルートでそのメロディーを吹く。ありあは「ああ!そっか!」となった。



「作り方がでたらめすぎるのよ!もう一回!」

「・・・」

「カンタービレ(歌うように)!」



ありあはもう一度、自分のフルートでそのメロディーを吹く。かなではこれを・・・







(すごっ・・・!)







その曲を吹き終わった後、寝転がったありあは言う。



「すごいねー、かなでちゃん。ちょっと吹いただけで覚えちゃうなんて。でも、楽しかったねー」

「・・・!(楽しい・・・」



かなではこの言葉に自分が何か思い出したような気がした・・・。



「やっぱり、引っ越すと音が違うんだねー」

「・・・」



二人の距離はほんのちょっと縮まったようです。

次回はかなでとありあがデュエット!?そして、かなではあることを思い出す!お楽しみに!

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