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富士急行線 2

 今回は普通電車に乗って河口湖を目指そう。富士急行線内を走る列車は富士急行線ホームを発車する。なおそれ以外のJRからの直通便は、JR側の3番もしくは4番線発車なので要注意。


 また冬季ならびに夏季は空調保持のため、扉を半自動扱いにしていることも多い。そのため乗り入れ車両も含めて開閉ボタンか、扉を半自動に出来るようになっている。


 発車チャイムである「富士山」が流れ、扉が閉まると電車は警笛を鳴らして発車する。富士急行線の電車は、駅発車時にほぼ必ず警笛を鳴らすのが特徴だ。


 大月駅を発車した電車は右手に中央線を見ながらしばらく併走すると、中央線との連絡線が合流するあたりで一気に左へカーブして針路を変更する。


 このカーブの終端付近にあるのが上大月駅だ。一面一線、簡単な待合室があるだけの無人駅だが、朝夕は近くにある高校の生徒で賑わい、駅員も派出してくる。それ以外の時間は閑散としている。


 大月駅から上大月駅付近までが大月市の市街地中心となっているが、昨今の地方の例に漏れず、商店街の衰退や人口の減少などが顕著である。それでも大月駅付近の再開発も行われるなど、それなりにがんばっている。


 上大月駅を出た電車は、線内唯一のトンネルを潜ると、終点の河口湖まで続く勾配区間へと突入する。


 起点である大月駅の標高は357mだが、終点の河口湖駅ではこれが857mとなる。富士急行線は山岳路線であり、登山鉄道などで作るミリバール会にも参加している。


 次の田野倉駅からは、大月市から都留市へと入る。富士急行線の駅の内、都留市が一番駅の数が多い。この田野倉から東桂までの8つの駅が都留市内にある。


 田野倉駅は交換可能駅で、周囲に住宅も多い。駅のホームが上下線で違う位置に設けられているのが特徴で、有人駅である。上下電車ともここで交換することが多い。


 なお国道沿いにドラッグストアやレストラン、スーパーがあるが、いずれも駅からは距離があり、電車利用客には使いにくい。


 田野倉を出た電車は、相模川の源流の一つである桂川と国道139号線に沿う形で昇って行く。途中で巨大な高架橋の下を通り過ぎるが、これはリニア中央新幹線の実験線である。その実験線の見学センターに行ける数少ない公共交通機関であるのも富士急行線だ。


 桂川の鉄橋を渡り、右手に中央高速の高架橋が近づき、坂を昇りきったところにあるのが禾生駅だ。ここも交換可能駅で、富士急行線では唯一の跨線橋を有している。なおこの駅は4両編成の場合ホーム有効長が足りないため、ドアカットが実施される。


 リニア実験線の見学センターにはこの禾生もしくは田野倉から徒歩かタクシーとなる。


 禾生からしばらくの間は、田んぼを挟んで中央高速と並行して走る。また時折車窓にはうどんやの姿が目に入る。都留から富士吉田にかけては、うどん屋が数多く点在している。元々この地域は「山有県米無郡粟稗村」と言う戯言が浸透するほど、米が取れない地域であった。そのため、うどんや粟稗などが良く食されたと言う。古いお菓子屋ではトウモロコシ粉で作った饅頭なども売っている。


 うどん店の場所は散々しているので、事前にリサーチしてお出かけすることをおススメする。ちなみに、吉田のうどんと都留のうどんでは麺のコシなどに若干の違いがあると言う。


 禾生の次の駅は赤坂駅で、1面1線の無人駅である。上下列車は同じホームに停車するが、停車の位置で違いで方面がわかれている。


 昼間は静かな駅だが、朝夕は近くの高校の学生などの利用も多く、平日朝の時間帯には駅員が配置される。


 駅の近くにはハンバーガーショップやスーパーもあり、それなりに活気がある。また近くには市内循環バスのバス停もある。なお、この赤坂から先しばらくの間は富士山が見えなくなる。


 赤坂駅を含む都留市は標高1000m級の山々に囲まれた谷にある街である。そのため、街の中心部から富士山を望むことはほとんど出来ず、街の中心部から東もしくは西へ少しばかり移動しないといけない。富士山麓にありながら、富士山がほとんど見えない少しばかり損をした地形にある。


 赤坂駅を出た電車は勾配を登り、都留ICを右手に見ながら左へと旋回し、都留市駅へと到着する。かつて谷村横町駅と名乗ったこの駅は、有人駅で島式ホーム1面2線で、ホリデー快速も停車する。


 加えて都留市内を走る路線バスの起点駅となっており、構内には広いバス展開所と待合所がある。ただし、昨今の例に漏れずバス乗客の大幅な減少によって、本数は著しく少ない。路線バスよりも、スクールと行き先方向幕を掲げたバスの方が多いようにも見える。


 また駅周辺には商店街もあるが、モータリーゼーションの進展や大型スーパーの進出などで、こちらも衰退著しい状況となっている。それでも、新しいホテルやコンビニが出来ているのは慰めか。


 駅に関しても、かつては特急停車駅であり富士吉田への買い物客用の始発電車なども存在したが、施設の老朽化が進んでおり、河口湖や富士山などの利用者の多い駅については整備も進んでいるので、

早急な対処を願う所だ。


 なお駅設備の老朽化はその他の駅でも進んでいる。


 都留市を発車した電車は勾配を再び駆け上がって、谷村町へと到着する。この都留市と谷村町の駅間は800mと短いが、都留市市役所や図書館、博物館等公共施設の最寄停車駅となっている。


 有人駅で2面2線の交換可能駅であるが、停車するのは普通だけなので、特急や快速が停車しても運転停車扱いとなる。


 駅舎内には中華料理店があり、タクシーの運転手待機室もある。ただし、お隣の都留市と同じく旧市街地に位置しており、駅周辺の衰退が進んでいる。またバスの乗り入れなどもなく、そうした面でも不便が残る。


 なおこの谷村町駅、なぜか駅舎上に風向計がある。


 谷村町を出た電車は再び勾配を駆け上がり、走り出す。築堤を登り、国道139号線をオーバークロスしてカーブを曲がると、都留文科大学前駅へと到着する。


 この駅は2003年に大学からの請願で設けられた駅で、1面1線ではあるが特急も停車する主要駅となっている。駅周辺にはスーパーや新興の住宅が多く、都留市の新しい玄関と言う趣がある。バスロータリーもあり、長年バスの乗り入れがなかったが、最近になってようやく市内循環バスが入線している。


 また駅舎内の待合室では、都留文科大学の学生による生き物に関する展示もある。


 都留文科大学は学生約3000人(都留市の人口の10分の1位)の大学で、地元では都留文もしくは文大と呼ばれている。元は教員養成所から出発しているため、現在も教員免許をほとんどの学科(取れない学科もある)で取得出来る。また全国で試験が行なわれるため、北海道から沖縄までの学生が集まるのも特徴だ。


 加えて地元との密着型の教育も行なわれており、富士山の研究や周囲の山々の研究も行なわれている。


 都留文科大学前駅は、この文大の学生が「脱都留」(都留から出ることを学生たちはこう言う)するための玄関口であり、また付近住民の重要な移動拠点でもある。


 なおちょっと不思議なのは、この駅には入線チャイムが設置されているが、何故か大月方面と河口湖方面では、チャイムが鳴ってから電車の入線までの時間に著しく差がある。


 先ほども書いたとおり、この都留文科大学前駅は特急停車駅で駅周辺には大型スーパーや食事処もあるため、物資の調達や食事には適している。


 

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