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愚者の英雄伝 序 化学無き世界  作者: ray
旅立ちまで
7/30

敗北

 何処か冷たいところで寝ている。

 少なくともベットじゃないし、布団でもない。地面……だと思う。

「痛っ!」

 酷く全身が痛む。すべての関節に砂が入ったようで、動かしにくいし、動かすと痛い。

 目を開くと視界は白一色で、目が見えているのか怪しい。

 今分かるのは、何処かで仰向けに寝ていること、目が見えていないこと、筋肉痛?になっていること、後は、あの(自称)エルフに負けたこと。

 (自称)と言ったが、エルフだと思う。しかし、僕には判断できないので今は自称エルフとする。

「あら、起きたの?」

 例の自称エルフの声だ。魔力もそうだし…あれ?僕、魔力で人を判断できたっけ?

「目は見えてないみたいね……ほとんど魔力残ってないし……」

 言われて気づく、今魔力無いな。

「身体も動かないし……普通一眠りしたら回復するんだけど……」

 そんなの知るか。

「魔眼の後遺症かしら? 感じがほかの魔眼とぜんぜん違ったし、魔眼ですらないのかな?」

 一人で悩むな、おいてかれてる。

「でも戦力にはしばらくなれそうに無いし、戦死扱いにしよう」

 光に包まれる。何かしらの魔法を使っているようだ。

 浮遊感とともに身体への圧迫。

「ああぁぁぁ!」

 ぼろぼろの身体にその圧迫は正直気絶するレベルの痛みを僕に与えた。



 気がつけば自室にいた。

 隣に坂本がいるので、どうやら戦死した後は自室に飛ばされるのかな?と思った。

 実際は、保健室に運ばれ、治療を施した後自室に運ばれるのだがその時刈谷に知る術は無い。

「あれ? 前より身体が軽い」

 朝食の準備をしていた感想だ。

「あれ? 刈谷、戦死したのか」

 坂本がやってきた。曰く、『飯のにおいがしたから』らしい。

 ともに飯を食いながら話す。

「坂本ってそんなにかみ赤かったっけ?」

 よく見てみると坂本は髪の毛が赤くなってきている。どちらかと言うと赤茶色だが。

「ああ、なんでも魔力がそのひとのかみのいろにえいきょうを与えるんだと」

 坂本のクラスメイトの話では、魔力は人に少なからず影響を与えるらしい。有名どころだと火で髪が赤く、暑くても平気になるらしい。

「刈谷は髪の色が相変わらず黒だから、闇ってことだろうな」

 闇か……。

「まあ、腹黒いし、あってるけどな」

「そうか……。命はいらないか……」

「待て! そんなことで殺されたらたまらん!」

「たしかにな、明日学校で、『異邦人が死んだ! 死因は友人からの制裁だ!』なんて聞きたくないしな」

 さすがにそんなのは聞きたくない。

「しかし、お前が料理できるとは知らなかった」

 話を変えるか、まあ、いいけど。

「料理はね、うちは親が帰るの遅いから」

「そうだったな、お前のところは共働きだったな」

「向こうの話はやめよう。そういえばお前は何組なんだ?」

「おれか? 俺は3組だぞ。そういうお前は?」

「僕は7組」

「たしか、連戦連敗の……」

「……確かにそうかもしれない」

 級友は…何か負けなれてた。

「そういえば7組は3組に滅ぼされたんだよな」

「そうらしいな、最初の襲撃のときは、逃げれたんだけど……」

 確か一箇所破ってそこから逃げたな。

「そのとき、いたのか。いや、俺その時に風の刃で切られて戦死してな……」

 どうやら僕が倒したのは、坂本だったようだ。絶対言わないでおこう。

「僕はその後一夜明けたところで、エルフの人にやられたよ」

「エルフ? ああ、レオナさんか、あの人強いからな。いや、人じゃなくてエルフか」

「本当に火傷しなくて良かったよ。あんな大火力、死ぬかと思った」

「? 火巨人の息吹で生き残ったのか?」

「? ああ、その後つぶされそうになったり、燃やされそうになったけど」

「……どうやって防いだんだよ、あれを」

「がんばって」

「がんばってって……。まあ、いいか。さてと、もう戦争も終結したらしいからな。学校行くぞ」

「そうだな。行こうか」



 教室に行くと前のほうの入り口で人だかりができてる。

 どうしたんだ?こいつら

「何があった?」

 とりあえず、隣の席の……福田に聞いてみる。

「何でも、アテナが7組で誰かを探してるんだと」

「アテナ?」

「ああ、お前は知らないか……。1組の皇帝家の令嬢だよ」

「……そんな身分の方が何故7組で人を探しているんだ?」

「なんでも今、『7組には魔眼を持つものがいる』って言う噂が立ってるんだよ」

 まずそうだな。

「確かに、原因不明のデスペルが2回7組関係で起こればそうなるか」

 確か、レオナとかって言うエルフは、僕が魔眼を持ってるみたいに言ってたな。

「しかし、持ってたらどうなんだ? 何かあるのか?」

 そこが分からない。不敬罪とかなら絶対もう使わないが……。

「皇帝家は魔眼を失ったからな……」

 それ以上はいえない。公衆の面前で言うことでもないだろう。と言う。同感だな。

 魔眼を失ったから、魔眼を持つ者の血を入れれば再び魔眼が手に入る。とか考えてもおかしくない。

「しかし、そんなやつがいると思う?」

「思わないな。俺が持ってたら吹聴して回る」

 だからこうして聞き込みをしているんだろう。誰かに話していると思って、

「…絶対にいえないな……」

「何か言ったか?」

「いや何も。しかし、何で魔眼はなくなったんだろうな?」

 あまり血を薄くしないように近い人とで結婚したらしいんだが。

「さあな、俺たちには関係ないよ。でもどうしてそんな今知ってるんだ?一昨日来たんだろう?」

 しまった。失言だった。

「ああ、昨日お前たちがデスペルだ。とか言ってたからな。調べたんだ」

 嘘は言ってない。

「そうか、気になったら聞いてくれればよかったのに」

「これからはそうするよ」

「ねえ、あなたは魔眼を持っている人について何か知らない?」

 見たことの無い人だ。恐らくこの人がアテナだろう。

 色は白く、銀の髪がその白さをいっそう引き立てている。背は女性としては高く、170ぐらいあるだろう。

「いえ、存じません」

「同じく」

 今思うと、僕も嘘が平然とつけるんだな。まあ、便利だけど。

「精神系の魔法を使っても、そういえますか?」

「精神系の魔法?」

「簡単に言って自白魔法です」

「………………」

「さすがに姫でも精神系の魔法は犯罪では?」

 良かった。法律で禁止されているらしい。顔には出さないが本気であせった。

「いえ、一応許可は出てます」

 まずい。冷や汗が出てきてる。

「でも、精神への負荷が大きいためそれはいけないでしょう」

「そうですね、それになんで僕たちだけなんですか?あっちではしてなかったようですが」

「あの人たちは嘘が下手そうだったので」

「…どんな理由だよ……」

 同感だ。しかも精神への負荷があるって、そこまでして探さないといけないものなのか?

「大丈夫です。調べるのはあなただけですから」

 そう言ってこちらを指さしてくる。

「なぜ刈谷だけ?」

 同感だ。

「この人の魔力量が圧倒的に多いからです。恐らく人としては最高レベルでしょう」

 自覚は無いんだが……。

「なんでそう思うんですか?」

 何か初めて対応してる気がする。

「実はここに来る前に3組に言ってまして、レオナさんに話を伺ったんです。

 その時にあなたが彼女と約1刻ほど魔法で争ったと聞きまして、そんなことができたのは魔眼があるからではと思ったからです」

「何でそこまでして魔眼を探すんですか?」

「その受け答えは持っているからですか?」

「いえ、法で禁じられた魔法を使ってまで調べようとするなんて、何故かなと思っただけです」

 とりあえず、その魔法を使わせず、自分は魔眼を持ってないで落ち着かせたい。

「魔眼を探すのは、魔眼は私たち皇帝一族のものだからです」

「見つけたらどうするんですか? 皇帝一族でないものが持ってるとなるとやはり不敬罪ですかねぇ」

「いえ、皇帝一族でなければそうすればいいだけです」

 持っているからと言って死ぬわけではないか……。

 どのようにしてか? と聞くとアウトだな。相手はこっちを疑っているんだし。

「では、あなたが持っていた場合名乗り出ますか?」

 そう来るか。

「出ませんね。どうなるか分からないのに出て行くのはただの馬鹿ですよ」

 半分本心。

「なるほど、ではあなたは、何か知っていますか?」

 そう来るか。はい。も、いいえ。もアウトだぞ。

 はいと答えると、それ以上のことを聞こうと人気のないところにつれられたら終わりだ。

 いいえと答えると、最初に戻りどうなるか分からない。

「僕が知っているのは、あなたがどのような手段を使っても魔眼の持ち主を見つけようとしていることだけです」

 軽くいやみを言う。

「よく分かっているじゃありませんか」

「ええ、分かっているので、協力はします。7組全員で見つけたら連絡しましょう。

 全員で監視すれば見つけることはできると思います。それに先ほどから授業の時間に入っています。できればお引取り願いたいんですけど……」

 さっきからずっと先生が困った顔でこちらを見ていた。これでしばらく時間をつぶせる。

 目的は達成できなかったが、相手もこれで引くしかない。さすがに授業時間まで使うことはできないだろう。

「そうですね、では……」

 ふう、これで終わりか、つかれたな。

「――刈谷さんをお借りしますが、よろしいですか?先生」

 ……そう来るか。

「あ、ああ」

「あのー。僕はこちらに来てまだ日が浅いので、授業はきちんと聞いておきたいんですが」

「それなら、きちんと私が責任を持って潰れた分の授業内容を教えて差し上げればいいんですね」

「いえ、授業後は魔法の扱いについてなれないといけないし、まだまだ剣術は駄目駄目ですから、自主練習しないと」

「大丈夫だろう刈谷なら、しかし、次の授業はさすがにこいつもしっかり聞いてないとまずいが、数学はあちらの人はこの程度の数学、5年前には十分できたそうじゃないか」

 ああ、ここで僕が文学者なら『先生(ブルータス)、お前もか』とか言いそうだよ。

「では、先生の許可も出たところで、いきましょうか」

 先生、僕は知っているんだ。先生はこいつに指を3本立てられた後すぐに態度を変えたよな。

 きっと、あの時買収されたんだろう。この恨みはいつか晴らします。

 つかれた

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