再会
換金できたり、素材として使える部分を剥ぎ取る。
そしてさっきから気になっていたことを聞いてみる。
「坂本、五藤、レオナ、菊地、お前ら何してんだ?」
背後でずっとこっちを見ていた奴らのことを呼ぶ。
「おまえ……気付かないぞ普通」
声をかけられたからか、坂本が出てくる。
「しかし、レッドドラゴンを一人でか……今の能力値はいくつだよ……」
五藤も出て着てぼやく。
「気付いたもんは仕方ないだろ。それに気づかれる方が悪い。
後、今の能力値は少しいえない」
そう言っているとレオナと菊地が出てくる。
「どういう意味で?」
菊地はそういえば僕の異常性をもとから知らないんだったな。
「大声で、僕はまだ人間だ。と叫びたくなるレベル」
「大体分かった」
一通り見渡して、
「しかし、大分すぐ有名になったな。この辺でもおまえらの噂は聞くぞ」
もともと居た皇国でないこの国でも皇国で冒険者をしていたこいつらの噂は聞こえていた。
主に、美少女が居る。とか、あの学院の生き残りらしい。とか、ものすごく強いらしいよ。とかだが。
「そうなのか?知らなかった」
「普通、3ヶ月でBランクになれば有名になるよ……」
五藤、おまえは正しい。
「でも、なんでおまえはまだCランクなんだ?」
「それは、おまえらみたいにとっととランクを上げる利点が無かったからな。
下手に有名になっても外野がうるさい」
それが、刈谷がランク上げにあまり必死でない理由。
「実力だけなら明らかにAはあるくせに……」
レオナがぼそっとつぶやく。
「レッドドラゴンをソロで倒す時点でもう人ではない気もするが……」
「止めろ。僕はまだ人間だ。
少なくとも、僕より強い人は結構いた」
「ちなみに誰?」
……………。
「確か、エルスっていう人とか……」
エルス…Sランク冒険者。ジュフス公国を拠点にしている。
「当たり前だ」
「レンっていう人とかだな」
レン…Aランク冒険者。皇国を拠点にしている。
「そうか……そういえばおまえは一対一は魔法特性的に苦手なんだよな」
「何が言いたいか、分からないけど、とにかく本題に入ろう」
そう言うと、すぐにみんなが真剣な顔になる。
「お前ら、僕に何のようだ?
レッドドラゴンなんて誘導して何をさせたい?」
沈黙。そして、
「気付いていたのか?」
「もちろんだ。あいつらが僕の方に逃げるようにしたのも、レッドドラゴンがあいつらを追っていたのもお前らの仕業だろ。
一応緊急処置はしてたみたいだけど、こんなことするなよな」
またもや沈黙。
刈谷が手を貸したのは、これがこいつらの仕業だと知っていたからだ。
「用は、騎竜国の大会に出てほしいんだ」
「その心は?」
「あれに、ティールが出る」
ティール…聖国の騎士で、皇国を滅ぼした裏切りの騎士。
「出よう。殺したいほど恨んではいないが、一度あの聖騎士様のプライドをずたずたにしたい」
たかがCランクの冒険者に負ければ相当人気は下がるだろう。
「ありがとう。でも、固有魔法を使うのか?」
「使う。その大会には刈谷慎吾として出るからな」
刈谷慎吾として、容赦なく、ためらいも無く、ただ機械の様に敵を屠る。
「助かる。腕は上がってるみたいだし安心した。
今度いっぱいおごるよ」
そう言って下がる前に、
「あっと、おごらなくていいから、レオナ、ミスリルの剣を二本用意してくれるとありがたい。
報酬にレッドドラゴンの心臓を出す」
ドラゴンの心臓は魔術師にとって、喉から手が出るほどほしいものだ。
「分かった。現地で渡す」
「じゃあどうぞ」
そう言ってドラゴンの心臓を渡す。
「ありがとう」
そう言って袋をバックに入れる。
「じゃあ、1ヵ月後に現地で」
「ああ」
「え……生きてる?」
ギルドに行くと例の3人が居た。
「ああ、だから大丈夫だって行っただろ」
「すいません、刈谷さん。少し、ギルドカードを見せてもらっていいですか?」
「まあ、いいか。騒ぐなよ」
そう言ってギルドカードを見せる。
「「「!?」」」
刈谷 慎吾 20
筋力D+ 魔力AA+ 耐久力C 精神力AAA 知力AA
「何……この能力値……」
少し遠くに居たおっさんが、
「どうしたんだ?こいつの能力が低すぎてびっくりしてんのか?それとも、逃げ足とかっていう項目があってそこのランクがAとかいってるとか?」
自分で言って、自分で爆笑してたら意味無いよな。
「Aなんていってたら逃げ足でも誇れるぜ。ははは」
自分で決めたことを確定にするって相当の馬鹿だな。
「そろそろいいか?」
「はっはい」
そうして取り返し、
「じゃあな」
今度は別れの意味で告げた。
もう会うことは無いだろうから。




