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グリーンドラゴン

 翌日、あのグリーンドラゴン討伐のメンバーはしっかりとした準備をして、門を出て行った。

 予定どうりに進めば、彼らは今日現地に着き、拠点を作って、上手くいけば明日ドラゴンと戦い、勝てたらそのまま一泊して帰ってくるだろう。

 予定期間は4日…モンスターは夜になると狂暴になるので、昼のうちにしか行動できないので妥当だろう。

「ガロンさんが居るから大丈夫だろうけどな」

 ガロンさんはBランクの冒険者で、使う武器は大剣。風の魔術で動きを速くしているため大剣使いとは思えないほど早い攻撃をする。

「さすがに単独は無理だろうがな」

 ガロンさんでもグリーンドラゴン相手では一人ではさすがに倒せないだろう。

 多少なりともあの3人が攻撃で気を紛らわせれればグリーンドラゴンの討伐はさして難しくない。

「まあ、関係ないけどな」

 そう言ってギルドの依頼を受ける。

 今日はレッドウルフの討伐(Cランク)でいいか……。



 翌日

「まさかな……」

 まさか巻き込まれるとは思って居なかった。

「おい!刈谷!このままだとお前も俺らもやられちまうぞ!

 それにこんな奴連れて町に戻ったら大混乱だ。死んでもここで倒すぞ」

 ガロンさん……いや、ガロン!お前任せとけって言うならきっちり倒しておけよ。

「ガロン!こいつは何だ?お前らのターゲットはグリーンドラゴンじゃなかったのか?」

 こちらを追ってくるのは赤いうろこのドラゴン。

 太い後ろ足に短いが鋭いつめを持った前足、頑丈なうろこを持ち、大きな翼を広げ、口から炎を吐いて追ってくる。

 どう見てもレッドドラゴン…Sランク級のモンスターだ。

「そうだったんだが、グリーンドラゴンを倒したときちょうどそこにこいつが現れてそのまま追われているんだ」

「そうだ!刈谷さん。一緒に協力してあのドラゴンを倒しましょう」

 あの若い男が言ってくる。

 ―――いま、僕には冒険者刈谷としてみんなとともに戦い、そして炎に焼かれるか、刈谷慎吾として本気でこいつを倒しに行くか、その選択を迫られている。

 冒険者刈谷の魔力は高いが、ランクSの龍にきちんとしたダメージを与えられる魔法は無い。

 上級魔法を連発すればダメージは与えられるが、それではあの龍を更に怒らせ、あまり事態は好転しない。

 刈谷慎吾として戦えば、固有魔法を使い、龍殺しの逸話のある英雄の剣の召喚で多分、楽に倒せるだろう。そうでなくとも、草薙の剣を使えば、ブレスによってはダメージを受けずにすむ。

 問題なのは、固有魔法が使えることの露見、そして、その魔法の効果の露見だ。

 あれは、上手く使えば恐らく一国を落とせる。また、何も考えずに使っても、一都市の壊滅はできるだろう。それをお偉いさんにばれるのは少し…いや、かなり困る。

 しかし、それを使わなければ、こいつらは死ぬだろう。こいつらが死んだ後、転移魔法でも使って逃げればいい。

「―――お前ら……どうしても生き残りたいか?」

 一つそれだけ聞いた。


「―――お前ら……どうしても生き残りたいか?」

 意味が分からない。答えは決まっている。Yesだ。

「もち…「ここで肯定したら、どうなっても知らんぞ」……」

 言っている意味が分からない。

「当たり前だ。何で行きたくないと思うんだ!」

 カイは少し怒ったふうに言い返す。

「はっ……はっ……私もまだ生きていたいです」

 ミルもまだ生きていたいと言う。

「もちろんだ」

 ガロンさんもだ。

 だがそんなこと普通聞かなくても分かる。何故このタイミングで聞くのかが分からない。

「―――お前はどうなんだ?」

 分からないが答えは一つしかない。

「まだ、生きていたい」

 刈谷さんがふっと少し笑った気がする。

「分かった。じゃあ、今からお前らはあっちに逃げろ。

 僕は今から奴を攻撃して、気を引いたら反対に逃げる」

「なっ!」

 今刈谷さんは、自分が囮になるといったのだ。普通そんなことはいえない。

「大丈夫だ。僕は転移ができる。あっちに行ったらすぐに転移で逃げる」

 嘘だ。転移は魔力の放出量と関係なくしっかりとした転移先のイメージが重要だ。そんな逃げながらなんてできない。

「ありがとう」

「カイ!普通転移なんてすぐにはできないんですよ!」

 思わず大きな声で言ってしまう。

「だがな、そうしてもらわないと俺たちは死ぬんだ。それは嫌だ」

「でも……」

「そんなに言うならお前だけついていけばいい。俺はごめんだ」

「お兄ちゃん……私も同じ意見だよ」

「大丈夫だ。だから……行くぞ!」

 刈谷さんは魔術を使う。

 周囲に5つの魔方陣ができて、そこからはダークランスが放たれる。

 ダークランスはレッドドラゴンの腹にあたり少しのダメージを与えることができたようだ。

「じゃあな」

 すぐに刈谷さんはドラゴンの方に走っていく。

「行くぞ!」

 そう言って私たちは反対に…まっすぐ走り出す。


 ―――背後からは、大きなドラゴンの咆哮が聞こえた。



「大丈夫だ。だから……行くぞ!」

 正面の木を使い、反対に駆け出す。

「じゃあな」

 今生の別れのつもりは無いが、まあ、あいつを倒したら、また会おうとそういうつもりで言う。

 滑空して近づいて来るドラゴン。

 まず、グラムを作り出す。

 グラムは北欧神話に出てくる龍殺しの剣で、大きさは約140センチ、ドラゴンに対して高い能力を持つ。

 次に、天羽々斬剣を作り出す。

 これはスサノオがヤマタノオロチを退治するときに使ったもので、これもまた龍に対して高い能力を持つ。

 このふた振りの剣を作り出すのにかかった時間は0,2秒。

 次に全身に強化魔法を一気に掛ける。

 作り出した剣に魔力を込め、

「滅龍剣……―――屠竜之技―――」

 屠竜之技とは、中国の伝記の中に存在する技で、名前どうり龍を屠る技である。

 正面から、刈谷のことを踏み潰そうとするレッドドラゴンに対し、正面から二刀を構え、迎え撃つ。

 足が迫る。まだだ。

 あと、5メートル。

 …あと、4メートル。

 ………あと、3メートル。

 ……………あと、2メートル。

 …………………あと、1メートル。

 ―――――――――いまだ!

 タイミングにあわせて剣を振る。

 一閃。

 まさに一閃。

 ふた振りの剣はまるで一振りの剣のように扱われ、それぞれがその龍を滅ぼした。

 周囲にはその龍の咆哮が響いた。

 戦闘描写難しい。

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