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愚者の英雄伝 序 化学無き世界  作者: ray
旅立ちまで
12/30

転機

 待ちに待った夏休み。

 学生として、これが嬉しくないか? と聞かれたら間違いなく、はい。と返すものだろう。

 期末テストは結構大変(主に、その後のことが)だったけども、それに見合う?長期休暇があるからありがたい。


「刈谷。どうせ暇だろ。明日クラスで森のモンスター狩りをするつもりなんだが、参加しないか?

 課題の魔物を狩ろうと思うんだが……」

「五藤……せめて入る前にはノックぐらいしてくれ、後、僕は参加する」

「悪いな、でもお前、何か休みに入る前に色々あったみたいだけど、大丈夫なのか?」

 色々とは色々だ。それ以上でもそれ以下でもない。

 要するに答えるつもりは無いということだ。

「ああ、それは休みの終わりの方にあるから大丈夫だよ。

 それにはやいとこ終わらせるのは同感だからな」

「でも大丈夫なのか?」

「何が?」

「お前、相当にいろんなところから睨まれているけど……」

「…………」

「言いたくないならいい」

 言いたくないんじゃなくて、言い切れる量じゃないのだ。

 数は大体数百単位の人数だろうからな。


 ―――しかし、まさかあいつら(アテナとレオナ)にあれだけの数のファンがいたとは……。




 ―――翌日―――

 本気で気になったんだが、何で……。

「―――何で、お前らがいるんだ?」

 目の前にいるのは例の二人……やばい。視線に物理的干渉力があったら、今頃僕は蜂の巣だ。

「私たちも速いとこ済ませちゃおうと思ってて、偶然同じタイミングに出発するみたいだから、一緒に行きましょう。と話してたのよ」

 アテナは説明しながら、目が笑っていない。

 レオナは無表情にうなずいている。

「……五藤…後で…殺す………」

 五藤に私刑宣告しておく。


 課題は、危険度Dランク3体か、Cランク1体の討伐である。

 ちなみに言っておくと、アテナとレオナは一人でCランクのモンスターを何とか倒せるレベルである。

 ほとんどの学生は、ある程度の団体でCランクモンスターを倒すそうだ。

 学校はグループによる討伐は認めているが、6人以下でやるように言っている。

「五藤、お前もこのチームだよな(殺気を込めて)」

「お、おう。俺もこのチームだぞ」

 僕のチームは、僕とレオナとアテナと五藤だ。

 最初はそうではなかったが、(ほぼ)無理やりそうした。

『五藤、お前も死ぬんだ』

『畜生、死ぬならお前一人で死ね』

 そういうことが裏ではあったが、無視させていただこう。


「そっちに行ったぞ」

 五藤は獲物を追いながらいう。

「任せろ」

 刈谷は、剣に火と光と闇の魔力を込め、

「―――天地爆炎―――」

 一気に振りぬく。

「やりすぎよ。

 ―――ウォータ・ウォール―――」

 アテナが魔法を使い、水が壁となり、山火事を防ぐ。

「―――火巨人の一撃―――」

 まだ倒れない獲物にレオナは炎の一撃を叩き込む。

「お前ら、そんなに火事にしたいのか?

 ―――ウォータ・ウォール―――」

 五藤も消火活動に参加して、山火事は防がれた。

 獲物…グリーンウルフはランクC、これで課題はクリアである。

「いくら相手の弱点でも、そればっかり使えばいいわけじゃないのよ」

「一応手加減はしたんだけどな」

「刈谷、上位過ぎる魔法を使うな。本当に消火が面倒なんだ」

「駄目だよ刈谷。モンスターに手加減なんてしちゃ……」

「あなたは本気でやりすぎなの、森の(エルフ)なのに森を大切にしないって……」

「ここは山だから……」

「「屁理屈言わない!」」

「怖いぞお前ら」

 こんなことを、おいしく焼けました☆ っていう感じのところではやるべきではないと思うんだが。

 主に、モンスターの方面で……。

「グアアァァルゥゥ!!」

「「五月蝿い!」」

 すごい、グリーンウルフが一瞬でバラバラに……。

「刈谷……助けて」

「悪い、レオナ、僕にはそこに突っ込む勇気は無いんだよ」

 なお、この後1時間ほどしてから、その周辺にモンスターがいなくなったとかそうでなかったとか。




 二人の男と一人の女が話している。

「準備は?」

 リーダーのような男が聞く。

「完璧だ」

 もう一人の男が答える。

「明日にはあそこの生徒会の連中は研修にいって、それに先生も大分減る。

 明日例の作戦を実行するが、大丈夫か?」

 リーダーのような男が女に問う。

「もちろん。

 ああ、面白そうな子がいたらもらうけど文句は言わないでね」

 その女は戦闘狂だった。

「文句を言ったら俺たちがまずいだろう。言わないさ」

「でも、良くこの人数でやる気になったわね」

「上手く人を使うのも上に立つものの使命だ」




 朝、門のところに人が集まっていた。

「そういえば、五藤、今朝のあれ何だか知ってるか?」

「生徒会が研修に行くんだと、先輩たちも結構行くから見送りだろう」

「なるほどね……」

 嫌な予感しかしないな。前に調べたとき、警備にも穴があったし……。

「五藤、先生も行くんだよな」

「もちろん」

「具体的に誰がいくか知らないか?」

「確か……校長と教頭は行くし、他にも3年の先生はほとんど行くらしいぞ、あとは、養護の先生もだな」

 まずいなこれは。あれからそれなりに、時間が経ってる。

「五藤、急いで屋上へ行くぞ」

「どうしたんだ?」

「この学校の警備は今朝、相当駄目だ。

 下手をすると、まずいことになっているかもしれない」

 そう言ってすぐ走る。

 そうしていると、

『えー、マイクテスト、マイクテスト。

 我々は、今、皇国第3皇女 アテナ様を捕らえた。

 現在、皇国と交渉中だ。だから、抵抗するな。したらこいつを殺す。

 以上だ。では』

「遅かったか……」

「どういうことだ?」

「とりあえず屋上に行こう」



 屋上には何もなかったが、ほとんどすべてのところが見渡せる。

「五藤、連絡用の魔法ってあるか?」

「あるが……何に使うんだ?」

「ある程度の人数を集めて、制圧する。

 僕が遠距離から攻撃して、混乱しているうちに一気に制圧するのが理想だ」

「分かった。

 交渉は任せろ」

「じゃあ、とりあえず……」

 真眼を発動、アテナの魔力を探す。

「見つけた」

「うそっ!速いな」

「そこの少し開けた広場だ。

 大体距離にして3キロぐらいかな」

「どこから遠距離攻撃するつもりだ?

 あそこはそうそう奇襲できないだろう」

「狙撃が難しいだけだ。

 隠れる分には問題ない」

「それはそうだが……どうやってここから狙撃するつもりだ?ここから狙撃できれば正直進路には困らないぞ」

「これを使う」

 そう言って九十七式自動砲を出す。

「なんだ?これ」

「Wikipediaで調べてみたら有効射程は5,000メートルのはずだ」

「ごっ五千?」

「ああ、だがこれは僕の想像したものだからめんどくさい計算はいらない。標準をあわせて引き金を引くだけだ」

「すごいなその魔法」

「だがこれは、毎秒750メートルのスピードで飛び続ける。

 つまり、単純計算、約4秒到達までかかる。それを踏まえて行動してくれ」

「分かった。準備ができたら連絡する」


 刈谷はスコープを覗き、相手の方を監視する。

 相手はアテナを縛り、立てておいた丸太に縛り付けているようだった。

 かなり遠くからだが、男たちの顔は見て取れる。

 明らかに、美人のアテナをどうしようかを考えているようにしか思えない。

 衝動的に引き金を引きかけたが、寸でのところで我慢した。

 先ほど五藤からの通信で、レオナがこっちに来るとのことだった。

 なぜかと問うと、『狙撃中に誰かに襲われたらまずいから』だそうだ。

 それを待って、作戦開始だ。

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