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愚者の英雄伝 序 化学無き世界  作者: ray
旅立ちまで
11/30

期末試験 2

 いくつめになるか分からない屍(死んでないけど)を越える刈谷。

「これを死屍累々と言うのかなぁ」

 ※死んでません。

「でもあれって、大量殺戮の魔法なんじゃないのかなぁ」

 ※死んでません。

「まあ、一応…合掌―――――――礼拝」

 ※くどいようですが、死んでません。

「でも、やったのって、やっぱり会長なのかな? ―――勝てる気がしないけど」

 ※死んで…今回は関係ありません。


 そういいながら、あたりに注意して進む。

 はっきり言って、相手は完全に格上だ。

 今思うと、あの楯は何だったんだろうと思うが、一度振り返ってみても何も無かった。

 魔力でできたものだということは何となくわかるが、誰によるものなのかが分からなかった。



「でもあの子は、どうやってあれを防いだのかしら?」

 どう?と聞かれて悩む人々。

「防御系統の固有魔法だったとか?」

 めがねの青年が答える。

「違う。あの子の固有魔法は舞い踊る無限の刃。

 名前からして、魔力で構成またはすでに持っている剣もしくはその両方による斬撃。

 無限のってついているから、魔力の構成でできた剣がかなりの数、術者の回りを飛び回るものだと思うけど……」

「それだとあれは防げないと」

「そうなのよね……。

 まさかもう進化したの?」

「いや、さすがに速いだろう。

 一度見て見込みがあるとは思ったが……。

 それまでの成長はそれぐらいの努力が無いと……」

「してるわよ。彼」

 一同固まる。

「なかなかのスケジュールね。

 結構向いてるみたいだし」

「でも今日計ったときには無かったんじゃないの?」

 みんなが会長を見る。

「あったのよ… ??? だったけど」



 敵(生徒会の連中)を見つけた。

 ―――どうしよう。魔法だったら確実にばれるし……。

 ―――あー、ライフルでもあったら楽なんだけど……あっ!発射音でばれるか。

 ―――でも、ライフルの弾って、毎秒800メートルぐらいいくから大丈夫か。

 ―――無いものねだりしてもしょうがないけどな。


「仕方ない。ここから光と風の魔法でも連射するか」

 光が最速だが、風の魔法もかなり速いし光より消費魔力が少ない。

「あっ! ついでに固有魔法でも使って、剣でも降らせて見るか。槍のほうが面白いけど仕方ないし」

 やっぱり、無いものねだりだなと思う。



「会長」

「分かってる」

「結構数打ってくるな」

「質でかなわないのはさすがに分かってるんでしょう」

「ですね」

「じゃあ、ここらで終わりにするか」


 生徒会の面子がいたのは、森の少し開けたところ。

 刈谷がいたのは、そこから約3キロ離れた小高い丘の上。

 そこの間は焼け野原となった。







「しっかし、まさか槍が降ってくるとは思ってなかったぜ」

「魔力による精密な攻撃も予想外だったがな」

「まさに戦争だったね」

「確かに、あの魔法は、まるで戦争を持ってきてるみたいだった」


 結論を言うと、刈谷は負けた。当たり前である。

 大して向こうは、多少のダメージは負っているが、そこまで酷くない。いや、全く酷くない。

 刈谷は剣と槍を相手に降らせて、対戦車ライフル…九十七式自動砲で狙撃し、魔法を大量に放った。

 ―――魔力切れになったが……。

 しかし、問題はそこではない。

 対戦車ライフルを魔法で呼び出したのが問題なのだ。


「すいません。適性検査を受けさしてください」

「どうしたんだい?

 一昨日受けたばかりだろう」

「昨日、固有魔法が違ったものになったんで」

 刈谷はアテナとレオナに固有魔法が違ったものになったら適性検査をもう一度受けるから言うようにといわれている。

 ―――無論。言っていないが。

「まあ、いいが……。

 君は確か彼女らに変わったら言うようにいわれてなかったかな?」

「……とりあえず、受けさせてもらえますか?」

「まあ、いいだろう。

 そこで横たわっていてくれ」

「分かりました」



 このあと、その二人が来て、ぼろ雑巾にされたのはまた別の話。



「予想以上にあがっているね」

「…………」

「固有魔法も第二段階か」

「……何段階まで、あるん、ですか?」

「さあ、人それぞれだし、よく言うのは若いうちしか成長しないって言うことかな」

「無名の固有魔法、そしてその実態は戦争そのもの……」

「…………」

「まあ、いいが、君はこれから大変だな」

「?」

「要するに、君に魔力の制限が無ければ、かなりの戦力になるって言うことじゃないか」

「………!」

「騎士団からの誘いが来ると思うけど、まあ、がんばれ」

 顔が笑っていなければ嬉しかったかもしれない。

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