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学園の問題

「てなわけで、どう思うこの問題」

「そうだねぇ……」


 教室に戻ってきて友人の火野朱鷺秋(ひのときあき)に、今学園内で起こっている問題に心当たりがないか聞いている。

 すると教室の女子たちがひそひそ話始めた。


「僕より知ってそうな人に聞きに行こうか」


 そういってその話していた女子の方に向かった。

 身長は日本人男性の平均くらい、顔も良くイケメンと騒がれている火野。

 黒髪のさわやかイケメンは光の王子と呼ばれ、分け隔てなく誰かに接する。

 俺も同じことをしているんだが、腹黒王子と呼ばれあいつは光の王子と呼ばれていることに違和感を持つ。

 白髪の俺が黒と言われ、黒髪のあいつが白と言われているのは皮肉が効いている。


「聞いてきたよー」

「早かったな」

「女子はそういう噂には敏感だからね。聞いただけだから、本当かどうかも分からないって」

「無いよりはましだ」


 挨拶が少ないはどうにかなるとして、旧校舎のごみ。校舎裏のインクは原因がわかっていた方が動きやすい。

 噂でもなんでもいいから情報が欲しいのだ。


「挨拶なんだけど、一応ここって有名な人も来る学校じゃん?」

「そうだな」


 白身と黄身で争っているが、この学校は学力もそこそこ高い上に卵関連に関わる人たちが多い。

 そのため、人材を探しに企業の人が来たりするのだ。


「なのに、挨拶が少ないのは学校にとってもマイナス評価だよね」

「まぁ、挨拶は社会人の基礎みたいなもんだから、出来ないのはまずいな」

「理由なんだけど。運動部の朝の挨拶活動みたいなのが無くなったのが原因じゃないかって」

「あー」

 

 言われてみれば、あさ昇降口付近で運動部が朝挨拶していた気がする。

 確か前までは、部活でローテイションを組んでいたはずだが。


「学年が上がって、人も変わったせいで情報が行き届いてないんだろうね。しかもこんな学校だから、意図して情報を伝えていない可能性もある」

「めんどくせぇ……」


 いくら争っているからと言って、そういう基礎的な情報伝達ぐらいはしてほしいものだ。


「仕方ないよ、部長がかわって皆ピりついてるんだよきっと」

「まぁ、俺も部活入ってるわけじゃないから、どういう状況なのかわからないけどさ」

「二つ目の問題のごみなんだけど、確証がないらしいんだけど聞く?」

「ああ、一応」

「嫌がらせが悪化したって感じらしい」

「ん? 話が見えないな」


 嫌がらせなら日常茶飯事だが、それが原因と言われてもピンとこない。


「くだらない話だけど、ごみを敵対勢力に投げたり置いたりしているうちに誰のかわからなくて、そこらへんに置かれっぱなしになってるっぽい」

「本当にくだらないな」

「だから明確に誰が捨てたとかじゃなくて、学校全体で生み出したごみって感じかな」

「一番めんどくさいやつだな……」


 皆がやってるからやってると言うやつだ。

 本人たちに罪の意識がないから、なお悪い。

 こういうのは、誰かを吊るし上げる方法じゃ意味がなく、全体の意識を変えることをしないといけない。

 白身と黄身ですら争っている連中が、そんなことも出来るはずがないわけだ。


「最後のインクの件なんだけど……これについては情報がなかったね」

「……意外だな」

「なにせ、僕も聞いたことなかったからね」

「すずめから聞いた話だから、信用できる情報だと思うけが」

「うーん。そこらへんは後で調べないとかもね」

「まぁ、噂にすらなって無いってことは、インクが付いてたって言っても少量だったりしたんだろうな」


 なんでインクが付いているのは謎だが、この問題が一番簡単そうだ。

 

「そしたら、一応この話を目白にもしてきてくれないか?」

「えぇ……嫌なんだけど」


 露骨に嫌そうな顔をする火野。

 目白雪(めじろゆき)、明るく元気な金髪サイドアップの女子生徒。

 火野の幼馴染で純白の一番の友達。

 ギャルのようなイメージだが、誠実な人でかなり人気があると聞いたことがある。


「でも、なんであいつにこのこと話さないといけないの?」

「純白も会長選に向けて動くからだな、俺と同じで多分目白に情報聞いてるだろうから、情報が正しいかの答え合わせ頼みたい」

「僕とあいつが仲悪いの城宮は知ってるのに、それ言うの?」


 そうなのだ、幼馴染とは言ってもあまり仲は良くない。

 普段はそうでもないのだが、俺と純白の事になるとこいつらは喧嘩になる。

 一回ヒートアップしすぎて、止めたことがあるぐらいには仲が悪い。

 火野は俺派閥の人間、目白は純白派閥の人間だ。

 正直俺も良く話思われてないだろうし、正直おねがいしたいところではある。


「本当に、ほんとーに! 嫌だけど、仕方なく……仕方なく話してくる……」

「すまんな」

「まぁ良いんだけどさ……気が乗らないなぁ」

「ほんとごめんって」

「はぁ、それはそれとして。こんな話してくるってことは出るんだね」

「一応……な」

「目指すは?」

「接戦の末負けるが理想」


 勝つ気は毛頭ない。

 純白より遅すぎてもダメ、早すぎてもダメ。

 いい感じのタイミングで俺は動かなければならない。


「わかった。協力するよ」

「ありがとうな」

「いや、これぐらいはしないと」


 少し悲しそうに笑う火野を見送り、自分の席について考える。

 まぁ、動くなら一週間後。

 純白のお手並み拝見と言ったところか。

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