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トップ二人

「みてみて! 城宮様よ!」

「いつ見ても凛々しいお姿だわ!」


 会議室に向かっていると、俺を過大評価する声が聞こえてくる。

 白をメインにオレンジ色のラインが入った制服、黒いネクタイに身を包んでいる俺。


 ちなみにネクタイは、一年は赤、二年は茶色、三年は黒と学年によって変わる。

 つまり現三年生、なんなら三年になって初日である。

 白い髪に水色の瞳、身長も高く確かに容姿はいいと自負している。

 そんな俺を、腹黒王子だとか言ってる輩が居るらしい。学園のトップになった今あぶり出して二度とそんなことが言えないようにしてやろうか……


 そんなことを考えていると、「輝実月様だ」「今日も奇麗だな」などの声が聞こえる。

 この会議をする上で絶対に知っておかなきゃいけない人物が登場。

 輝実月純白。

 金色のツヤのある長髪に、長いまつ毛。瞳をゆっくりと開けば漂う色気。

 なのにそれを引き締めるような凛とした立ち振る舞い。

 白い制服ということも相まって天使が舞い降りたと錯覚する。


 そして俺たちは生徒会会議室に入っていく。

 中に先に居た俺のメイド小歩(しょうほ)うずらと、純白の執事の広羽雀(ひろはねすずめ)が出迎えてくれる。

 ぱたんとドアが閉まり、しばし静寂が流れ。


「うずら、この部屋に防犯カメラ、盗聴器の類はあったか?」

「一個もないよ!」

「広羽……この部屋の防音は」

「今ここで、お嬢様の個性的な歌声を披露しても音が漏れ出す心配はないかと」


 純白も雀に確認をし、2人は大きく息を吸い込み……


「「クソどうでもいいわこんな事!!」」


 俺と純白は愚痴を吐き出す。

 その為に防音や盗聴器の確認をした。

 もしも、今の業界のトップ二人が現状をクソくだらなく思っている事がバレればどうなるか分からない。

 間違いなく、暴動が起きるだろうが……

 久々に会った幼馴染の純白と、こんな話をしている現状に頭を抱える。

 それは、それとしてだ。


「学内トップになって思ったけど、この学園終わってんだろッ! なんだよ、卵白と卵黄の戦争って! アホほどどうでもいいわ!」

「どうでも良いとは思わないけれど、今の国を巻き込んで争っている現状は理解できないわね」

「てか何で誰も疑問に思わないんだよ! 卵黄しか産まない鶏と、卵白しか産まない鶏って頭おかしいだろ! 普通二つはセットで生まれてくるはずだよな⁉」


 小さい頃家で見た鶏の卵はそうだったはずだ。

 なのになぜ、世間一般の常識では卵は二種類存在するんだ。


「理由は単純ですよ……私たちの曾祖父と曾祖母が歴史を変えた」


 なん、だと……


「教科書にも載っていたはずです、昔はそういう鶏もいましたが、今は進化の過程で変わってしまったと」

「何で疑問に思わないんだ……」

「それが常識だからですよ。鳥が生まれてすぐ見たものを母親だと思うよに、そこに何の違和感も持っていないのです」

「刷り込みって事か!」

「厳密には違いますけどね。でもそうやって歴史が変わったのは事実です」

「なら俺が見た普通の鶏は……」

「卵黄だけでも卵白だけでも鶏は生まれない。だから工場で品種改良をした鶏だけを外に出しているんですよ」


 なんかもういっそ清々しいくらいに終わっている。

 てか何でこんな戦争が起きているんだ。

 文献をあさっても出てこなかったし……


「何で戦争は起きたのかって顔をしていますね」

「あぁ、こんなくだらないことやってるってことはそれなりの理由があるわけだろ」

「その話は広羽に任せます」

「分かりましたお嬢様。その前に話が長くなるのでこちらのせんべいをどうぞ」

「やったー、すずくんありがとねー」


 置かれたせんべいを椅子に座って食べ始めるうずら。

 本当にこいつメイドなんだろうか。


「それでは城宮様。始めさせていただきます」

「あ、あぁうん」

「知っていると思いますが、この戦争の原因はお嬢様の曾祖母と城宮様の曾祖父が原因となっています」


 それは聞いたことがる。

 この学園を作ったのがその二人だと言うのは父親から聞いていたし。

「お二方は学生時代お付き合いされていました。最初は仲睦まじく、学園内でもかなり有名だったそうです」


 何故だろう。嫌な予感がする。


「ですが、それはある日突然訪れます。目玉焼きは半熟かしっかり火を通すかと言う言い争いから始まり、気づけば卵黄か卵白かの争いになっていました。これが事の発端です」

「クッッッッッッッッッソしょうもねぇな!」


 純白もこの話を聞いて頭を抱えため息をついている。


「これだけならよかったのですが、お互い日本の卵業界のツートップ。どちらにつくかで日本は割れ今に至るわけです」

「卵はどの料理にも汎用性があり、調味料から料理のメインまで使えるわ。それが使えなくなったら大変だもの、どちらかにつかないといけなかったわけね」


 話の流れからして、従わない者は潰していったんだろう。

 本当に何を考えているのだか。


「それで、なんですが……私から提案が一つあるんですが……」

「……なんだ?」

「城宮君。キミこの学園の生徒会長になって白身と黄身を統一してみない?」

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