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白身と黄身

「きみが、好き! これ……受け取ってほしいの!」


 基本、誰も来ない校舎裏。

 入学式の裏で行われた、高校二年生の男女二人の密会。

 女子は俯き、腕を振るわせながら手に持っているものを渡そうとしている。


「だ、ダメだ。僕たちは……」


 男子は下唇を噛み目をそらす。


「でも! 私たちは出会ってしまったの!」

「――ッ」


 男子は目に涙を貯め再度女子と向き合う。


「わかった。それを受け取る代わりとしてなんだが……僕のも受け取ってもらてもいいか?」

「――うんッ!」


 だがしかし、二人は気づいていなかった。周りの窓から監視されていることに。

 トランシーバーで連絡を取り合い、突入の合図を待つ生徒達。


『こちらアルファ、地点ブラボーにて密会を監視中ですがブツの交換を確認居ました』

『こちらベータ、了解した。全員突撃せよ!』

『『『『了解ッ!』』』』


 屋上からジップが張られ部隊さながらの動きで降りてくる。


「しまった! あいつらが来た! 逃げてくれ!」

『させない!』

「きゃっ」

『こちらメレンゲ確保しました!』

『こちらも卵黄だけの卵かけご飯確保しました』

「くそっ」

『卵黄と卵白の密輸はこの学校では重罪だ。なんでやった』


 しかし、男子は返答もせず俯く。


『答えないか……仕方ない、後は上に判断を任せよう。身柄を確保し牢に入れておけ!』


 現在の日本はきのこたけのこの様に二つの派閥に分かれ、いわば内乱状態にあった。

 そうそれが、卵黄と卵白の戦争。

 それは単なる言い合いにとどまらず、卵黄だけの卵を産む鶏と卵白を産む鶏に品種改良されるほど。


 そして、日本は二つの派閥の境界線に学校をそれがこの月見学園だった。

 この学園は日本の卵業界を担う若き人材を集め、お互いを潰しあうために作られその歴史は長い。


 そして、そんな学園を作った二人のひ孫がこの学園のトップにして、卵白派トップの城宮の跡取り息子の城宮柚木(しろみやゆずき)

 卵黄派トップの令嬢の輝実月純白(きみづきましろ)、二人の幼馴染であった。


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