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巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった  作者: ノラクラ
第一部 王国に召喚された魂約者

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36.ケガの功名でチート強化!?固有スキル・竜識眼が覚醒!

――西の森で起きた増禍薬事件から二日後の夜。


白い部屋から意識がゆっくりと浮上し目を開けると、そこは真っ暗な天井が広がっていた。


「……ここは?」

「おお、ようやく目が覚めたか!」


声のした方を見ると、ヴェルミナさんが静かに近寄ってくる。

窓から差し込む月明かりに薄く照らされ、その表情には――安堵の色が浮かんでいた。


「ふむ……これは……まあよい。気分はどうじゃ?」


今の“これは”ってなんだろう……と一瞬思ったが、

ひとまず「大丈夫です」と返しておいた。


身体を起こそうとした時――


「んん~……」


微かな声に振り向くと、ベッドの脇で椅子に座っていたシアが

眠そうに目をこすりながら顔を上げた。


目が合った瞬間、ふたりしてパチクリと瞬きを交わし――


「……おはよう、シア」


そう声をかけた瞬間だった。


「ユ、ユウト……っ!」


シアはぽろぽろ涙をこぼしながら、勢いよく抱きついてきた。


「ユウト、ユウト……!

 ごめんね……私のせいで……ごめん……!」


震える声で何度も何度も謝ってくる。


「大丈夫だよ、大丈夫。俺はほら、こうして元気だから」


必死になだめていると、ヴェルミナさんが椅子を持ってきて、

俺の横に座り――深く頭を下げた。


「妾からも謝罪させてくれ。すまぬ、ユウト」


事情を聞くと、俺は丸二日意識を失っていたらしい。


原因は“魂の損傷”。


シアのステータスを確認するために竜力を彼女へ流したのだが、

その際、予想以上に強く“引き寄せられて”しまい、

慣れていない俺の魂がその負荷に耐えきれずダメージを負ったらしい。


俺が倒れたと知らされたヴェルミナさんは、

以前、俺の力を調べた時と同じように、俺の身体に魔力を通して状態を確認し、

魂の損傷だと判断したという。


そして原因をシアに伝えると――

彼女は真っ青な顔で、それから一度も俺のそばを離れず看病していてくれたらしい。


「妾も……お主らの状態を甘く見ておった。すまぬ、ユウト……」

「いやいや、もう大丈夫ですって。頭を上げてください」


二人そろって何度も謝罪してくるものだから、

申し訳なさと気まずさで、俺はどう返せばいいか分からなくなってしまう。


その時――


グゥ~~…………


……と、部屋にやけに響く音がした。


俺の腹だ。


空気を読まずに鳴り響いた音だったが、今はむしろ助かった。

心の中で、素直な腹に感謝すらしてしまう。


「そ、その……あの。

 すみません、なにか……食べるものって、ありますか……?」


「あ、ああ! すぐに準備させよう!」


ヴェルミナさんが珍しく慌てた声でそう言ってくれた。


……どうやら、召喚された初日のような“寝過ごして夕飯を逃す”なんて

ことにならずに済みそうで一安心だ。


――――


夕飯を食べている途中、エリオスさんとセリィも様子を見に来てくれて、

二人からも「本当にすまなかった」と謝罪された。


いまは食後の紅茶をみんなで飲んでいる最中だ。


ちなみに――

ここは“シアとヴェルミナさんが普段使っている部屋”で、

二日間寝込んでいた俺は、なぜかシアのベッドを使わせてもらっていたらしい。


≪ヤバい……普通に恥ずかしい……!≫


俺が心の中でひとり赤面していると、

紅茶を口に運んでいたエリオスさんがカップを置き、こちらを見る。


「さて、色々と聞きたいことはあるんだけど……

 まず最初にユウト。君、自分の“目の色”が変わっている理由に心当たりは?」


「……えっ?」


驚く俺に、セリィが手鏡を差し出す。

覗き込んでみると――


いつもの俺の顔。けれど右目だけが青く染まっていた。

色味はエリオスさんより少し濃く、深い青だ。


「こ、これって……?」

「おそらくじゃが、魂の回廊が広がった影響じゃろう」


ヴェルミナさんの言葉を聞いて、

シアが「……本当にごめんね」と肩を落とす。


「大丈夫だから!」


と俺は慌ててフォローするが、シアもセリィもまだ沈んだまま。


そんな二人を見て、ヴェルミナさんがぴしゃりと言った。


「お主ら二人。失敗は誰にでもあるものじゃ。

 それに、いつまでも落ち込んでおったら、かえってユウトの迷惑になると気づかぬか!」


その一言で、シアとセリィはハッとして、

改めて俺に「ごめんなさい。でも……無事でよかった」と笑ってくれた。


二人の笑顔につられて、俺も自然と笑みがこぼれる。


そんな空気の中で、エリオスさんが顎に手を当てて言った。


「ふむ……魂の回廊が広くなるということは――

 ユウト、とりあえずステータスを見せてもらってもいいかな?」


「ステータス……ですね? 分かりました」


そう言って、俺は意識を集中し、自分のステータスを開示した。


――ステータス――


名前:霧島 悠斗

年齢:16歳

性別:男

身長:168cm

体重:59kg


魔力量:F-

竜力量:S+ → SS

魔力適性:なし → 竜


〔通常スキル〕

<戦闘スキル>

剣術Lv2 / 射撃Lv3 / 投擲Lv3 / 多重障壁Lv4 → Lv6 / 竜術Lv2New


<機動・補助スキル>

命中Lv4 / 回避Lv3 /


<知識・技術スキル>

思考超加速Lv3 → Lv4 / 竜力操作Lv2New / アイテムボックスLv1New


──────────────────────


〔特殊スキル〕

天竜燐Lv3 → Lv4(属性耐性・状態異常耐性・鉄壁・干渉耐性)

竜力Lv6 → Lv7(属性特効・スキル強化・身体強化・耐性強化・竜装具現化)

竜人化Lv3 → Lv4(全ステータス強化・全スキル強化・竜力強化・超速再生・部分竜化(不安定)New )

超回復Lv2 → Lv3(体力回復速度上昇・竜力回復速度上昇・状態異常回復速度上昇)

覇気Lv2 → Lv3(威圧・恐慌誘発・精神支配)

竜力循環Lv1New(消費竜力軽減・竜力量上昇・竜力回復)


──────────────────────


〔魂約スキル:シンシア〕

竜力供給 / 思考伝達 / 擬似召喚 / 完全召喚


──────────────────────


〔固有スキル〕New

竜識眼Lv1 (遠視・先見・鑑定・看破・弱点看破・霊視・見識・視覚化[探知])


《視覚化対象》

・周辺地形(立体的な地理構造)

・生命気配(敵味方の位置・密度)

・魔力流(魔力の流れ・濃度・方向)

・構造物(隠し通路・罠・強度)

・敵意・害意(危険度の色相表示)


──────────────────────


〔継承スキル〕

模倣Lv4 → Lv5


――。


俺は自分のステータスを見た瞬間、思考が完全に停止した。


エリオスさんとヴェルミナさんもそれは同じだったようで、

部屋には他の二人のはしゃぎ声だけが響いている。


その二人というのは――


「すごいね! すごいねセリィ!

 ユウト、とっても強くなってるよ!」


「はいシア様!

 私もこれからお仕えできると思うと胸が高鳴ります!」


……うん、セリィさん?

エリオスさんとヴェルミナさんの前でシアのこと“シア様”って愛称で呼んでいいの?

まあ、この二人は気にしないだろうけどさ。


そしてシアさん?

立派な二つのお山に、俺の腕を埋めるのやめてもらえませんか!?

何に動揺すればいいのか分からなくて、思考がぜんぜんまとまりません!


≪ていうか、なんで“固有スキル”が生えてるの!?

 チート臭が凄いんだけど!?≫


シアからもらったであろうスキルのレベルが軒並み上がっているのも驚きだが、

“竜識眼”なんていう明らかにヤバいスキルが混ざっているのはもっと驚きだ。


「姉さん……これって……」


「恐らく魂を修復する際、シアとの魂の回廊が広がったことで通常よりも強化されたんじゃろうな……」


どうやら筋肉痛が治るときに起こる“超回復”みたいな現象が、魂にも起きたらしい。

そして回復に必要なエネルギーをシアから引き出したせいで、

このとんでも強化につながった……というのがヴェルミナさんの見解みたいだ。


「これほど強化されるとは……竜皇国に戻ったら文献を調べてみよう」


ぜひお願いしたい。

こんなドッキリ企画は心臓に悪すぎる。


そんな中、俺はあることに気付いた。


「あれ……【竜眼】がなくなってる?」


ステータスには

・竜術

・竜力操作

・アイテムボックス

など嬉しいスキルが並んでいる。


白い部屋でアルファに訓練を見てもらって生えた【竜力循環】もちゃんとある。


だが――

同時に生まれた【万能感知】が見当たらない。

【竜眼】も消えている。


「ユウト、何か気になることでもあるのかい?」

「小さな違和感でもよい。遠慮せず言え」


エリオスさんとヴェルミナさんが心配そうに声をかけてくる。

シアもセリィも不安げだ。


「大丈夫。体調が悪いとかじゃありません」


俺はそう言って、みんなを安心させるように微笑んだ。


「寝ている間に、ちょっと変な夢みたいなのを見たんです」


そう前置きして、俺は真っ白な空間で“アルファ”と名乗る意識と出会った話をした。


「謎の意識アルファ、か……」

「うむ、妾としても聞いたことがないのう」


「いや、アルファって名前は俺が勝手に呼んでるだけですよ?」


そう言うと、ヴェルミナさんとエリオスさんが同時に――


「そんなことは分かっておるよ」

「呼称がないと不便だからね」


と呆れた視線を向けてきた。


「ですよねぇ……」


苦笑する俺に、ヴェルミナさんが続きを促すように口を開いた。


「おそらくじゃが……【竜眼】と【万能感知】は【竜識眼】に統合されたのではないかと思うぞ」

「なるほど……。確かに“二つが混ざった”みたいな性能ですからね」


俺が納得していると、今度はセリィが遠慮がちに口を挟んだ。


「ヴェルミナ様……ユウト様の固有スキルの扱いについては、どういたしますか?」


どうやら【竜識眼】はON/OFFの切り替えができ、

ONにすると“目の色が変わる”らしい。


――説明、めんどくさそう。


そんな俺の心情を察したのか、ヴェルミナさんは一言。


「別にどうもせんでよかろう」


そして続ける。


「ユウトの変化は隠し通すことは難しいが、そもそもユウトのスキルを詳しく知っている者がおらん。

 ゆえに“魂約の影響で目の色が変わった”と言えばよいじゃろう」


「ああ……それなら確かに納得されるかも」


俺のステータスを知っているのは、この部屋のメンバーと、

友莉と奏ぐらいだ。

しかもあの二人も細かい仕様までは知らない。


俺は少し安心して、質問してくれたセリィにお礼を言う。


「これもメイドの務めですので!」


満面の笑みでそう言ってくれるセリィは、本当に頼もしい。


ふとシアがやけに静かだなぁと思って隣を見ると――

いつの間にか俺の肩に頭を預けて寝ていた。


≪いや……さっきまでそれなりに騒いでたはずなんだけど、想像以上に心配をかけたんだな≫


そんな俺の心の声に気づいたのか、ヴェルミナさんが小声で言う。


「さて、もう時間も遅い……続きは明日でよかろう」


その言葉で話は一旦お開きになり、

俺は“病み上がりだから”という理由で今日だけはここに泊まることになった。


もちろん、同じ部屋に女性陣と寝られるわけもなく――


「ユウトはエリオスの部屋でよいな?」

「わかってますよ!」


ヴェルミナさんがニヤニヤしながらからかってくるが、シアと一緒のベッドで寝るのはハードルが高すぎます!


途中でシアが寝ぼけながら


「ユウト~……一緒に寝よ……?」


と可愛くおねだりしてきたが、


「まだ早いわ!」


とヴェルミナさんに即却下されていた。


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