29.魂約者のステータス、ついに判明!チート級の皇女様!?
「大変お騒がせしました。ユウト様、シア様」
落ち込んでいたセリィが、ようやく顔を上げて戻ってきた。
俺とシアが【思考伝達】の練習がてら雑談をしているうちに少し元気を取り戻したらしい。
恥ずかしそうにこちらへ歩み寄り、ぺこりと頭を下げる。
どうやら、俺たちだけのときは“シア”と愛称で呼ぶことにしたようだ。
呼ばれた本人はというと、嬉しそうに頬を緩めている。
「さて、話がだいぶ脱線しちゃったけど……続けるの?」
「もちろん!」
即答で返すシア。
俺としては、ここで終わりにしたかったんだけどな。
≪さすがに恥ずかしいんだよなぁ……≫
そう思っていた矢先、シアが胸を張って言い放った。
「セリィだけズルいもん! 私もユウトに見てほしい!」
……強い。
このままじゃ逃げられない。
「一応言うけど、何が見えても怒らないでね?」
「うん! むしろ私のことをもっと知ってもらえるチャンスだよ!」
「皇女様だよね?」
普通は恥ずかしがる状況なのに、むしろ“見て見て!”な姿勢だ。
……立場的に、それ本当に大丈夫なのか?
「シア様は、ユウト様に少しでも振り向いてほしいだけなので、遠慮する必要はありませんよ!」
と、セリィが励ましてくれるのだけど……。
≪うん……君ってシアの専属メイドだよね?≫
と苦笑いする。
シアはそんなセリィの言葉に一瞬顔を真っ赤にするが、
すぐに首を振って――ドントコイと両手を広げた。
俺はもうどうにでもなれと、シアに向けて【竜眼】を発動する。
視界に光の粒子が集まり、淡く揺らめきながら文字へと形を変えていく。
――鑑定結果――
測定不能
――。
「「……」」
俺とシアは顔を見合わせ、数回瞬きをした。
「鑑定を失敗するとこうなるんだね」
初めての表示に、あっけにとられたというか――やっぱりな、というか。
不思議と納得している自分がいた。
そんな俺の言葉に、セリィも「やはりそうでしたか……」と頷き、
俺たちは顔を見合わせて小さく苦笑する。
……が、一人だけ違った。
「なんでぇーー!?」
机を叩き、椅子ごと沈む勢いでシアが絶叫した。
どうやら彼女の頭の中に、
――竜眼の使用を確認。妨害しました。使用者:ユウト・キリシマ
というメッセージが出たらしい。
まるでゲームの警告内容みたいだと思ったが、今はそれどころじゃない。
「妨害なんてしてないのに! 私が見てほしかったのにぃ! 私のバカー!」
そう叫んだあと、机に突っ伏して“の”の字を書き始めた。
≪リアルでこんな行動する人、初めて見た≫
俺とセリィは顔を見合わせて、苦笑しながらシアの近くにしゃがんで慰める。
「まあ、俺がもっと強くなって見られるように頑張るからさ。そんな落ち込むなよ!」
「そうですよ! ユウト様ならすぐに……たぶん……い、いつか……?」
「そこは言いきってくれよ、セリィ……」
あいまいな励ましにツッコんでいると、
シアがガバッと顔を上げ、勢いよく身を乗り出した。
「ユウト! 手を繋いで!」
「ど、どうしたんだよ!?」
突然顔を近づけられて、思わずドキッとする。
瑠璃色の瞳の奥に、顔を真っ赤に染めた自分が映りこんでいた。
「私の中にユウトの力を流してもらって、調べてもらうの!」
「シアのステータスを!?」
「うん!」
力強く頷いたシアは、胸を張って言った。
「ユウトの竜力を私に流して同調するの! やり方はお姉さまのを見たから大丈夫!」
なるほど――初日にヴェルミナさんがやっていた検査を、今度はシアがやるらしい。
だが、聞けば聞くほど不安しかない。
「簡単にできることなのか?」
「いえ……魔力を他人の体に通すのは難しいはずです。
おそらく同じことができるのは、ヴェルミナ様を含めてもごく少数かと……」
俺の問いにセリィが答える。
どうやら彼女も、詳しい方法は知らないらしい。
「シア様は普段ヴェルミナ様と行動を共にすることが多いので、何度か経験が?」
尊敬の眼差しを向けるセリィだったが――
「え? 私、お姉さまがユウトに使った時しか見たことないよ?」
その一言で、空気が固まった。もちろん俺も。
「え~とシアさん……?」
「大丈夫! 今回はユウトの竜力を私に流すだけだから!」
と、満面の笑みで言い切る。
「それに、もともと私の竜力だから操作も簡単だと思うの!」
……確かに理屈の上ではわかる。
今の俺の中を流れている力のすべてがシアのものだ。
もともと俺自身の魔力は存在しない――つまり、彼女の考えは正しい。
一応セリィに視線を向けてみると、
彼女も「それなら大丈夫そうですが……」と頷いた。
少し不安げではあるが、反対する様子はない。
……どうやらシアは、それほどまでに俺に自分を知ってほしいらしい。
≪いつもシアに助けられてばかりだし、セリィもいる。何かあっても大丈夫だろ≫
セリィは俺の考えを読んだように微笑み、
「なにかあればすぐにヴェルミナ様へ連絡します」と言ってくれた。
≪どうしよう、フラグ感が半端じゃないんだけど……≫
胸の奥に不安が残るものの、
シアのきらきらした瞳を前にしたら、もう断れるわけがない。
「じゃあユウト、私の手を握って!」
シアと俺はソファに向き合って座り、お互いの両手を繋いだ。
細くて柔らかい指先が、俺の手を包み込んだ。その瞬間、心臓の鼓動が跳ね上がった。
あたたかくて、優しく――少し力を入れたら壊れてしまいそうなのにどこか力強い。
そんな不思議な感覚だ。
シアが目を閉じ、静かに呼吸を整える。
それに合わせて、俺もそっとまぶたを閉じた。
≪お? 温かい……これがシアの魔力か? ……いや、何か……混ざってる?≫
身体の奥に、重たく、それでいて穏やかな“流れ”が俺の中の“流れ”と結びついていく。
それは魔力とは違う、もっと根源的な力――
≪これ、シアの竜力だ≫
どうやらシアは、自分の竜力を俺の竜力に結び付け、魔力で補助しながら自分の中に招き入れようとしているらしい。
俺がその感覚に逆らわずにいると、やがて一本の流れとなり、彼女の中へと導かれていく。
≪……なるほど。これなら確かに簡単そうだ≫
そう思った瞬間――スゥっと力が抜けていく。
音が遠のき、世界が柔らかな闇に包まれていく気がする。
そうして俺の意識は闇に沈んで行き、脳裏に彼女のステータスが静かに浮かび上がった。
――――
名前:シンシア・ヴァルゼリオン
種族: 竜族
性別: 女性
年齢: 178歳
所属: ヴァルゼリオン竜皇国
身分: ヴァルゼリオン家 次女(皇族)/ 第二皇女
身長:163cm
体重:49kg
B:94 (H) / W:58 / H:88
状態:親愛(98/100%)/ 興奮(95/100%)/ 多重封印(十種)
好感度(100%)/ 敵対心(0%)
魔力量: 測定不能(封印干渉)
竜力量: 測定不能(封印干渉)
魔力適性: 光 / 闇 / 風 / 雷 / 水 / 火 / 地
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〔通常スキル〕
<戦闘スキル>【封印】
武術Lv7 / 魔闘法Lv6 / 武器術Lv7 / 魔術Lv8 / 竜術Lv8
投的Lv6 / 多重障壁Lv9 / 貫通Lv7 / 浸透Lv7
<機動・補助スキル>
立体駆動Lv8 / 疾走Lv7 / 潜水Lv5 / 遊泳Lv7 / 縮地Lv7
転移Lv7 / 付与魔術Lv7 / 治癒魔術Lv7 / 結界魔術Lv7
万能感知Lv7 / 天駆Lv7 / 並列思考Lv9
<知識・技術スキル>
薬学Lv10 / 魔力操作Lv7 / 偽装Lv8 / 思考超加速Lv7
錬金術Lv9 / アイテムボックスLv7
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〔竜族系スキル〕
天竜燐Lv8(属性耐性・状態異常耐性・鉄壁・干渉耐性)
天竜力Lv7【封印】(魔力特効・スキル強化・身体強化・耐性強化・竜装具現化・???・???・???)
天竜眼Lv4(???・???・鑑定・看破・???・魔力視・???)
完全竜化Lv-(全ステータス強化・全スキル強化・竜力強化・超速再生・部分竜化)
超速回復Lv5(体力回復速度上昇・竜力回復速度上昇・状態異常回復速度上昇)
???【封印】(威圧・???・精神支配・???・鼓舞・???)
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〔魂約スキル:悠斗(制限)〕
竜力供給 / 思考伝達
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〔固有スキル〕
???の魔眼???【封印】(詳細不明)
???Lv-【重複封印】(詳細不明)
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〔特殊スキル〕
超感覚Lv8(気配感知・直感・魔力感知・危機感知)
???【封印】(詳細不明)
???【封印】(詳細不明)
???【封印】(詳細不明)
???【封印】(詳細不明)
???【封印】(詳細不明)
──────────────────────
〔加護〕
???
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