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天元物語  作者: 抜田 礼
ファンタジーの一面
42/59

◆5

 茶会とは、誰かと一緒に飲み物でも飲んで語らう集会のことで・・・はなく。

 チャット集会、略してチャ会、それをお茶会になぞらえて茶会と呼称したものである。

 やれSMSだのLINEだの色々な通信手段を得てなお、我々は旧世代のやりとりを大切にしているのである。

 今となってはSNSのサービスを利用して自身の居場所を確保するのが主流であるが、その昔はレンタルサーバーを借り、ホームページのファイルをアップロードして公開するのが主流だったのである。

 今は知らない人も多いかもしれないが、私がはじめて出会ったプログラミング言語はHTMLと呼ばれるホームページを作るための言語であった。

 インターネット普及時にはこのHTMLにとてつもない夢を抱いた人も多いのではなかろうか。

 ホームページは私にとって自分の分身だった。

 ネットの海と繋がった私は世界のどこかにいる未知との遭遇を夢見たりして、ウキウキしながらホームページを作っていた。


 某SFアニメにはネットの海で発生した生命体を名乗る某2501なる魅力的なキャラクターが存在するわけだが、そんなサイバー空間への無限の可能性にワクワクしたのをよく覚えている。

 某アイドルがブログを毎日書きなぐってネットの世界に自分と言う存在を色濃く残そうとしたように私もホームページを拡大させてネットの世界に永遠の命を見出そうとしたりもした。

 SNSが普及し、アカウントと言う枠組みの中で管理された今のネットに昔のようなワクワクやドキドキを感じるのは難しいかもしれない。

 その代わりに今のネットは馬鹿みたいに便利になっているので、無論私は昔が良かったとは思わない。

 とは言え今は良くも悪くも何もかもがハイレベルだ。

 昔は筋肉ムキムキのドラえもんを見ただけで一カ月は爆笑できたわけだが、今その映像を見てもクスリともしないのだから人間と言うのは面倒くさい。

 面白いと思うことも、感動で涙することも、慣れてしまうとそこにあるのは無なのだと思うと、時代の発展と言うのは難しい。


 さて、話を戻して茶会であるが、このやりとりをするのはHTMLでは無理だろうとは思うが、不可能であると証明したことは無い。

 しかし少なくとも我々はネット上の日記や会話に於いてはレンタルサービスを利用してやりとりしている。

 茶会に用いられるのはレンタル掲示板。

 2chと呼ばれた掲示板も今となっては遠い昔の産物なので知らない人もいるような気はする。

 要はネット上の誰もが文書を書きこめるサービスがあり、そこで電話番号もメルアドも知らない相手と会話をしたりするわけだ。

 ネット上の友達、今みたいにSNSの枠組みでは他人はただの他人だが、ホームページにメッセージを書いた人物は少なくともネットの海で自分を見つけてくれた特別な人間と認識するものだ。

 そんな関係が好きで我々は新たな通信手段を設けてもこのやり取りを継続しているのである。


 私のホームページの掲示板を見るとタクヤからメッセージがあった。

 タクヤのハンドルネームは旅猫。

 その名前ほど自由な身分ではないが時々遠くへ旅にでかけることもあるのだそうな。

<久しぶり白カラス、この前言ったラズベリーパイは買えたかな?>

 白カラスは私のハンドルネームであるがそこはどうでもいい。

 問題は茶会をしない?と言ったその文面に書けば済む内容。

 合理的な判断をくだせる人間ならばこのホームページどころかこの旅猫すら見放してしまうのではなかろうか。

 しかし、こういったやり取りの記録もホームページの魅力の一つだったりするのである。

 今でも年賀状を貰ったら嬉しい人は居ると思う、詰まる話が私はそう言うタイプなのである。

<買えたよ、これで色々なものを作れるよ。ついでに一つお願いがあるのだけど>

<お願い?何でも言ってよ!>

 ノリノリで返事をする旅猫。

<君と融合したい>

<するwwwするwwwwww>

 無駄を省いたらきっと色んなものが消えると思うからね。



<君の方からそう言ってもらえると助かるよ>

<ん?>

<実は僕の方からもそんなお願いがあるんだ!>


 ・・・・・・?


 何だか怪しい方向に話が進展してしまったかな?

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