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天元物語  作者: 抜田 礼
ファンタジーの一面
39/59

◆2

 人は一度は大きな夢を抱くものだと思う。

 私も出来ることならば倉庫の派遣や、コンビニのアルバイトなんかじゃなくて絵を描いたりゲームを作ったり色々な事がしたかったわけだ。

 大きな技術に支えられる現代であれば、ゲームエンジンだったりAI技術を搭載したお絵描きソフトだったり、とてつもない技術がネットを見回せば見つかるわけであるが、インターネットが普及する前と言うのは本の出版すら未知の領域であり、物の売買を始めるためには会社なり、店舗なりをかまえなければならない印象だったと記憶している。

 まぁ幼い時の記憶なので大人達が見ていた世界とはそれなりに異なることもあるだろうが、まぁそんな感じだったのだ。

 インターネットが繋がった時も今みたいに自由に繋げるわけではなかった。

 ページを閲覧するだけで通信料がかかり、ゲームの攻略サイトを何度も見たことによって値段が跳ね上がり親から怒られるなんてこともよくあった。

 それを考えれば現代というものはとてつもない程恵まれた時代であることは言うまでもない。


 しかしどういうわけかそんな恵まれたネット上の資源を駆使しても理想を職業にするのは厳しい。

 ハローワークで見られる求人は本当に人を募集しているのかと疑いたくなるようなものばかりで、そんなアート関係のものが見つかることは、この街に居る限りはまずないだろう。

 ならばと資源を用いて一攫千金を夢見たところで、世のプロフェッショナルと呼ばれる人間たちは想像の遥か上を行くのである。

 無論彼らを追えるようにする資源もネット上には存在するわけで。

 それを利用すれば一般人が半年、或いは数年かけてやる作業を数秒でこなしてしまうようなとてつもないアイテムがあったりもする。

 無論それを利用して頑張ってみたいとも思うが、一般人がそれを利用するとなると馬鹿みたいに金がかかるのである。

 一攫千金を夢見ても、結局成功しなければシャレにならない負債を抱えることになるのが世の現実なのである。

 それを思えば無難に続けられる職業に就き余暇で趣味程度の範囲でやりたいことをするのが無難だという事が私が今持っている感想である。


 おそらくそんな我慢をしなければならないのが現実というものなのだと私は思う。

 学校に行かずに遠くに旅に出たかったし、好きなものとずっと向き合っていたかったし、友達といつまでも遊んでいたかったし、具体的には答えられないがやりたいことは沢山あった。

 世界は昔よりもずっとずっと恵まれているはずなのに、私は昔よりもずっとずっと色々な事が出来るようになったのに、プロの世界は何年経っても遠いままだ。

 それならば来世に期待してファンタジーの世界に旅立ってやろうとかついつい思う時もあるのだが、なんだかんだと実行せずに今日に至るのがやっぱり現実というものなのだろう。

 砂漠とオアシスの蜃気楼か?或いはマッチ売りの少女か?

 幻想をどう形容するかが人生の分岐点みたいなところがあるなと私は思う。



 そんなくだらないことを考えていた3Dプリンターの出力待ち時間。

 ドラえもんの4次元ポケットの原型があるとするならば間違いなく3Dプリンターがそうなのだろうとか私は思っている。

 要するに立体を作る過程の時間ベクトルが4次元なわけだから、ドラえもんのポケットはその場で物を作っているのだ。

 つまり私の理屈では4次元ポケットに頭から飛び込むN少年はバラバラに解体されるわけであるが、まぁあれはもっと未来の話なのでその辺は上手いことやっていることとする。

 四次元ポケットほど夢はないが、それでも精密に動き仮想世界のオブジェクトを現実に召喚するこのマシンはなかなかに素晴らしいと思う。

 その精密な動きはYoutubeのショート動画みたいに見始めるとついつい見入ってしまう。


 私は無意味に見入るのを止め、街に繰り出すことにした。

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