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傾国のブス  作者: 佐伯 鮪
28/50

28 公開処刑2 

※本来のストーリーはR18指定です。

問題ない方はこちら(https://novel18.syosetu.com/n6327ha/)をご覧ください。

「おい! 息子は関係ないだろう!」


 将軍が叫ぶと、由貴妃はにっこりと微笑んで、民衆に向かって新しく連れてこられた彼の紹介をした。


「こちら菖李(しょうり)師団長。菖将軍の嫡子ですわ」

「や、やめろ、何をする気だ……!」


 菖蒲に状況を問いかけようとするも、わなわなと震えていて、とても聞ける雰囲気ではなかった。

 板に寝かされているのが菖蒲の兄ということは、今の由貴妃の紹介によれば、菖将軍は菖蒲の父親ということになる。


(そんな話、この三日間一切していなかったのに……)


 何か言えない事情があったのか、あるいは言ってもどうにもならないと思っていたのだろうか。いずれにせよ、私達は目の前の光景を注視するのが精一杯で、何か話ができる状況ではなかった。


「そ。将軍のおっしゃったように、息子さんには直接の罪はないわ。でもね、今回は"将軍への刑"として、息子さんの存在が必要なのよ」

「どういうことだ」

「うふふっ。息子さんには、今から宦官になってもらいまぁす」

「……なっ!!」


 舞台の声を聞くために静まり返っていた客席に、どよめきが広がる。「宦官にする」とはつまり、男性の一物を切除するということだ。今から、数万の民が見ている、この場で。


「将軍が私に盾突いた罰よぉ。ねぇ、手塩にかけて育てた息子が(メス)にされちゃうって、どんな気持ちかしら? この若さで師団長、ゆくゆくは将軍になることが期待されていたわよねぇ。将軍の刑は、まず目の前でその瞬間を見届けることよ」


 先ほどのどよめきは収まり、逆に水を打ったようにしんとしていた。由貴妃の声が会場に響く。


「うふふ、それからね、今日は特別なお客様をもう一名用意してるのー。さ、連れてきて!」


 由貴妃のその掛け声により、今度は縄で腕と胴体を縛られた若い女性が連れられてくる。その女性を見た途端、先程まで無言を貫いていた菖李師団長が、顔を上げて声を発した。


「おい、約束が違う! 妻には手を出さないと言っただろう!」

「心配しないで、奥様には何もしないわ。本当に、そこで見ててもらうだけよ」


 あの女性は、師団長の奥さんだということだ。菖蒲にとっては、兄嫁にあたるのだろう。


 それにしても、なんと(むご)いことを思いつくのだろうか。通常、宦官にする手術は密室で行われるはずだ。公衆の面前で、そして父親と妻の見ている前でそれを行うなどーーまた、父から見れば息子が、妻から見れば夫が、()()を切られるところを間近で見せられるなど、並大抵の精神では想像もつかない。


 私は震える菖蒲にかける言葉が見つからず、その手をぎゅっと握りしめた。


「菖李師団長。さすが、その歳で出世頭なだけあるわぁ……精悍な顔立ち、筋骨隆々なこの肉体、どこをとってもまさに美丈夫と呼ぶに相応しいイイ男ね」


 由貴妃は彼に近寄り、その身体を撫で回した。

 若い武人である彼が四肢を動かそうと抵抗を試みても、きつく固定されてびくともしない。由貴妃は彼の服を開き、好き放題に弄り回していった。

 

 会場はしんと鎮まり、師団長とその奥さんのすすり泣く声が聴こえてくるほどだった。


 誰も彼も、一言も発しなかった。

 一般客も妃嬪たちも、そして私達も、多くは青ざめた顔をしてその壇上を見つめるしかできなかった。

※本来のストーリーはR18指定です。

問題ない方はこちら(https://novel18.syosetu.com/n6327ha/)をご覧ください。

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