「第一話 超常現象研究部」
今から約20年前。
世界に突如として超能力者や悪魔、怪人、魔物、宇宙人などの多くの空想上の概念が現実世界にも現
れだしたのだ。
そして俺はそんな変わり果ててしまった世界の日本にある青山高校に通う東条浩紀。
高校二年生だ。
中学までは野球部に入っていたがぶっちゃけ俺は運動が好きなわけでもなかったし顧問はパワハラレベルにスパルタだし高校になったら文化部にでも所属しようかなーなんて思っていた。
そして高校に進学しあの時俺は何を思ったのか校内でも屈指の変人の集まりである超常現象研究部に所属してしまったのだ。
「お疲れ様でーす。」
俺は超常現象研究部という立て札のかかった部屋の扉を開けた。
「よう!お前もスマブラするか?」
俺に真っ先に反応したのが三年の遠藤和人先輩だ。
「なんで学校にゲーム持ってきてんですか。まじでこの部活終わりますよ?」
ていうかこの人はなんでこの部活に入ったんだろうか。
ガタイもいいしいかにも運動系の人なのに。
「まあまあ。学校でゲームってなんだかばれたらまずいっていうハラハラが楽しいんじゃんか~。」
今俺に話しかけたのが歴史科の教師であり我らが青山高校超常現象研究部の顧問である赤城祐司先生だ。
「先生がそんなんでどうするんすか!!ていうか和人先輩はハラハラドキドキっていうよりも普通にゲーム楽しんでません?」
「おい浩紀。ポテチ買ってきて~。ちなみにコンソメ以外買ってきたらぶっ飛ばすから。」
たった今俺をパシろうとし地面に寝っ転がっているのが和人先輩と同じ三年生の加藤美和先輩だ。
「お!浩紀もう来てたのか?」
俺の後ろから声をかけてきたのが俺と同じクラスであり俺の友人である山田翔也だった。
「お疲れさ。って!あ!また遠藤先輩学校にゲーム持ってきたんですか!?これは没収です!」
翔也に続くように部室にやってきたのが俺と同じクラスの宮島加奈だ。
「待ってくれ加奈ちゃん!!それは俺の生命線なんだ。それを取られたら俺返してもらうまで何をして生活してればいいんだ!」
「別にゲームがなくたって読書とかでもしてればいいでしょ!?」
「そんなこと言いながら実は加奈。自分がゲームしたいからって理由で没収したんじゃないのか?」
「うるさいわねえ!浩紀君は黙ってて!!」
「まあまあ加奈ちゃん落ち着いて。」
「ていうか。先生がこういうの注意しないといけないんじゃないんですか!?」
ごもっともな意見だ。
「そ、それはそうだけど。」
「それはそうだけどっていうか当たり前のことでしょう!?」
「そんなことより早くポテチ買ってきてよ~。」
はあ。
俺はこんな頭のおかしい人たちの部活で残りの高校生活を過ごしていくことになるのか。