ラブレター。
掲載日:2020/03/25
初めて書こうと 手にした便箋
握り締めたペン先が さ迷い くるくる廻す悪い癖
いきなり 「好きです」って無い気がするし
だからといって 「はじめまして」でもない
いつも すれ違う度に 気になって
たまに見掛けても 声に出せない
勇気とか云々で 地味に圧し殺す 冷たい壁に寄り添って
書き認め 厳重に封を凝らした 分厚い封筒は
胸ポケットのなかで 来る日を見ずに じくじく湿る
赤く四角いあの口に 放り込めば届くのかな?
受付嬢の 彼女の元へと―― 涙目で




