7.ジャンルについて
書作品の公募展に出品する場合などは、漢字、かな、調和体、篆刻、前衛書などに部門分けされていたりします。
その公募展によって分け方が異なりますので、日本の「四大書道展」と呼ばれているらしい、日展、産経国際書展、毎日書道展、読売書法展の部門を取り上げます。
まず、日展ですが、漢字、かな、調和体、篆刻の四種類に種別されているようです。
次に、産経国際書展ですが、漢字部門、かな、篆刻・刻字、 臨書部門、現代書部門があるようです。
さらに漢字部門は、少字数、多字数、篆刻、現代書部門は、少字数書、近代詩文書、墨象、刻書、刻字などに細かく分けられているみたいです。
そして、毎日書道展は、漢字部Ⅰ類、漢字部Ⅱ類、かな部Ⅰ類、かな部Ⅱ類、近代詩文書部、大字書部、篆刻部、刻字部、前衛書部があります。
それから、読売書法展ですが、漢字、かな、篆刻、調和体の四部門に分かれているようです。
ちなみに、U23部門がある公募展もありますが、ここでの書のジャンルとは意味合いが違いますので、省かせていただきました。
U23部門とは、簡単に言うと、二十三歳以下の方々が出品する部門のことです。
もう少し詳しく説明していきます。
まず、「漢字」ですが、そのまま漢字が書かれた作品のことです。
漢字も、毎日書道展では文字数で細かく部門が分けられています。
一字、二字を大きく書いた大字書と、三字以上二十字以下を書いた漢字Ⅱ類、二十一字以上の漢字Ⅰ類があります。
ただし、大字書は、ひらがな、カタカナも含まれます。
次に、「かな」ですが、和歌、俳句、写経、和様漢字、巻子、冊子(帖)などの作品を指します。
これも毎日書道展では部門が分かれています。
和歌三首以上、俳句は五句以上、ただし、文字の多少に拘わらず、写経、和様漢字、臨書作品(大字臨書を含む)、巻子、冊子(帖)、貼り混ぜを含むものは、かな部Ⅰ類、和歌一から二首、俳句は四句までのものは、かな部Ⅱ類となります。
そして、「調和体」ですが、これは漢字かな交じり書のことです。
詩歌や現代文を題材にした「近代詩文書」もこの中に入ります。
それから、「篆刻」は、中国古代の文字篆書を石印材などに刻し、紙に押印した作品、「刻字」は、自分で文字を書き、刃物を使って板・竹などに彫った作品のことです。
最後に、「前衛書」ですが、これは可読性を超えた文字性、非文字性の作品のことで、墨を使った造形芸術である「墨象」もこの中に入ります。
一口に「書道」と言っても、これだけの種類があるわけですから、極めるのは中々大変です。
前にも書きましたが、私が主に勉強しているのは「漢字」なので、「前衛書」あたりは、ちんぷんかんぷんです。
良し悪しが全く分かりません。
なので、フィーリング、直感で観ているわけです。
前衛書作品は、書というよりも絵なのでは? と思ったりもしますが、元々、象形文字は絵から発展して生まれたのだから、原点に帰ったのだと考えれば、書になるのかなとも思ったり。
考え方は色々ですよね。
お読み下さり、有難うございます。