6.書作品鑑賞のすすめ
ジャンルの話の前に、書作品の鑑賞の仕方について、私の考えを書きます。
絵画とかもそうですが、鑑賞の仕方についてはルールやマナーを守って、人様のご迷惑にならなければ、自由でいいと思っています。
鑑賞のポイントなんかも特にありません。
私は、自分のフィーリング、直感を大切にしています。
「この作品には引き込まれる」
「この表現の仕方は好きだな」
「何だかありきたりで面白く無いな」
「変わっていて面白いな」
「執念を感じる」
「何も感じない」
「私にとってはつまらない」
「ただ綺麗」
「力強いな」
「繊細だな」
「心が震える」
など。
そんな感じで観ています。
ただ、自分が勉強している分野の作品に関しては、直感だけでなく、食い入るようにして隅々まで観察します。
全体を観た後は、使っている筆、墨、技法、落款、余白、かすれ、にじみ、線の強弱、配置、書体、表装など、細部をよく見て、今後の自分の作品に活かせるように研究します。
ちなみに筆や墨などの使用された道具は、大体の想像です。
私が一番良くないと思う鑑賞の仕方は、ネームバリューがある人の作品は全てが素晴らしいと思い込んで、フィルター越しに観ることです。
心からその人の作品全てが素晴らしいと思っているのなら、別に良いと思います。
でも、皆が良いと言っているからそう思うのは、目が曇っています。
もっとご自分の感性を大切にして欲しいです。
駄作と呼ばれるものの中にも、名作はあると思いますし、名作と呼ばれるものの中にも、「これのどこが良いのか分からない」と、思うものもあると思います。
鑑賞は、ご自分の感性の赴くままに、自由に、素直にされることをおすすめします。
あなたが感動すれば、その作品はあなたにとっては名作でしょう。
作品鑑賞に関しては、他人の物差しではなく、ご自身の心の物差しで測った方が、観ていて楽しいのではないでしょうか?
それらを踏まえて、知識があると鑑賞がもっと面白くなると思いますので、これからジャンルや書体についてお話していきたいと思います。
つづく
ちなみに、書作品以外でも同じような感じで、私は鑑賞しています。