翼君だからだ。
それから私は翼君に今までの事を全て打ち明けた。
旅行の最終日のこと、学校でのこと、トイレや廊下でイタズラされたこと、授業中に不快な紙が回ってきたこと、帰ってからも非通知で何度も電話がかかってきたこと、翼君や寧々ちゃんには気付かないようにしてたってこと、翼君たちは何も悪くないってこと、泣きながらでうまく話せなかったけど、私の話を翼君は相づちを打ちながら真摯に聞いてくれた。
あれ…?
どうしてだろう。
泣いたからかな?誰かと話をしたのが久しぶりだったから?
…違う。翼君だからだ。
行き場のない気持ちを翼君に聞いてもらうことで、気持ちが楽になったように感じた。
(翼side)
…千晴の話を聞いていると自分の未熟さが痛いほどわかった。
こんなにも重荷を抱えていたのに何一つ気付けなかった自分が腹ただしい。
「ふふ、翼君はやっぱり優しいな…」
「え、?なんで?だって俺千晴が苦しんでるのに何m((」
「ほらほら、そーゆーところだよ?私の辛さを自分のことのように理解してくれて、変えようとしてくれる。そういうのって1つの才能なんじゃないかな?」
「俺の、才能…?」
「うん!私だけじゃなくて、みんなもきっとそう思ってるよ。」
「そっか、俺にも才能があったのか…。 あ、あのさ、千晴。俺まだ聞いてほしいことがあって、あの時言えなかった俺の過去、聞いてくれるか?」




