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寧々のおかげだ
寧々はバスケという繋がりだけでなく、クラスまで同じだった。
寧々はクラスのムードメーカー的存在で、ことある事に話題を持ちかけてくれた。
そのおかげか、俺の周りにも人が集まるようになった。
その時からかな。
寧々みたいに明るくて、場を盛り上げられる人になりたい、誰かを救いたいって思うようになったのは。
それまでは、自分のことしか考えられなくて、最低限のことしか出来なかったけど、バスケに会って、寧々に会って、色々なものが見えるようになった。
人に優しくできるようになった。
ちょっとした冗談が言えるようになった。
友達ができた。
笑顔が増えた。
これだけは言える。
俺が、母親の死を受け入れられたのは、寧々のおかげだ。
そして、中学2年生になった頃、寧々に全てを打ち明けた。
父親が他界してまもなく俺が生まれたこと。
小5の冬に交通事故で母親を亡くしたこと。
今まで乗り越えられないと思っていたけど、寧々のおかげで変われたこと。
全部を包み隠さず伝えた。
すると、寧々が自分のことのように、泣いてくれた。
あの時、泣けなかった自分の分の涙を流してくれているようだと思った。




