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証明するために
それから、全部で4.5軒ほどの小さな屋台を回って、帰ることにした。
母親は焼きイカが大好きだった。
帰り道、俺は母親と外出できたことが嬉しくて、はしゃいでいた。
今日のご飯は何にしようか、と話してた、
…その時だった。
「翼っ!危ない!!!」
キキキーッッ
ドンッ
頭が真っ白になっていた。
何が起きたのかさっぱり分からなかった。
分かることは一つ。
血は赤いんだってこと。
真っ白な雪を染める赤。
その瞬間は、刑事ドラマを見ているかのように冷静だった。
母親はどこに行ったのだろう。
お母さんが僕の名前を叫んでいた気がするけど、
…どこに行ったの??
辺りを探しても母親はいない。
なんだ?
人が沢山集まってきた。
あぁ、初詣に来たのか。
ん?救急車と警察もここに来るのか。
結構人気の神社なんだなぁ…。
「っ…君!!あの女性の息子さんかい?」
「えっ?僕ですか?今、お母さんを探してて…」
「…とても、言いづらいんだが…」
「?そんなわけないですよ、あれが僕のお母さん??だって、さっきまで隣にいたんですよっ!?」
警察官らしき人がよく分からないことを聞いてきた。
俺は腹が立って、その赤い塊に近づいた。
これがお母さんなわけがない。
それを証明するために。




