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銀のツバサ  作者: たおるけっと
3.自分の自分
47/72

見ててください。


.☆.。.:.+*:゜+。 .゜・*..☆.。.:*・°.*・゜ .゜・*..☆.。.:*・°.*・゜ .゜・*..☆..☆.。.:.+*:゜+。 .゜・*..☆.。.:*・°.*・゜ .゜・*..☆.。.:*・°.*・゜ .゜・*..☆.

(翼side)

俺が生まれた時、既に父親は原因不明の病で他界。


親戚のおじさんから、俺が生まれる2ヶ月前のことだったと聞いた。


母親はいつも笑顔で一人息子の俺に溢れんばかりの愛情を注いでくれた。


愛する人を喪った哀しみを、涙を、見せることは無かった。


俺さえいなければ、父親は生きていたのかもしれない。


そう思うと、顔も見たことのない父親に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


それ以上に、母親を喜ばせたい、楽にさせたいと強く思うようになっていた。


勉強はできなかったから、体育大会のかけっこで1位を取ったり、洗濯物を畳んだり、料理の手伝いをしたりとできることを全力でやってきた。


母親が作る料理はどれも絶品で、夢中で食べてたら、


「ご飯は逃げないよ〜♪ゆっくり食べてね!」


って言ってくれたっけな。


母親は言葉通り女手一つで俺を育ててくれた。


家事だけでも大変なのに、家計をやりくりするため、俺を守るために遅くまで働いてくれた。


少しは自分にお金を使えばいいのにって言っても、


「私はいいのよ〜。翼がいれば幸せよー!」


って。


俺を、俺という存在をあたたかく受け入れてくれた。


大人になったら、働いて、絶対に母親に恩返しするんだ、と誓った。




そして、忘れもしない小学5年生の冬休み。


俺の夢は儚く散った。


俺と母親は近所の神社へ初詣に来ていた。


雪の降る日だった。


お賽銭を入れて、宣言する。


「大きくなったら、お母さんを幸せにします。今できるお手伝いは少ないけど、もっと頑張るので見ててください。」

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