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はじまり
人には誰にでも消してしまいたい記憶がある。
テストをカンニングした記憶、友達に陰で悪口を言った記憶、元彼との記憶
そんな思い出を消すことができる。
__いらない記憶、消しませんか?
「まじで言ってんのかよ」
省吾が小さいペラペラの紙を指さす。
「おもしろそーw正樹行ってきたら?」
正樹が行くわけねえだろ!と神谷。
「あーね、行くわけないじゃん」
だよな!正樹そういうの信じねえよな。
いらない記憶か‥
そんなものないや。
どうせ、詐欺だろうな。
正樹は空き缶を蹴っ飛ばした。