16 初めての魔道具
地の文も少なく加筆しないといけないところが多々あります。
妄想を書いてここから肉付けが始まりますが、最初はこんな感じです。
3連投しました。
街中にポツンと建つお店は幅は二メートルにも満たずにひっそりと存在していた。
その名も「魔道具店リリィ」
この辺境の街にある魔道具屋のなのだが、もの凄く小さい。
他にも魔道具屋があるので、このお店で買い物をしようとするものは少なかった。
そんなことは気にも留めずレインはお店に入った。
「こんにちは。水を作る魔道具って売ってますか?って魔導士さん?」
レインが入ったお店は三年前に魔法の詠唱を教えてくれたお姉さんだった。
「いらっしゃい。私は貴方に見覚えがないのだけど、私を知っているの?」
少し怪訝な顔をされる。
そのことに少なからずショックを受けながらもレインは更に話掛ける。
「三年前に村を救いに来てくれて、魔石だけ取って帰るときにクリーンの魔法を教わった子供です」
「ええっ!!君凄く大きくなったわね。今は私ぐらいの身長があるじゃない」
相手もどうやらこちらを認識出来たらしくホっとした。
「それで魔導士のお姉さん。村で役に立ちそうな綺麗な水を作る魔道具か、地面を深く削る掘削する魔道具はありませんか?」
レインは色々考えて出来ることから考えて二つの魔道具をお願いしたのだった。
「有るわよ。あら、マキナリさんじゃない。いらっしゃい」
そこにマキナリが顔を出し、魔道士の女性は常連さんの顔を見るように笑いかけた。
「今日はレインの付き添いだ」
「そういえばお姉さん。リペアって魔法知ってる?」
レインはこのタイミングなら魔法の詠唱をすんなり教えてくれるのではないかと聞いてみた。
「知っているわよ。【時よ 悠久なる時を遡り 復元したまえ リペア】よ」
「使えますか?」
「ふふふ。私でもそれは無理よ。適正が無いもの」
「適性ですか?」
「そう。火、水、風、土の四属性は誰にでもある程度資質があるの。それ以外の木、雷、光、闇、時、空の属性は生まれた時に神様から授かる恩恵と生まれ育った環境で変わってくるのよ」
「なるほど」
レインはそう言って頷くのだった。
そんなレインを見て魔道士の女性は笑いながら、さらに教えてくれる。
「それに魔力を感じられるようになるまでに長い年月が掛かるし、それからも努力しないと基本属性の魔法も使えないのよ。ふふふ」
なんとも分かりやすい説明だった。
「じゃあ空を飛ぶ魔法とかは?」
「昔はあったと言われているけど、それが使える魔法士は居たとしても一握りね」
「おお。そうですか」
レインは自分が励んでいる空を飛ぶ魔法もいつか出来るのではないかと興奮してきていた。
「お~いレイン。本筋からずれているぞ」
マキナリさんから注意されて、本題に戻す。
「さっき言った魔道具一通りの説明をお願いします」
レインはこうして魔道具の説明を受けながら買い物を始めた。
説明を聞きながら鑑定を行い購入するものを決めるのだった。
湧水の水晶:魔石をはめ込み使うタイプで、手をかざして魔言と呼ばれる合言葉を喋ると、起動して十リットルくらいのきれいな水が出るものを五つ購入した。
掘削の螺旋結晶:一度使いきりタイプのただ穴を掘るだけの結晶で在庫が有り余っているのでこれを大量に購入した。
「こんなに買ってくれるなんていい子だわ。あ、待ってて」
奥に行くと暫らくして戻ってきた。
「私はもう使わないからあげるわ」
「これって〔生活魔法を極める〕じゃないですか。買ったら高いですよ」
魔法士が持ってきたのは、先程レインが欲しかった本だった。
「いいのいいの。私はもう覚えたから必要ないのよ。いつかこれで魔法が使えるようになればいいわね」
そう言いながら、オマケをくれたが、レインにはそのオマケの方が重要になるのだった。
「銀貨二十枚ぐらいの買い物で、こんなに高価なオマケをくれたらお店潰れますよ」
レインは本気で心配した。
「大丈夫。此処にある魔導具は元手が掛かってないから」
「それって作ってるって事ですか?」
レインが尋ねてみた。
「そうだよ。」
魔導士の女性は胸を張った。
「そうなんですか。なら安心ですね」
そのレインの対応に、今度は女性の方が何処か拍子抜けした感じでレインに問いかける。
「教えて欲しいとは思わないの?」
「恩人の食い扶持を潰すような外道にはなりたくないので」
そうニコニコしながら御礼を言ってお店を出るのだった。
レインの言葉を聞いて無言で頭を撫でる女性をマキナリが停止させるまで止まらず、あまりの撫でっぷりにレインは禿げないか少し心配していたのは秘密だ。
店を出ると直ぐにマキナリからレインに声が掛かった。
「レイン、そんなにいっぱい掘削の螺旋結晶を買ってどうするんだ?」
「村が広いわりに井戸が一つしかないですから井戸を建設してみようかと思います」
「はぁ~お前は博打士だな。」
マキナリさんに呆れられた。
井戸を掘るのを博打と言われるには理由がある。
普通は土魔法士と水魔法士が数日を掛けて水脈を探して固い岩盤を削り井戸を作るからだ。
「まぁ何事も挑戦ですよ」
「まぁオーク肉が思っていた約二倍で売れたから全然構わないが」
レインの笑顔を見てマキナリはそう言って咎められることをしなかった。
買い物は続き、精製された鉄や衣類を購入するとマキナリがそわそわし始めた。
「どうしたんですか?」
「よし。じゃあ俺はバルファーを四頭買ってくれる」
レインが問いかけるとマキナリは荷物を宿に置くとバルファー、地球での名称は牛を買いに行ったのだ。
「まさかこのために僕を連れて来るとは」
そう。バルファーをレインを追ってくるようにして頼んで、村でヤギのミルクだけでなく、バルファーのミルクを提供するのがマキナリの目的だったのだ。
結局、この日もう一泊して翌日早朝に村に帰ることになったのであった。
レインは市場と宿が目と鼻の先だったこともあり、露天の品を鑑定し続けて掘り出し物を探した。
だが、美味しい話はそんなに転がっているはずも無く、宿に戻り裏庭で素振りをして時間を潰した。
こうして今日は控えめに宿の食事を食べるといつもより早く眠り、明け方にマキナリさんを起こした後に女将さんに作っていてもらった朝食を食べながら、まだ薄暗い街を新たなバルファーと共に村へ向けて出発するのだった。
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