00 神の悪戯 無理矢理の転生
深夜のオフィス街は朝の喧騒が幻のように静かで、俺の好きな時間だ。一歩脇道に入れば居酒屋や夜の街へ誘おうとする客引きが深夜だというのに頑張って仕事をしている。
それを横目に逆側の道を選ぶとこちらの行き着く先は閑静な住宅街になっており俺の家もこの方角にある。
歩いて通える距離を考えてここに家を借りたのは一年前。
今では家が近いことを理由に残業を押し付けられ、残業代も出ない中小企業の悪しきしきたりにもがきながらも働いている。
出勤退勤表に決められた時間を書かせられる。これが中小企業の一般的にブラックと言われる会社の現状となっている。
朝から深夜まで働くそれが俺の日常だった。この時までは・・・。
?! ここで俺は非日常な出来事に巻き込まれた。歩いていたところで地面が急に落下したのだ。
「くっ」
俺は手を伸ばしたが落下する方が早く手は届かなかった。
次の瞬間には白い空間にいて目の前には顔が隠れた男? がいた。
ここは何処だ? そう問おうとしても声が出せなかった。
「いや~まさか地球の神への嫌がらせで、深夜にマンホール並みの大きさのシンクホールを創っていたら、ピンポイントで通過する人がいるとは思わなくてね」
アハハと笑う目の前に居るこの中性的な声の持ち主が今回の非日常を創りだした者らしい。
「そんな無言で睨まないでくれよ。一応私は君たちの立場から言えば神なんだから、この世界は関係ないけどさ。天罰下しちゃうぞって、もう君は死んでるか」
てへっと暴走している神を名乗る者だったのだ。
それと声が出ないのではなく出せないのだ。
「さてと、いつまでも睨む君をからかうのも面倒だし、話を進めましょう」
今度は得意げに話を始めた。
「結論から君は死んでしまった。これはなんというか、こちら側としてもまさかの展開だったw だから君に天国に行くか、転生するかを選ばせてあげよう」
楽しそうにこちらを見つめる。
「えっ? 異世界に転生したいだってw 仕方ないな。そうだな~君たちの世界の小説でありがちな鑑定スキルと識字能力はあげよう。僕って優しいよね」
神と自称している子供のようにテンションの高い男? は私の身体に触れた。
「あ、そうだ。あとステータスポイントで自分を強化出来るようにもしてあげるよ。新しい人生を歩めるんだ。ガルダルディアの主神である私を崇めてもいいんだよ。それじゃあ楽しませてくれ」
その言葉を最後に俺の意識はどんどん上空へと加速していき、俺は意識を失った。
結論から言っておこう。口が開けなかったのも身体が動かなかったのも当然だ。人魂。それがこの白い空間での俺の形だったのだから。
神の暴走により、こうして俺は異世界に無理矢理転生させられるのであった。
お読みいただきありがとう御座います。
聖者無双の方が加筆修正が必要なのでこちらの外伝をスタートさせます。
さらっと書いていきますので、過度な期待はしないでいただければ幸いです。




