第一話、当たり前の日常と非日常
お久しぶりです。desutoroiyaです。
久しぶりに書くと思うように進まなくて困ってしまいました。
それでも頑張って書かせてもらいました。
何か感想とかを書いてもらえたらうれしいです。
第一話
町や城は燃えていた。
「どうして・・・」
少女は火の渦の中にいた。
逃げようとせず、ただそれを眺めているだけだった。
「どうして、あなたは裏切られたのですか?・・・」
ある人の顏を浮かべながら、少女は泣いた。信じてたのにこれで皆が平和で暮らせるようになると思ってたのに。
なによりも、あなたと一緒に暮らせられると思ってたのに。
そう、最愛の人に裏切られた。
少女は首に付けていたネックレスを外すと
握りしめるようにそれを掴んだ。
「もう一度あなたに会いたい。・・・」
「ジル・・・」
少女は炎の中に消えていった・・・。
<現在、2xxx年 3月 >
俺の名前は王魔 将
俺は今窮地に陥っている。
「これどういうことだよ!?母さん!!」
俺は持っていた封筒を机にたたきつけた。
「ん?転校の案内だよ。」
「それだよ!!どうして入学して早々転校なんかしなきゃいけないんだよ!?」
「どうしてって。そりゃあ~ねえ~」
とぼけた顔をする母。
「俺は、普通の学校に入りたかったから頑張ったのになのにどうしてだよ!?」
「ぶっちゃけると~権力にやられました~」
「・・・」
「本当だよ?嘘なんかついてないからね!!」
「もういいよ・・・何を言っても状況は変わんないから。」
「大丈夫。きっとショウちゃんならうまくやれるよ~」
「ショウちゃんはやめてくれ・・・」
俺はあきらめ自分の部屋に戻っていった。
何故おれがこうまでして転校したくなかった理由は
この世界が能力者だらけで俺は無能力者だからだ。そして俺はなるべく能力者たちが受けなさそうな学校を受けた。
だが、無情にもお国から、能力者育成学校への転校が来たのだ。
理由が能力がない人でも能力が発現するかを実験するらしい。
何がうれしくて実験台にならなきゃならんのだよ・・・。
俺は机に再度封筒の中身を見た。
「どう見ても転校の案内だよな~」
「これからどうなるんだろ?」
マジで行きたくない。
そうこうしているうちに、転校の日がやってきた。
学校は寮なのでうちから出ていかなければならない。
「さびしくなったらいつでも帰ってくるのよ。」
母さんは涙を流しながら手を振っていた。
とりあえず、適当に手を振って俺は学校に向かった。
さきに荷物は送ってあるし、手荷物はほぼ手ぶらだった。
「電車で大体3時間か~かなり時間掛かるな~」
途中で乗り換えて
俺は電車に揺られながら、3時間頑張った。ある意味拷問だな。
そう思いつつやっと着いた町を見渡す。
「のどかな街並みだな。」
周りを見渡し、案内を見た。
「えっと・・・如月学園はっと・・・これか?」
「6番乗り場っと。もう来てるじゃん!?」
振り向くと、バスが到着していた。俺は走った。
「ちょ、ちょっと待った~」
ぎりぎり間に合った。
「あぶなかった~」
「お客さん駆け込みはご遠慮しますよ。」
「申し訳ないです。」
お辞儀してから、どこか空いてる席に座った。
急に後ろから女の子に声をかけられた。
「ねえ君、私服だけど・・・もしかして、転校生?」
どうして転校生だとわかったんだろう?
そんな疑問を抱えつつ、聞いてみた。
「まあ、そんなところですけど、どうして転校生だとわかったんですか?」
「ふふ、だってすごい注目の的だもの。」
「注目の的?」
どういうことだろ?何か目立ったことをした覚えがないのだが。
「転校生はうちの学校初めてだったし、
さらに無能力者が来るっていうから・・・あ、ごめんなさい別にあなたをばかにしたわけ
じゃないから。本当にごめんね。」
「いや、別に気にしてないから。」
俺は苦笑いし、話題を戻した。
「それじゃ~転校って俺だけなんですか?」
「私が知ってる限り、あなた一人だけって噂だったから。」
「そうですか・・・」
俺一人だけかよ!!
実験ならもっと人呼べよ!!
「ところで、敬語使わなくてもいいよ。たぶん私とあなた同じ学園だと思うし。」
「これも噂だけど一年生だって言ってたから。」
「なるほど。でも転校生って大抵2年とかそのあたりだと思うんだけど。」
1年でこの時期に転校って考えられないと思うけど。
「これは能力者の予知能力で分かったんだって。」
「なるほど。理解した。」
「で、どうなの?1年生で合ってる?」
「ああ、合ってるよ。」
「あ、あのね。私とお友達になってもらえないかな?だめかな?」
突然言われてびっくりした。
「い、いや~俺なんかと友達になってもなんも利益ないよ?」
「ん?友達に利益とかいるの?」
さらにびっくりした。
「いやなんて言うか・・・こういうのって実力主義だから。より強い人と友達作った方がいいんじゃないかと思って。」
実際に俺は前の学校でも友達は作れなかったわけであったし。
「ふ~ん。別に強い人がいいっていう人はいいんじゃないそれで。私はそういうのどうでもいいし。」
意外だった。能力者はそういう考え方が当たり前だと思っていたから。
「私は、気に入った人しか友達作らないから~」
「あ、そろそろ橋が見えてくるよ。」
そういうと、バスがトンネルを過ぎると、すぐに橋になった。
「学園って島だったのか?」
「あれ?知らなかったの?結構有名な学校でね唯一人工で作られた島なんだよ。」
「へ~、初めて知った。」
「もしかして、何も調べなかったの?」
「う、別に調べなかったわけじゃなくてだな、楽しみを取ってたんだよ。」
「え~~なんか言い訳っぽいよ。」
「どこも言い訳っぽくないよ」
「まあ~いっかぁ~ところでもうお友達だからこれ決定~」
笑いながら俺の肩をポンポン叩いてきた。
「いや、本当にいいのか?俺で?」
「くどい。私が決めたから拒否権なし~」
強引に話を打ち切られた。
「なんていうか。まあ~これからよろしくってことで。」
俺もあきらめた。まあ初めてできた友達だったからどう答えたらいいかわからなかった。
「ふふ、よろしく~」
「そうだ!!名前言ってなかったね。私は宮本 ななみ」
「俺は王魔 将」
「王魔 将くん?なんかすごい名前だね。まるで魔王の名前みたい。」
「やめてくれ・・・俺は別に魔王じゃない。」
魔王って言われると、どうも頭が痛くなる。
「大丈夫?なんかつらそうな顔してたけど・・・」
「大丈夫だ。問題ない。」
俺は笑って答えた。
「そう、じゃあ~ショウちゃんって呼ぶね」
「それもやめてくれ。呼び捨てで構わないから。俺も呼び捨てで行くから。」
「う~ん。わかったよ。じゃあショウ改めましてこれからよろしくね~」
「よろしく。」
丁度、バスは目的の場所に着いた。
学園を見て俺は決意した。
とりあえず生き延びよう。
俺以外全員能力者なんだ気を抜いたらやられてしまう。
学園生活の開幕であった。