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転生したようなので好き放題やります。〜創造神とかいうチートを授かりました〜  作者: Rairo
第4章 ルミナス王国の確立

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第39話_もちろん、とことん追い詰めますよ。

王城の空気は、重かった。


誰も言葉を発さない。

誰も、軽々しく息もできない。


玉座の間に並ぶのは、

商業国家ハルディアの王と重臣たち。

そして、ルミナス王国の王――アルト。


その前に立たされているのは、

グラント商会会頭ガルヴィスと、副会頭レイヴン。


「……では」


アルトが、軽く手を叩いた。


「続き、いこうか」


その声は相変わらず軽い。

だが、その軽さが、この場では異様だった。


「“誰が命じたのか”」

「それを、今からちゃんと見せるね」


ガルヴィスは、微動だにしない。

老獪な商人特有の、

“証拠が出るまでは負けていない”という顔だ。


「我々は、すでに説明しました」

「商会としての関与は――」


「うん、知ってる」


アルトは遮る。


「だから“説明”じゃなくて、“確認”だって」


クロウが一歩前に出た。

その手には、小さな魔導具。


「これは?」

ハルディア王が問う。


「映像記録用の媒体です」

クロウは淡々と答える。

「ルミナスダンジョン管理用に用意されたものですが……

 今回は、別の用途で使います」


ガルヴィスの視線が、ほんの僅かに動いた。


アルトは気づいたが、何も言わない。


「再生」


クロウが短く告げる。


次の瞬間。

宙に、淡い光の幕が広がった。


映し出されたのは、

どこかの応接室。

豪奢ではないが、無駄のない造り。


そして――


『噂はもういい。効かない』

『なら、事故を作れ』


聞き覚えのある声。


レイヴンだった。


ざわり、と場が揺れる。


映像は続く。


『ダンジョン内だ』

『死人が出れば、管理責任になる』

『証言は金で用意しろ』


その向かいに座る人物が、はっきりと映る。


グラント商会会頭、ガルヴィス。


『いや』

『まだだ』


低く、確信に満ちた声。


『これでも動かないなら――奪う』


そこで映像は止まった。


静寂。


あまりにも、完全な静寂。


言い逃れの余地は、

一切なかった。


「……っ」


レイヴンが、初めて言葉を失う。


ガルヴィスは――

何も言わない。


否定も、抗議も、怒りもない。

ただ、理解していた。


(ここまで、か)


アルトは、そんな彼を見て首を傾げる。


「思ったより、綺麗に撮れてたね」

「音声も明瞭だし」


軽い。

あまりにも軽い。


ハルディア王が、ゆっくりと立ち上がった。


「……説明を、求める」


その声は、震えていない。

怒りすら、通り越していた。


「これは、事実か」


ガルヴィスは、ようやく口を開いた。


「……商いとは、そういうものです」


開き直りでも、強がりでもない。

ただの本音だった。


「利益のために動く」

「それの、何が悪い」


その瞬間。


空気が、完全に冷えた。


「悪いかどうかは、簡単だよ」


アルトが言った。


「君たちは、“事故”を作ろうとした」

「無関係な人間まで巻き込むつもりだった」


一拍。


「それは、商いじゃない」


アルトは、真っ直ぐに言う。


「金で権力を振り回す暴挙だ」


クロウが続ける。


「ハルディア王国法」

「冒険者ギルド規約」

「国際交易協定」


「すべてに違反しています」


ハルディア王は、深く息を吐いた。


「……グラント商会会頭ガルヴィス」

「及び、副会頭レイヴン」


その声は、裁定だった。


「本日をもって、

 商会の全権限を凍結し、財産を没収とする。

 そして――我が国から永久追放とする。」


重臣たちが、一斉に動く。


「冒険者ギルド上層についても、徹底調査を行うように」


ガルヴィスは、何も言わなかった。


金で築いた城が、

音もなく崩れていくのを、

ただ受け入れていた。


アルトは、その様子を見て満足そうに頷く。


「うん」

「これで一件落着だね」


ハルディア王が、アルトを見る。


「……ルミナスの王」


「なに?」


「貴国は、最初からここまで見ていたのか」


アルトは、少し考えてから答えた。


「うん、そうだよ」


「金で動く相手は、必ず一線を越える」


「越えた瞬間を、

 逃さないように準備をしてただけ」


それだけ。


戦争でもない。

脅迫でもない。


ただ、

“相手が自分で踏み抜くのを待った”だけ。


アルトは、いつもの調子で手を振った。


「じゃ、あとはそっちでよろしく」

「ルミナスは、今まで通りやるからさ」


去り際に、ふと足を止める。


「――ああ」


振り返って、一言。


「次に手を出すなら、

 もっと上手くやってね」


それは忠告でも、嘲笑でもない。


事実だった。


こうして。


金で作られた嘘は、

すべて表に引きずり出され、

光の下で、静かに終わった。


ルミナス王国は、揺れなかった。


そして世界は、理解し始める。


――この国に、

 “裏から崩す”という選択肢も通用しない、と。

※ここまで読んでくださってありがとうございます。

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