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転生したようなので好き放題やります。〜創造神とかいうチートを授かりました〜  作者: Rairo
第4章 ルミナス王国の確立

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第37話_これは誰の仕業なんでしょうかねぇ?

冒険者ギルドから出された依頼は、珍しく合同だった。


目的は、ルミナスダンジョン中層の踏破調査。

難度調整と情報共有を目的に、三つの冒険者パーティが同時に入る。


「珍しいな、合同って」


「安全確認も兼ねて、ってやつだろ」


そんな軽い会話を交わしながら、三組はダンジョンへ足を踏み入れた。


――表向きは、ただの調査依頼。

だが、その中の一組だけが、目的を違えていた。


(この辺りでいいな)


二人組の男は、周囲を確認して足を止める。

革袋から取り出したのは、薄く刻印の施された石板。


「合図を待つ必要はない」

「ここで呼ぶ」


石板を地面に置き、魔力を流す。


召喚陣。

商会から渡されたものだ。


――Aランク魔物を呼び出し、

他の冒険者パーティを襲わせる。


事故。

ダンジョン内での不幸な遭遇。

管理が行き届かなかった結果。


そういう筋書きだった。


「……来い」


男が低く呟いた、その瞬間。


何も起きなかった。


召喚陣は淡く光ったまま、沈黙している。

魔力は吸われているのに、反応が返ってこない。


「……おい」


もう一人が焦った声を出す。


「おかしいぞ。魔力は行ってる」


もう一度、強く流す。


それでも――

空気は揺れない。

気配も現れない。


(召喚、失敗?)


その考えが浮かんだ瞬間。


「失敗ではありません」


静かな声が、背後から落ちた。


二人が振り向く。


そこに立っていたのは、黒を基調とした服の男。

派手さはない。

だが、その場の空気を完全に支配する存在感。


クロウだった。


「このダンジョンでは、

 管理者の許可なく外部魔物を召喚することはできません」


「……な、なんだお前は」


「ルミナス王国、ダンジョン管理責任者です」


淡々とした自己紹介。

だが、それだけで十分だった。


クロウの視線が、足元の召喚陣に落ちる。


「外部からの召喚魔道具。

 ギルド依頼内容と明確に矛盾していますね」


「ち、違う! これは――」


「言い訳は後で結構です」


クロウは懐から書類を一枚取り出した。


「あなた方が、

 事前に商会関係者と接触していた記録」

「召喚陣の受け渡しが行われた事実」

「そして、この依頼に“偶然”参加した経緯」


淡々と読み上げる。


「十分です」


「――規約違反、及び重大な安全妨害行為」


二人の顔から、血の気が引いた。


「お前ら……最初から知って――」


「知ってはいません」


クロウは首を横に振る。


「想定していただけです」


その言葉が、重く落ちた。


「よって」


クロウは一歩前に出る。


「この場で身柄を確保します」

「抵抗は推奨しません」


二人は動けなかった。

召喚は失敗し、

逃げ道もない。


遠くで、他の二パーティの冒険者たちが異変に気づき、立ち止まる。


「……何があった?」


「事故、じゃなさそうだな」


クロウは振り返り、落ち着いた声で告げる。


「問題ありません」

「危険は排除されました」


それだけで、十分だった。


冒険者たちは、何も起きなかったことを理解する。

そして――

何も起きなかったこと自体が、異常だと気づく。


――――――


その日のうちに、二人は冒険者ギルドへ引き渡された。


召喚陣。

事前接触。

依頼内容との不一致。


すべてが、記録として残る。


ギルド職員は、深く息を吐いた。


「……ダンジョン内で、こんなことを」


「事故は起きていません」


クロウは淡々と答えた。


「未然に止めました」


「……助かりました」


ギルド側の言葉は、それだけだった。


――――――


ルミナス大要塞、執務区画。


報告を聞いたアルトは、軽く頷く。


「うん。予定通り」


「召喚は不可能でした」

クロウが続ける。

「管理権限による制御です」


「そりゃそうだよ」


アルトは笑った。


「自分のダンジョンで、

 勝手に魔物呼ばれたら困るし」


クロウの視線が鋭くなる。


「今回で、

 “事故を作ろうとした”事実は明るみになりました」


「うん」


アルトは椅子に背を預ける。


「でも、まだ末端だ」


「次だね」


クロウも頷いた。


「次は――

 この騒動を誰が命じたか、です」


窓の外では、今日も冒険者が行き交っている。

何も知らず、何も失わず。


事故は起きなかった。


だが――

踏み込んだ者たちは、確実に捕まった。


アルトは、いつもの軽い調子で言った。


「さて」


「それじゃあ本命を、引っ張り出そうか」


その声は静かだった。

だが、逃げ道はもう残っていなかった。

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